クラリスとは? クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗.
薬剤感受性試験結果を解釈する際、国内の多くの施設はCLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute) M100[11]に記載されている基準を使用していると思います。そのCLSI M100に記載されている腸内細菌科細菌と緑膿菌における判定基準が、2019年版から変更されました。院内のシステムにすでに反映させている病院はまだほとんどないと思われますが、感受性「S」と判断されるMIC(minimum inhibitory concentration:最小発育阻止濃度)の上限価が引き下げられました。「感受性あり」と判定するための条件が厳しくなったということです。この改訂により「感受性あり」と判定される確率は下がるため、さらにフルオロキノロン系抗菌薬の有用性が低下する可能性があります。
ドキシサイクリン ③クラリスロマイシン*,アジスロマイシン* ④レボフロサキシン*,シプロフロキサシン ⑤クリンダ
ここまでフルオロキノロン系抗菌薬の使い時や副作用について説明してきました。最後に、使用する際に注意したほうがよいと思われる2つのポイントについて説明します。
嫌気性菌に殺菌的に採用する薬剤です。中枢神経を含む組織移行性が良好で、腹腔内感染症・脳膿瘍にβラクタム系と併用します。またCDIの第一選択薬でもあります。
消化器症状、末梢神経障害、脳症などの副作用があります。
7.3.2 in vitro 抗菌力の検討において、本剤とレボフロキサシ
2016年7月に行われた、すべてのフルオロキノロン系抗菌薬の添付文書の改訂では、「警告」に、腱(腱炎、腱断裂)、筋(筋肉痛、筋力低下)、関節(関節痛、関節腫脹)、末梢神経系(末梢神経障害)、中枢神経系(痙攣、めまい、振戦、抑うつ、幻覚など)への不可逆的な副作用が追記されました。同時に、「代替薬がある場合、フルオロキノロン系抗菌薬の使用を控えるべき疾患」が明記されました(表8)。どの副作用も、それほど頻度は高くありませんが、非常に重篤なものです。
特にここ数年、フルオロキノロン系抗菌薬の副作用が問題視されています。米国食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)は、safety announcementを何度も発表しています(表7)。
シプロフロキサシンの感受性ブレイクポイント (MIC 1 μg/mL)を超える MIC を示
フルオロキノロン系抗菌薬の最大の欠点として、大腸菌などのグラム陰性桿菌の耐性率が高いことは、すでに何度も述べてきました。ここでは、その他の欠点について説明します。「副作用」「薬物相互作用」「結核診療への悪影響」という大きな3つのポイントがあります。
一方、レボフロキサシンの点滴製剤は、先発品・後発品複数の製品が販売されていますが、多くの製品ではレボフロキサシン500mgが生理食塩水100mLに溶解されています。先発品であるクラビットRの場合、「クラビットR点滴静注バッグ」であれば100mLの生理食塩水に溶解されていますが、「クラビットR点滴静注」(電解質を含まない20mLのアンプル製剤)の場合、80mLの溶液(5%ブドウ糖液でも可)で希釈して使用するため、シプロフロキサシンと比べてNa負荷を減らすことが可能です。ちなみに、添付文書上の投与量は「1回500mg 1日1回」なので、1回750mgを投与する場合は添付文書上の用法・用量を逸脱することになります。
[PDF] 【4】Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRE)・腸球菌に対して有効性がある薬剤です。
骨・肺・髄液への移行もよいですが、静菌的な薬剤でありVCMが使用できる場合はそちらを用いたほうがよいです。腸管吸収率が高い内服薬もあります。
骨髄抑制(とくに血小板減少)、末梢神経障害などの副作用があります。
シプロフロキサシンには心電図上のQT間隔を延ばす作用があるため、他のQT延長薬と一緒に使うときは細心の注意を払います。
カンピロバクター クラリスロマイシン経口(CAM)3~5 日間 ..
レボフロキサシンとモキシフロキサシンは、結核菌への効果が高いことが分かっています[50]。ただし、現在の標準治療を超える効果は示されておらず[51-53]、第2選択薬という位置付けとなっています。そのため、耐性結核や副作用で第1選択薬が使用できない場合に使用されます[51]。レボフロキサシンとモキシフロキサシンの効果は同等と考えられますが[54]、モキシフロキサシンは保険適用がないため、通常はレボフロキサシンを選択します。また、最近の研究では、リファンピシン耐性結核の治療において、モキシフロキサシンの有用性が示されました[55]。
シプロフロキサシン(CPFX)点滴静注、ゲンタシン(GM)筋注or 点滴静注.
グラム陽性菌、グラム陰性菌、非定型肺炎の原因菌など幅広い菌に対して静菌的な抗菌活性を持つ薬剤です。一部のMRSA、梅毒を含む性感染症、リケッチア症、ブルセラ症の治療にも効果があり、外来治療に便利と言えるでしょう。
歯牙色素沈着・軟骨形成などの副作用があり、小児・妊婦・授乳婦には禁忌です。
CAM (クラリスロマイシン) · AZM (アジスロマイシン)
両者の組み合わせで、テオフィリンの副作用である不整脈や痙攣といった中枢神経系の症状が現れやすくなります。
LVFX (レボフロキサシン) · MFLX (モキシフロキサシン) · CPFX (シプロフロキサシン) ..
