Print and Playで試遊できるトリックテイキングゲーム


Twitterで見かけた同人ゲームが面白そうだったので「やりたいなー」と呟いたらたむらさんが「持ってるからやりましょう」と言ってくれて、それならやろうということでいたるさん宅を借りて、さらに前々から興味があったサークル「Manifest Destiny」の新作を一味さんに持ってきてもらった。私は手ぶらで参加。人徳……! 我が圧倒的人徳のなせる業……!(いつもありがとうございます)。

いたるさん、一味さん、たむらさん、私の4人で。

●-KUFU- クフ

サマリーがにアップされています。

早速メインディッシュから。まあこの見た目ですよ。こんなん面白いに決まってるわなw

協力ゲー。プレイヤーはピラミッド内部を調査する探検隊となる。全員で古文書を読み進めていって階段や通路や部屋の位置を特定していき、時間内に女王の間と財宝の間と王の間を見つけて外に出られたら勝利。

古文書の各ページを表しているリーフレットをシャッフルしてバインダーに綴じたらゲーム開始。多くの場合、手番プレイヤーは古文書を先頭ページから(または付箋を貼った任意のページから)何ページか読み進めることになる。ページごとの記述は変わらないが、ページの順番が変わるので、ゲームごとの展開が変わるわけだ。

単純に「廊下が伸びている」「階段が下っている」みたいなページを見つけたら、ルールに従ってそれらを配置することができる(テーマ的には、あくまでもプレイヤーが“配置している”のではなく、最初からそのようにあった構造物を“発見した”わけだが)。

だけど、前提条件が必要なページを先に見つけてしまった場合(よくある)、とりあえず古文書を読み進めて、その前提条件を見つけないといけない。そのあとでそのページを再度読めば、それを配置できる。

ということで、本質は記憶ゲーだ。もしどのページに何が書かれてるかを一見して覚えられる人がいたら、たぶんゲームにならない。だがそんな人はいないだろうw そこで記憶を補助するための付箋が必要になるのだが、この枚数が限られてるとか、重要な構造物を配置したときには付箋の貼り付けが強制されるとか、一部の罠ページを読んだら古文書を誤訳したことになって付箋を剥がさなきゃいけないとか、もうとにかくこの付箋周りのルールがいちいち効いててしびれるw 私は記憶ゲーあまり好きじゃないが、この「記憶を補助するための限られた手段」があるだけでぐっとよくなるもんだね。

この日は序盤こそ付箋のうまい使い方ができず、どの辺にどの構造物についての記述があったかろくに覚えられなかったが、中盤からこつが見えてきて順調に探険を進めることができた……「この付箋の前のページは罠だから読むなよ! 絶対読むなよ!」って決めてたページを3回くらい読んだけどなw

デンジャラスな即死系罠も回避し、女王の間、財宝の間と首尾よく発見したものの、王の間をうまく配置できずに敗北。いやこれ初見だとかなりの高確率で置けないだろw


こんな風に置けていればなー、という夢w

ワンアイディアを形にしてるところが、これぞ同人ゲーという感じ。手作り感もサイコーw さすがにルールの記述に甘いところもあるが、ゲームとしてもよくできてる。是非大パブリッシャーから豪華コンポーネントでルールもきっちりさせて出版して欲しい。


●スペースレース

からフォルダを掘り進んでいくと、どなたが訳したものかは分かりませんがルールの日本語訳があります。

続いてたむらさん持ち込みのこれ。キックスターター案件。冷戦時代の列強の宇宙開発局長官となって、軍事行動の一環としての宇宙開発競争を行う。

手札のカードを伏せて出し、一斉公開。それに応じたカードを場から取っていき、自分の手元を育てていく。数字がでかい方から取っていくので当然でかい方から出したいが、基本的に使い捨てなので出しどころを考える必要があるし、一番小さい1のカードには特殊効果もついてる。取って手元に置いたカードはいくつかの分野での数字を増やしたり、特殊能力ついてたり、得点ついてたりする。規定ラウンドプレイして最多得点プレイヤーの勝ち。


手札はこんな感じ。


場札を集めて各色の数字を増やしたり、特殊効果を利用したりする。

短時間で終わる軽めのゲームで、序盤こそ手なり感があるが、徐々に手札が減って手元が増えてくると他プレイヤーの狙いや自分が取るべきカードが絞られてきて、カードを取る順争いが熱くなってくる。「他プレイヤーの捨て札置き場にある得点カードと同じアイコンを持つ」カードを出して稼ぐ予定だったのに、いたるさんの「他プレイヤーの捨て札置き場から得点カードを取る」カードによって無価値になってしまったのがハイライトw

さすがに国内流通は望めないと思うが、レーガン大統領とかの実在の人物が多数カードになってるので、私と同じ世代の人にはより一層ヒットすると思う。なかなかいいよ。


●アリスマティック英傑伝

にルールがあります。

メインディッシュその2。たぶん私にとって初めてのマニフェストデスティニーゲーム。いつもアートワークが美しいので気にはなってた。これも実にかわいらしい。

ワンダーランドを襲う【虚無】に対抗するために召喚された数多くのアリスたちが、【虚無】を倒したあとで今度は互いに争い始めたので、そのうち1グループを率いてワンダーランドの覇権を握ろうとする。

設定はなかなか個性的だが、ゲームは硬派な陣取りだ。手番ごとにカード1枚プレイし、マップ上で1エリアを侵略する。侵略したエリアの色に応じて、その色のプレイ済みのカードの枚数分だけいろんなものが得られる。最終的に欲しいのは勝利点なので白エリアを狙いたいが、戦力がなければそもそも攻められないので赤も伸ばしたいし、遠くを攻めるには食料がいるので緑も欲しいし、カードの補充/プレイに必要な青/黄も当然いるし……となかなか悩ましい。

