[PDF] COVID-19肺炎に対する 量デキサメタゾンの治療効果
コロナの飲み薬を服用する際は、医師の指示に従う必要があります。間違った方法で服用すると効果が現れなかったり、副作用が強く現れたりすることが懸念されます。
ステロイド薬に新型コロナの死亡リスク低下させる効果 英国で治験
これらの重症化予防効果のある薬剤の当院での適応(表4)と各薬剤を使用する際の注意点(表5)を共有する(当院の「COVID-19の薬物治療ガイドライン」から抜粋)。
トシリズマブは、関節リウマチをはじめとする膠原病に使用される薬です。国内外において新型コロナウイルスに対する有効性の検討が重ねられています。人工呼吸管理や体外式膜型人工肺の導入が必要な患者などに対して投与します。
一部の製剤では、効能・効果に肺疾患や重症感染症が含まれているため、新型コロナの治療に使う場合でも厚労省による審査や承認の手続きは不要だ。
(serum albumin)は血漿の中で最も豊富に見られるタンパク質だが、デキサメタゾンも他の薬やホルモンと同様にこの血清アルブミンによって身体全体に運ばれる。ところがこのタンパク質に関する因子のため、COVID-19に関連する炎症を治療するときに安全で効果的となるようデキサメタゾンを投与するのは難しい。例えば、糖尿病の患者では、タンパク質中の重要なアミノ酸に対して糖化(glycation)の過程を経て糖分子が結合していることがよくある。こうなると薬のタンパク質への結合が妨げられことがある。イブプロフェン(ibuprofen)のような一般的鎮痛剤なども血清アルブミン上にある同じ結合部位を使い競合するので、同時に服用するとデキサメタゾンの輸送が妨げられる。さらに、肝臓病、栄養失調、高齢などのCOVID-19の危険因子に加え、ウイルス自身も患者の血清アルブミン濃度を下げることがある。この複雑な事情により、内科医が血中におけるデキサメタゾンの遊離:結合の相対比を見積もり、薬の毒性増加、副作用、薬効の低下を招く可能性について判断するのは難しくなっている。
様々な疾患に効果が期待できるデキサメタゾンですが、服用方法は症状によって異なります。
WHO「有効」デキサメタゾンのみ レムデシビル、ヒドロキシクロロキン「効果なし」 ..
薬であるデキサメタゾンの構造は天然のコルチゾールの構造と非常によく似ている。このことにより、デキサメタゾンは糖質コルチコイド受容体にぴったりと結合し、同じように体内の炎症を解消する遺伝子発現の変化を引き起こす。この活性のため、デキサメタゾンはCOVID-19の治療において特に効果的である。なぜなら、コロナウイルスによる損傷はウイルス自体によるものだけではなく、制御できない炎症によるものでもあるからである。ところが、デキサメタゾンの抗炎症効果は、使い方や時期を誤ると害をおよぼしかねない。COVID-19の初期段階において、身体はウイルスを撃退するために免疫系を動員する必要があるので、初期の重症ではない患者にデキサメタゾンを使うと、うかつにも患者の状態を悪化させてしまうかもしれない。
ソトロビマブは、体内で新型コロナウイルスに結合して細胞へのウイルスの侵入を防ぎます。それにより、悪化を阻止する効果が期待できます。
ただし、デキサメタゾンの1日投与量6mgでは効果が不十分な症例も経験して ..
ぜん息患者は、新型コロナウイルス感染症にかかりにくいのではないかと指摘されています。新型コロナウイルス感染症の患者には、ぜん息患者が少ないようです。世界3カ国(中国、米国、メキシコ)の新型コロナウイルス感染症患者1万7485人を対象に研究した論文を分析したところ、この3カ国全体のぜん息患者の割合は8.0%だったのに対し、新型コロナウイルス感染症患者に占めるぜん息患者は5.3%で、明らかに少なかったのです。
ウイルスが人に感染する仕組みからも、ぜん息患者は感染しにくいのではないかと考えられています。新型コロナウイルスは、気道の細胞表面にあるACE2(アンジオテンシン変換酵素2)受容体を、人に侵入する入り口としています。ウイルスの表面にあるスパイクタンパク質とACE2受容体が結合し、新型コロナウイルスの表面の膜が溶けて、ウイルスの遺伝情報をもつRNAが細胞に入り込むことで感染します(図2)。
しかし、ぜん息で吸入ステロイド薬を服用されている方は、気道のACE2受容体が少なくなっている可能性が報告されています。また、ぜん息患者では、炎症を起こすIL-4(インターロイキン4)やIL-13というサイトカインが分泌されていますが、これによりACE2受容体が少なくなることもわかっています。つまり、ぜん息患者は新型コロナウイルスが人の体内に侵入する入り口が少なくなっているため、感染しにくいと推測されているのです。
ぜん息患者が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化するかどうかはまだはっきりわかっていません。新型コロナウイルス感染症のうち呼吸器疾患を持つ患者1460人を対象にした日本呼吸器学会の調査(2020年7月)によると、全体の死亡率5.6%に対し、ぜん息は4.1%にとどまっていました。一方、新型コロナウイルス感染症で入院した患者(重症を示す)を調べると、ぜん息患者は全体平均より少し多かったというデータもあり、はっきりしないのです。
また、すべての薬を飲みきっても症状が改善しないからといって、別の病気に対して処方された薬を服用してはいけません。効果がないばかりか、症状の悪化を招く可能性もあります。過去にコロナで受診した際に処方された薬についても同様です。
効果はより明らかになりました。この試験は、6,425人の参加者を対象に行われ、デキサメタゾン ..