レボフロキサシンとモキシフロキサシンは、肺炎球菌をカバーするため(respiratory quinoloneと呼ばれる)、前述したように市中肺炎で使用可能です[14]。外来治療を行う場合に便利ですが、フルオロキノロン系抗菌薬には後述する欠点があるため、代替薬(高用量アモキシシリンとアジスロマイシンの併用など)が使用できる場合は、そちらを選択したほうがよいと考えています。
3章 抗微生物薬の特徴 8 ニューキノロン系:シプロフロキサシン
使用する可能性がある状況は、感受性のあるStaphylococcus aureusによる椎体炎や人工関節感染で点滴抗菌薬から内服抗菌薬にスイッチする場合です。その場合、レボフロキサシンが選択されることが多いと思います(通常はリファンピシンと併用)[40-42]。モキシフロキサシンは、リファンピシンと併用すると血中濃度が約30%低下するため、あえて選択することはありません[40,43]。この状況での代替薬は、ST合剤、ミノサイクリン、クリンダマイシンです[40,41]。感受性と副作用などを検討して、これらの中から治療薬を選択することが多いです。ちなみに、筆者は、ST合剤とクリンダマイシンが使用できない場合のみ、レボフロキサシンの使用を検討します。
【ミニレビュー】フルオロキノロン系抗菌薬 KANSEN JOURNAL
多くのグラム陽性菌・一部のグラム陰性菌、非定型肺炎の原因菌などの効果がありますが、本邦では耐性化が進んでいます。
ほかのマクロライド系に比べて腸管吸収率は悪く、下痢などの副作用が起こりやすいです。
シプロフロキサシン錠をはじめとする経口キノロン系薬やミノサイクリン錠をはじめとする経口テ
シプロフロキサシンによる光線過敏症は、見逃されがちな副作用の一つです。
[PDF] マクロライド系抗菌薬が無効であったマイコプラズマ肺炎の 1 例
頭痛やめまい、不眠などの軽微な症状から、痙攣や幻覚といった重篤な症状まで、幅広い副作用が報告されています。
染による肺炎を疑い,アンピシリン点滴投与とクラリスロマイシン(CAM)内服投与を開始した. ..
実際のところ、緑膿菌肺炎を外来治療する状況はあまりないと思われるので、市中肺炎の外来診療でレボフロキサシンでしか治療できないという状況はかなり少ないのではないでしょうか。レボフロキサシンの利点は、錠数が少ないため良好なアドヒアランスが期待できること、高いbioavailabilityと豊富なevidenceと使用経験があることです[37]。しかし、レボフロキサシンは、実は肺結核であった場合にその診断を遅らせてしまうリスクと、頻度は低いですが重篤な副作用のリスクがあるため、慎重に適応を検討する必要があります。
キサシリン、セフトリアキソン及びシプロフロキサシンを含む多様な基準化合物と
この副作用は、高齢者やステロイド使用中の患者でより顕著に現れます。
MICを比較した。エベルニマイシンは試験したすべての菌株に対して高度に有効であ
その際、最も頻度の高い肺炎球菌をカバーする必要があるため、フルオロキノロン系抗菌薬を使用する場合、肺炎球菌への効果が期待できないシプロフロキサシンでは不適切であり[14]、レボフロキサシンを選択します。肺炎球菌、Haemophilus influenzae、Moraxella catarrhalis、Klebsiella pneumoniaeの感受性率は、それぞれ98.2%、99.6%、100%、96.4%なので[36]、効果は十分に期待できます。モキシフロキサシンは、スペクトラムがより広いこと、治療成績においてレボフロキサシンより優れている点はないことから、市中肺炎の診療ガイドラインに選択肢の一つになっていますが[37]、筆者が使用することはありません。代替薬は、高用量のアモキシシリン(1回1g 1日3回、注:日本の添付文書の用量を超えている)とアジスロマイシンの併用、アモキシシリン/クラブラン酸、セフトリアキソン(非定型肺炎をカバーする場合はアジスロマイシンを併用)です。既存の肺疾患、最近の入院歴がある場合[25]、喀痰グラム染色で緑膿菌を疑うGNRが観察された場合は、レボフロキサシンの使用を検討します。
プロフロキサシン、ラスクフロキサシン、パズフロキサシン) ..
VCMと同系統の薬剤です。
組織移行性はよく、副作用は少ないです。血漿蛋白結合率が高く血中濃度が上がりにくいため、投与開始時は投与回数を多くしたり、血中濃度測定をして投与量を調整したりする必要があります。
市中肺炎、β-ラクタム系薬へのクラリスロマイシン上乗せの意義は?
これらのフォローアップにより、治療の最終的な成功を確実なものとします。感染症の完治と副作用の回避を両立させることで、患者さんのQOL(生活の質)向上につながります。
J01FA09 クラリスロマイシン clarithromycin
軽症の憩室炎や虫垂炎は外来治療可能です。また、肝膿瘍の治療を経口抗菌薬にスイッチした場合も外来治療に移行できます。このような状況では、腸内細菌科細菌のほかにBacteroides spp.などの嫌気性菌もカバーする必要があるため、シプロフロキサシンとメトロニダゾールを併用することが一般的です。代替薬としては、アモキシシリン/クラブラン酸、ST合剤とメトロニダゾールの併用が挙げられます。また、モキシフロキサシンは、嫌気性菌に対してある程度の効果が期待できるので、内服する錠剤の数を減らしたい場合に検討します。ただし、腸内細菌科細菌に対する効果がシプロフロキサシンより劣る可能性があること、Bacteroides属の耐性率の上昇や一部の腸管内に存在する嫌気性菌について感受性率が悪いことから、積極的には選択しません。