フォシーガは、下記の部位に働きかけて心不全への効果につなげています。


心不全になると、心臓のポンプ機能が低下して体全体に十分な量の血液を送り出せなくなります。さらに、全身の血液が心臓に戻る機能も低下し、血液が滞るうっ血が起こります。


部位ごとにどのようにフォシーガが働くのか、ひとつずつ解説します。

心臓は通常、拡張と収縮を繰り返しますが、心不全の人は血液を送り出すことが難しくなり心臓が拡張します。
この負担を軽減することがフォシーガの特長です。

この記事では、フォシーガの心不全への作用機序について詳しく解説し、この疑問にお答えしていきます。
またフォシーガを飲むときの注意点についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

また、フォシーガには、動脈硬化を改善する可能性があるともいわれています。

フォシーガは、左室駆出率が低下した心不全(HErEF)の患者を対象に行ったP3試験「DAPA-HF試験」で、標準治療への上乗せで主要複合エンドポイント(心不全の悪化/心血管死)をプラセボに比べて26%低下。慢性腎臓病患者を対象とした同「DAPA-CKD」でも、主要複合エンドポイント(腎機能の悪化/心血管死または腎不全による死亡)を39%抑制しました。いずれも、2型糖尿病の有無に関わらず有効性が示されており、「心・腎保護薬」としての期待が高まっています。

では、なぜ糖尿病治療薬として開発されたフォシーガが心不全の治療に使用されるようになったのでしょうか?

フォシーガの心不全への効果について、ここまで解説したことをまとめました。

国内の患者数は、慢性心不全が130万人、慢性腎臓病が1330万人と推定されています。両疾患への適応拡大によって、SGLT2阻害薬の市場も大きく拡大しそうです。

フォシーガは2型糖尿病の薬ですが、最近では慢性心不全への効能・効果が承認されています。
実際に2020年に慢性心不全に対しての適応が追加されて以来、現在の医療現場で使用されています。

フォシーガと心不全に関連してよくある質問にお答えしていきます。

これは心不全の患者さんすべてに当てはまるわけではありません。しかし、栄養障害のある人では、さらなる悪化が懸念されます。

糖尿病治療薬「フォシーガ」で慢性心不全悪化リスク低減効果があることが明らかになりました。2019/8/31(土)-9/4(水)、パリにて開催中のヨーロッパ心臓病学会・世界心臓病学会合同カンファレンス2019にて、大規模臨床試験「DAPA-HF試験」の結果が発表されました。具体的には、糖尿病の有無を問わず、左室駆出率(EF)が低下した慢性心不全(HFrEF)4744例を対象に、既に心不全の標準治療を受けている群(2371例)と、標準治療に加えてSGLT2阻害薬のフォシーガ(ダパグリフロジン)を上乗せする群(2373例)とに分け、主要評価項目(心血管死+心不全悪化による入院または予定外の受診)を比較しました。結果、ダパグリフロジン上乗せ群で26%の有意な減少(HR 0.74、95%CI 0.65-0.85、P=0.00001)を認めました。心不全の悪化(HR 0.70、95%CI 0.59-0.83、P=0.00003)、心血管死(HR 0.82、95%CI 0.69-0.98、P=0.029)、総死亡もダパグリフロジン群で有意に少なく(HR 0.83、95%CI 0.71-0.97、P=0.022)、安全性に関しては有害事象の発生に有意な差はなかったとのことです。心不全に対する効果は糖尿病の有無に関わらないものであったとのことで、SGLT2阻害薬は現在は糖尿病治療薬としてのみ承認されていますが、近いうちに心不全治療薬としての役割が期待されます。詳しくは下記ページをご覧ください。
「The Dapagliflozin And Prevention of Adverse-outcomes in Heart Failure (DAPA-HF) trial」→
「学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2019)心不全治療に新たな時代を開いたSGLT2阻害薬ダパグリフロジンを用いたDAPA-HF試験で心血管リスク26%減少」→


フォシーガは、心血管死または心不全による入院を含む心不全の悪化による複合リスクを統

適応外であり、臨床での有効性、安全性、薬物動態等のデータがないため、お勧めしていません。

特にSGLT2阻害薬は糖尿病のない心不全患者さんにも適応で、現在は心不全 ..

eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していません。
なお、重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について用量調節の設定はありません。

心不全患者では利尿薬を使用する頻度が高く、SGLT2 阻害薬の併用により過度の体液

フォシーガの副作用やリスク、使用する上での注意点について理解したうえで安全に使用し、治療に役立てましょう。

SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野

重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。

新潟大学 猪又教授に慢性心不全患者さんへの指導方法についてお伺いしました。

重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。

フォシーガ 慢性心不全 作用機序movie | ONO MEDICAL NAVI

重度の腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者への投与について注意喚起しています。

5.4 本剤の適用はあらかじめ適切なインスリン治療を十分に行った上で、血糖コントロールが不十分な場合に限ること。 <慢性心不全>

しかし、フォシーガの場合、体内に必要な糖は残し、不要な糖のみ排出する医薬品であるため低血糖は起こしにくいとされています。

AZ SGLT2阻害薬フォシーガ 日本で慢性心不全の効能追加を申請

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AZ SGLT2阻害薬フォシーガ 日本で慢性心不全の効能追加を申請 ..

ジャディアンスの心不全への効果については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

フォシーガ錠5mg 及び同錠 10mg の保険適用に係る留意事項の一部改正 ..

ちなみに、フォシーガと同じくSGLT2阻害薬に分類され、心不全への効果が認められている2型糖尿病治療薬にジャディアンスがあります。

[PDF] 心不全患者に対する SGLT2 阻害薬 処方実態調査

このようにフォシーガは、その効果の高さと安全性から、心不全治療において積極的に使用することを推奨されています。

フロジンプロピレングリコール水和物、以下、フォシーガ)は、標準治療を受けている慢性心不全(以

・息切れ
息切れの原因は多岐に渡りますが、循環器内科においては心不全の症状かどうか、急性心筋梗塞や狭心症等のの判断が重要です。心不全の有無と程度の評価には採血にてBNPまたはNT-proBNP、胸部レントゲン、心エコー検査が有用です。労作時の息切れのように、冠動脈疾患を強く疑う場合には冠動脈CT、冠動脈カテーテル検査、動悸症状としての息切れの場合には、24時間心電図、ホルター心電図等で精査して行きます。心疾患以外としては、呼吸器疾患、貧血、低血圧、甲状腺疾患等、幅広く鑑別が必要です。心不全や何らかの心疾患を認めた場合は、専門病院へ紹介して行きます。一通りの精査の結果、心疾患が否定された場合には適切な診療科へ紹介しています。いずれにせよ、心不全、急性心筋梗塞や狭心症かどうかの判断が特に重要です。詳しくは循環器内科.comのページをご覧ください。
息切れの診療の進め方→

慢性心不全治療薬の処方動向 フォシーガの慢性心不全患者への使用割合は全処方患者の「10%強」 ..

ファンタスティック4とは、上記4つの治療薬が、心不全早期における使用で生命予後を延ばすと期待されていることから、"素晴らしい4剤"という意味を込めて呼ばれている名称です。

フォシーガ、標準治療を受けている慢性心不全で追加承認-AZほか

フォシーガが分類されるSGLT2阻害薬が心不全の治療薬として承認されたのは2020年とまだ最近のことです。
それにもかかわらず、SGLT2阻害薬はすでに従来から心不全の治療薬として使用されていたARNI、β遮断薬、MRAとともに心不全治療薬のファンタスティック4と称されています。