・COVID-19は全身性の炎症反応から,広範な肺障害や多臓器不全を起こすことがあり,抗炎症薬としてステロイドが使用される。
・デキサメタゾンが標準治療に比べ死亡率を減少させたことから,酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」以上のCOVID-19症例に対する標準治療となっている。
・デキサメタゾン以外にも,メチルプレドニゾロンや,強力なステロイド治療としてステロイドパルス療法でCOVID-19症例に対する効果を検討した報告がある。
・シクレソニドやブデソニドなどの吸入ステロイドによるCOVID-19症例に対する効果を検討した報告があり,シクレソニドは肺炎増悪率が高かったと結論づけられたが,ブデソニドは症状回復までの時間を短縮させた。
[PDF] デキサメタゾン COVID-19 小児患者に対する治療薬としての位置付け
・COVID-19は全身性の炎症反応から,広範な肺障害や多臓器不全を起こすことがあり,抗炎症薬としてステロイドが使用される。
・デキサメタゾンが標準治療に比べ死亡率を減少させたことから,酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」以上のCOVID-19症例に対する標準治療となっている。
・デキサメタゾン以外にも,メチルプレドニゾロンや,強力なステロイド治療としてステロイドパルス療法でCOVID-19症例に対する効果を検討した報告がある。
・シクレソニドやブデソニドなどの吸入ステロイドによるCOVID-19症例に対する効果を検討した報告があり,シクレソニドは肺炎増悪率が高かったと結論づけられたが,ブデソニドは症状回復までの時間を短縮させた。
副腎皮質ステロイドに期待する主な目的は、SARS-CoV-2 に対する抗ウイルス効果ではな
世界保健機関(WHO)は15日、世界各国で実施した臨床試験の結果、新型コロナウイルス感染症の治療薬として、抗ウイルス薬「レムデシビル」は死亡率の改善や入院期間の短縮に効果がなかったと発表した。抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」▽抗エイズウイルス(HIV)薬「ロピナビル、リトナビル」▽抗ウイルス作用のあるたんぱく質「インターフェロン」についても効果を立証できなかったという。
コロナ治療薬「デキサメタゾン」とは? | ぽちたま薬局スタッフブログ
また2020年4月21日にNIHより新型コロナウイルス感染症の診療ガイドラインが発表されました()。発表時点ではいかなる薬剤も、新型コロナウイルス感染症に対して安全で有効であることは証明されていない、とのことです。今後の臨床試験の結果によってアップデートされてゆくものと思われます。
コロナ治療のステロイド、投与早すぎると症状悪化の恐れ 報告相次ぐ
COVID-19に対する治療薬は世界中で開発が進められているところであり,有効性を確立したいくつかの治療薬が日本でもいち早く承認されている。抗ウイルス薬としてレムデシビルとモルヌピラビル,抗炎症薬としてバリシチニブとトシリズマブ,中和抗体薬としてカシリビマブ/イムデビマブとソトロビマブ,の計6種類がCOVID-19に対して日本国内で承認されている(2022年1月末時点)(表1)。
デキサメタゾン製剤については、今般の新型コロナウイルス感染症患者の増加に伴う
レムデシビルは5月、日本国内でも新型コロナの治療薬として特例承認された。新型コロナに感染したトランプ米大統領の治療にも使われたとされる。今月8日には米医学誌にレムデシビルが回復期間の短縮に効果があったとする論文が掲載された。
【NHK】イギリス、オックスフォード大学の研究チームは、炎症を抑える作用のある既存の薬を新型コロナウイルスの複数の患者に投与した結…
新型コロナウイルス感染症にはまだ特効薬がありません。世界中で新薬の研究が行われていますが、開発には時間がかかるので、治療現場では別の病気に使われるさまざまな薬が使われています。現在、日本ではエボラ出血熱の治療薬として開発中だった抗ウイルス薬のレムデシビルと、ステロイド系の抗炎症薬のデキサメタゾンの2種が承認されており、いずれも中等症から重症患者向けです。吸入ステロイド薬の中では、シクレソニド(オルベスコ)に有効な可能性があるとの報告がある一方、国内の臨床試験では、軽症な方には肺炎発症の予防効果がなかったとの報告もあります。現在使用中の薬剤が合っていれば、継続してください。軽症患者では確立された治療法はなく、発熱やせきなどの症状を緩和する対症療法が中心です。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 4 1
