副鼻腔炎にアモキシシリンは効きますか? 副鼻腔炎に一番よく効く薬は ..


顔の骨の中に、副鼻腔という空洞があります。副鼻腔は、頬骨の中、眼の内側、眼の上側など、鼻と両眼を取り囲むような場所にあります。頬骨の中の副鼻腔を上顎洞、眼の内側の副鼻腔を篩骨洞、眼の上側の副鼻腔を前頭洞といいます。また、これ以外に、鼻の一番奥と脳との間には、蝶形洞という副鼻腔もあります。各副鼻腔は、小さな穴で鼻の中(鼻腔内)とつながっています。鼻腔内に炎症がおこるのが鼻炎で、副鼻腔のなかに炎症がおこるのが副鼻腔炎です。慢性の副鼻腔炎のことを、俗に蓄膿症ともいいます。


耳鼻咽喉科にて副鼻腔炎と診断され、抗生物質アモキシシリンカプセル.

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎とで、治療も少し異なります。急性副鼻腔炎の場合は、細菌感染が主体なので、まず、殺菌力の強い抗生剤をしっかり使うことが重要です。抗生剤の種類としては、ペニシリン系、セフェム系、ニューキノロン系などを使います。これに対して、慢性副鼻腔炎の場合は、抗生剤よりも消炎酵素剤などの薬が主体となります。また抗生剤の特殊な使い方として、マクロライド系の抗生剤を少量で数週間~3ヵ月程度続ける治療(マクロライド療法)という方法も行われます。急性、慢性、いずれの副鼻腔炎も、鼻腔と副鼻腔との交通路が狭くなることが大きな原因のひとつといわれています。そのため、この交通路を広く開放させるような処置が大変重要です。この他、急性副鼻腔炎では、穿刺やその他の方法で、副鼻腔の膿を吸い出す処置が行われることがあります。慢性副鼻腔炎で、薬や処置を続けても治りにくい場合、手術が行われることがあります。

急性副鼻腔炎の小児患者における外来での経験的抗菌薬治療では、アモキシシリンと比較してクラブラン酸・アモキシシリンは、治療失敗の割合には差がないものの、消化器症状やイースト菌感染のリスクが高いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のTimothy J. Savage氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2023年9月19日号に掲載された。

本研究は、米国の全国的な医療データベースを用いたコホート研究であり、年齢17歳以下の急性副鼻腔炎の新規外来患者で、診断の同日にクラブラン酸・アモキシシリンまたはアモキシシリンの処方を受けた患者を対象とした(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。

主要アウトカムは、コホートへの登録から1~14日目の治療失敗であった。治療失敗は、新規抗菌薬処方、急性副鼻腔炎による救急診療部または入院での受診、副鼻腔炎の合併症による入院での受診と定義した。

コホートには32万141例が含まれ、傾向スコアマッチング法により19万8,942例(各群9万9,471例)を解析の対象とした。10万340例(50.4%)が女性で、10万1,726例(51.1%)が12~17歳、5万2,149例(26.2%)が6~11歳、4万5,067例(22.7%)が0~5歳であった。

全体で、治療失敗は1.7%、重大な治療失敗(救急診療部または入院での受診)は0.01%で発生した。

治療失敗のリスクについては、クラブラン酸・アモキシシリン群とアモキシシリン群で差を認めなかった(1.7%[1,718例]vs.1.8%[1,751例]、リスク比[RR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.92~1.05)。

有害事象の頻度は、クラブラン酸・アモキシシリン群で高かった(2.3%[2,249例]vs.2.0%[1,970例]、RR:1.15、95%CI:1.08~1.22)。また、消化器症状(RR:1.15、95%CI:1.05~1.25)およびイースト菌感染(1.33、1.16~1.54)のリスクは、いずれもクラブラン酸・アモキシシリン群で高かった。

年齢で層別化すると、クラブラン酸・アモキシシリン群における治療失敗のRRは、0~5歳では0.98(95%CI:0.86~1.12)、6~11歳では1.06(0.92~1.21)、12~17歳では0.87(0.79~0.95)であった。同様に、有害事象のRRは、0~5歳では1.23(1.10~1.37)、6~11歳では1.19(1.04~1.35)、12~17歳では1.04(0.95~1.14)だった。

著者は、「これらの知見は、急性副鼻腔炎の経験的抗菌薬治療における薬剤選択の決定に有用と考えられる」としている。

副鼻腔炎にアモキシシリンは効きますか? 副鼻腔炎に一番よく効く薬はなんですか? ..

前回の小児急性鼻副鼻腔炎治療に引き続き、今回は大人の急性鼻副鼻腔炎治療について紐解いていきましょう。中耳炎と同じく年齢により原因菌や耐性率、使用できる薬剤に違いがあるので、選択する抗菌薬も変わってきます。

副鼻腔炎でアモキシシリン投与されましたが1日分飲んだら鼻水の色は消え ..

通常、副鼻腔炎にはアモキシシリン500mg/回を、1日3回投与する。