マップの見た目が「デウス」に似てるし、一部ルールも「デウス」に似てるらしいが、私はそちらは未プレイなのでどのくらい似てるかは不明。こちらをやった限りでは、プレイするカードの色と攻めるエリアの色を考えるだけでも充分悩ましいのに、さらにカードには特殊能力もあるので終始うんうんうなりっぱなしだった。この日は陣取りの基本に則り、できるだけ多くのエリアに噛んで、1位を死守すべき最低限のエリアを死守した一味さんが勝った。


最終的な私の場札。赤のコスト8(だったかな)のカードを埋めちゃったのが失敗だった。

手数がかなり少ないので、2手番かけて1エリアを落とすルールは使った時点でほぼ負けだし、他プレイヤーの土地を攻められない(攻められる場合はうまみが少ない)ので逆転性が(たぶん)低い、一部カードの効果が相当に強い(らしい)など、いくつか気になるところはあるが、そのあたりを差し引いてもよくできてる。積極的に機会を作って、このサークルの他のゲームもやりたいね。でも勝利点チットが裏表で異なる値になってるのはやめた方がいいと思う。どうやらこのサークルの伝統らしいが、単純に使いにくいわw


●コブラ

詳しくはこちら↓


最後にいたるさんのこれ。キックスターター案件。何かが日本人ボードゲーマーの心を掴んだらしく、一時期 Twitter やブログを大いに賑わせ、その後あっという間に話を聞かなくなった線香花火みたいなゲーム。

植民地時代のインドで、コブラが怖かったイギリス政府はその死体に賞金をかけた。そしたら自分で養殖して殺して持ってくる馬鹿が大量発生したので、賞金かけるのをやめたら養殖されてたコブラが野放しになり、かえって増えてしまったとさ……という逸話をテーマにしたトリックテイキングゲーム。

詳しいルールは↑のリンク先を読んでもらうとして。トリテはそれこそ何時間もだらーっとプレイしてこそ本領を発揮し、戦術も見えてくるってものなので、数トリックプレイしただけの私が偉そうに言えることはないんだが、あくまで体感ではごく普通のマストフォローだった。戦術もいつもの「できることならいくつかのスートを切る」でいいんじゃないかな。コブラが8匹以上になったときの苦しさはあるが、5人なら「ナポレオン」やった方がいい。2~4人ならこれでもいいけど、入手難易度考えると他に手に入れやすい良作トリテあると思う。「ウゴ!」とかどうかな!


Cobras | Board Game | BoardGameGeek

商品解説■こちらの商品には「日本語訳」は付属しておりません。予めご了承ください。

「コブラ」は一連のラウンドで行われるトリックテイキングゲームです。

■ゲーム概略■
プレイ人数:1~5人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:約45分
デザイナー:Chris Zinsli、Suzanne Zinsli

<内容物>
コブラカード 52枚
キングコブラカード 5枚
バスケットカード 5枚
得点カード 5枚
コブラトークン 57個
ソロトークン 1個
取扱説明書(原文) 1部

1~5人で遊べるトリックテイキングゲーム。 ゲームの内容はコブラが村に溢れかえり、政府より懸賞金が出された。臨時収入を得るために密かにコブラの飼育を始めたが、懸賞金廃止の前にコブラを手放さなければ残ったコブラに噛みつかれる。
コブラは程よく集めて売却したいけど、集める前に売却させられる(トリック獲得しちゃうから、獲得させてくるから)。ラウンドの終了が、手札を使い切るのではなく合計10枚以上のトリプルコブラカード(3つのコブラアイコン)が、全員でプレイされたトリックで終了となる。
売却できなかったコブラは、プレイヤーを噛んでくるので噛まれた数だけ失点になる。
誰かがラウンド終了時に100点以上になっていたらゲームを終了し、一番得点の高いプレイヤーの勝ちになります。正当に勝ち負けになるプレイヤー以外になれるキングコブラカードの使いどころは大事。

各星座は火、地、水、風という4つのエレメントの力を宿しています。 ..

【まえがき】
2016年秋にKickstarterでファンド成立したトリックテイキングゲームで、「コブラ駆除法」を題材にしています。現在はまだ市販されていませんが、今年の秋~年末にかけて市販されるようです。
「コブラ駆除法」というのは、大英帝国領の頃のインドでヘビ嫌いの知事がコブラを駆除した人に報酬を与えるとした法令のことを指します。最初は真面目にコブラを駆除して報酬を得ていた住民は、そのうちコブラを自ら育てて駆除することでもっと報酬を得ようとします。それに気がついた知事は法令を撤回しますが、育てられたコブラはそのまま遺棄されたため、ヘビによる被害が増えてしまったというエピソードがあります(このような事例から「コブラ効果(問題解決の方法が全くの逆効果になること)」という経済用語まで作られました)。
このゲームはそのエピソードを元にしており、プレイヤーはコブラを育てて売ることで点数を獲得しますが、コブラの獲得とコブラの売却はトリックテイクの結果に左右されるというのが、このゲームの核となっています。

コブラズは1~5人用のトリックテイキングゲームです。プレイヤーは懸賞金がかかったコブラを飼育してお金儲けを試みます。しかし、必ずしもすべてのコブラが換金されるとは限られません。換金されずに残ったコブラは失点になってしまいます。

越智 紫(gatto nero) (@madameyun) / X

プレイヤーはコブラ商となり、より多くの懸賞金を獲得することを目指すトリックテイキングゲームです。

より #ゾディアック・トリック #トリックテイキング #プレイ動画.