新型コロナウイルスの感染を調べるには3つの検査法があります(表1)。
一般的なものがPCR検査です。鼻の奥の分泌物や唾液を採取して、新型コロナウイルスの遺伝子配列があるかどうかを調べ、今ウイルスに感染しているかどうかがわかります。ウイルスの遺伝子は非常に微量なので、ポリメラーゼ連鎖反応という方法で増やして検査します。感度の高い検査のため確定診断に使われていますが、判定には時間がかかるうえ、検査機関で実施するため結果が出るまで1日程度かかることもあります。感染していても陰性と出ることもあります。
抗原検査は、ウイルスが持つ特徴的なタンパク質(抗原)を検出します。PCR検査と異なり抗原を増やすことはできないので、一定以上のウイルス量が必要で感度が低いという欠点があります。インフルエンザと同様に検査キットがあり、その場で診断できるため約30分で判定できます。
抗体検査は、ウイルスに感染した人の体内でつくられるウイルスを攻撃するタンパク質(抗体)を検出します。抗体は感染から一定の時間が経たないとつくられないうえ、半年程度で消えてしまうとの報告もあります。早期診断には向かず、過去の感染を確実に把握できるとは限りません。
いずれの検査も、確実な陰性証明とはなりません。
新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第 8.0 版
2020年3月2日、日本感染症学会のウェブサイトに、3例の新型コロナウイルス感染症症例に対する吸入ステロイド薬ciclesonideの治療効果を報告する症例報告が掲載されました(17)。今後臨床試験が行われ、その有効性が検証されることになります。なおステロイド一般に抗炎症作用があることは知られていますが、下記米国感染症学会による診療ガイドラインでは、エビデンスの不足からステロイド全般の使用については推奨されていません。
2) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の⼿引き 第6版
当初は敵の特徴がわからなかったため,真っ白な肺炎像を見て広域抗菌薬やステロイドを大量に投与して,後はお祈りするのみであった。しかし,今は,COVID-19の特徴はもとよりエビデンスのある治療薬がそろってきたため,2年前と比べたら戦い方も格段に慣れてきた印象がある。新型コロナウイルスと出会った当初は,頭のてっぺんから足の先までfull PPEと呼ばれる感染防護具を身に纏っても防護具のスキマを気にしながら診療にあたっていたことや,素性のわからない見えない敵に対して何度となく手洗いやアルコール消毒を行っていたことなどが思い出される。しかしながら,2021年初めには感染予防効果や重症化抑制効果の高い新型コロナワクチンであるmRNAワクチンが日本でも普及し,現在は鉄の鎧を身に纏ったような安心感を持って診療に当たることができている。
酸素投与が必要な患者でデキサメタゾン6mg 10⽇間の投与を推奨
2020;60:413-416.)。RECOVERY試験の結果公表後に中止となったRCTでは、ハイドロコルチゾンやメチルプレドニゾロンを使用しているものがあります。サンプル数が少なく十分なエビデンスとは言えませんが、おおよそ同力価であればデキサメサゾンと似た結果になる可能性が推測されます。
明確なエビデンスは存在ません。RECOVERY試験では、人工呼吸器使用例や酸素投与のみ使用例に対してデキサメサゾンが有効であることを示す一方で、酸素投与を必要としない例には無効または有害である可能性を示しています。COVID-19は、発症後の時間経過で悪化することが分かっています。軽症と診断される時期に早期にステロイドを投与すると、その予後を悪化させることが推測されます。通常、感染から7日間はウイルスが増殖する期間であり、この後に異常免疫、すなわちサイトカインストームによって重症化すると考えられています。そのため、ステロイドは感染7日以降に投与することが望ましいとする考え方がありますが、WHO REACT Working Groupによるサブ解析ではその有意差は見られなかったとされています。現状では、少なくとも酸素投与を必要としない症例には投与すべきでなく、人工呼吸器や酸素投与が必要となった症例では、感染7日目以内であっても投与を検討することが妥当と考えられます。悪化の速度は一律ではないため、慎重に経過を観察しながら投与のタイミングを逃さないようにすることが肝要です。
既述のようにRECOVERY試験のデザインに準じて、デキサメサゾンの6mg/dayが最もエビデンスレベルが高いことになります。酸素を必要とするCOVID-19患者に対して、メチルプレドニゾロン125mgの3日間投与を行った群と行わなかった群に、ランダムに割り付けた試験が報告されています(Eur Respir J.