咳がひどいカゼの患者さんが増えています。マイコプラズマにも注意
長引く咳で悩んでいる方は少なくありません。上記の検査や治療を組み合わせて、少しでも過ごしやすくできるように努めていきます。咳でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
咳を抑える薬として、メジコン、アスベリンといった咳止めのお薬を使用します。
これらの薬は、症状や重症度に応じて単独または組み合わせて使用します。喘息であれば、気管支拡張剤が比較的効果があるので、その反応性をみて判断していきます。抗ロイコトリエン拮抗剤(キプレス、シングレア、オノン、成分名ではモンテルカスト、プランルカスト)は使い始めて2~4週間ぐらいで効果を発揮するので、長めに内服することがオススメです。
膀胱炎など菌の感染に対して使用される抗菌薬(抗生物質)の安全性はどうでしょうか。
セフカペン(フロモックス)やセフジトレン(メイアクト)などのセフェム系と呼ばれる抗菌薬は、一般の医療現場で使用される頻度が高いものです。セフカペン(フロモックス)は、脂溶性で蛋白結合率も低いため、胎盤を通過する性質を持っています。セフジトレン(メイアクト)も蛋白結合率が高いものの脂溶性のため、やはり胎盤を通過します。
しかし、これまで多くの妊婦さんに使用されており、先天異常との関連は無かったとする研究結果が多数存在します。そのため、妊娠周期や治療の必要性を考慮して投薬の要否を決めるのが良いでしょう。
妊婦さんはさまざまな理由により膀胱炎などの尿路感染を起こしやすく、急性腎盂腎炎に発展すると重篤な合併症を生じることがあります。このような場合にはセフカペン(フロモックス)やセフジトレン(メイアクト)の使用を考えます。
クラリスロマイシン(クラリス)というマクロライド系抗菌薬も有名ですが、妊婦さんに対する充分なデータはなく、危険性に関して明確な結論は出ていません。テトラサイクリン系抗菌薬(ミノマイシンなど)は、歯の着色やエナメル質の形成に影響を与えるため使用すべきでないですし、ニューキノロン系抗菌薬(クラビットなど)は、もともと妊婦さんには使用禁忌(使ってはいけない)となっています。
[PDF] カルボシステイン DS50%「トーワ」の 配合変化に関する資料
マイコプラズマ肺炎に使う咳を和らげる薬マイコプラズマ肺炎は咳の目立つ感染症です。抗生物質以外にも、咳に対して鎮咳薬(ちんがいやく:咳止め)がしばしば使われます。咳は細菌やなどの外敵や痰を体外へ出すための生体防御反応です。その一方で、咳によって体力の消耗や不眠が長期的に続くことで体力が落ちてしまい、状態が悪化する場合もあります。鎮咳薬(ちんがいやく)は咳を止めることで身体の消耗を防ぐことが期待できます。鎮咳薬には様々な種類があります。やや難しい話になりますが、咳は脳の延髄(えんずい)にある咳中枢というところからの指令によって引き起こされます。細菌などによる感染や気道のが存在すると、気道が敏感になったり気道が狭くなったりして、咳中枢に刺激が到達しやすくなることで咳が起こりやすくなります。デキストロメトルファン(商品名:メジコン®など)、ジメモルファン(アストミン®など)、クロペラスチン(フスタゾール®)、ベンプロペリン(フラベリック®)などは主に咳中枢に作用し咳を鎮める薬です。咳中枢に作用する鎮咳薬としてはコデインという薬も使われています。コデインはオピオイドと呼ばれる種類の薬で、中枢神経(脳や)にあるオピオイド受容体という咳や痛みなどに深くかかわる物質に作用することで、咳を鎮めてくれる薬です。コデインはコデインリン酸塩やジヒドロコデインリン酸塩といった成分で使われていて、単独成分の製剤だけでなく、複数の成分を含む配合製剤もあります(例として、ジヒドロコデインリン酸塩に刺激薬と抗薬を合わせたフスコデ®配合錠など)。コデインは咳止めとして以外に痛み止めや激しい下痢を抑える薬としても使われている有用な薬の一つです。ただし、コデインは使う量や期間、体質などによって注意が必要です。下痢止めとしても使われることもあることから、使用中のには注意が必要です。また中枢への作用などから咳を抑える一方で、呼吸困難などを引き起こすリスクが考えられます。コデイン類の体内におけるに関わるの遺伝的な違いによってはコデインの血液中の濃度が過度に上昇してしまうという可能性もあり、特に小児(子供)においては注意が必要とされています。日本人では当てはまるケースが少ないとされていますが、2017年7月に厚生労働省からコデインリン酸塩やジヒドロコデインリン酸塩を含む医薬品を12歳未満の小児に使用させないようにするための添付文書改訂などを関係者に求める通知が出されています。(この通知に関してはニュース記事「」でも紹介しています。)もちろん他の咳止めにおいてもなんらかの副作用が現れる可能性はありますが、コデインに関してはその有用性と合わせて副作用などにも注意したい薬剤のひとつといえます。その他、麦門冬湯(バクモンドウトウ)や小青竜湯(ショウセイリュウトウ)といった漢方薬なども鎮咳薬として使われる場合があります。漢方薬については下で詳しく説明します。咳は身体に異物を入れない防御反応です。鎮咳薬で咳を抑えることは、異物を体外に排出しにくくなることにもなります。鎮咳薬を処方された時は、その使い方や使うタイミングなどをしっかりと医師や薬剤師から聞いておくことが大切です。去痰薬は、痰の粘り気を下げて気道のつまりを改善したり、痰と一緒に細菌やウイルスなどを体外に排出しやすくする薬です。また、気道の線毛運動を促すことで痰を排出しやすくする作用が期待できる薬剤もあります。薬の成分によっても作用が異なるため場合によっては複数の去痰薬を同時に使う場合もあります。主に痰の粘性を下げる作用をあらわす薬としてカルボシステイン(商品名:ムコダイン®など)、アセチルシステイン(商品名:ムコフィリン®吸入液など)、フドステイン(クリアナール®、スペリア®)などがあり、主に気道の分泌物を促進して線毛運動を促す薬としてアンブロキソール(商品名:ムコソルバン®など)、ブロムヘキシン(商品名:ビソルボン®など)、生薬のセネガやキョウニンなどが使われています。ところで、カルボシステイン製剤のムコダイン®、アンブロキソール製剤のムコソルバン®、アセチルシステイン製剤のムコフィリン®(液剤を機械を使って霧状にして吸う吸入製剤)といったようによく似た名前の薬があります。名前は似ていますが、ムコダインには痰の粘り気をとりサラサラにする作用や気道の炎症を抑える作用などがあり、ムコソルバンには肺や気道の分泌液を増やして線毛運動を促すことで痰を排出しやすくする作用などがあります。これらを一緒に使うことでより効果が得られる可能性も考えられます特に飲み薬のムコダイン®とムコソルバン®は一緒に使われることも多く、また服用方法も同じであることも多いなど紛らわしいところもありますが、できるだけ処方された指示の通りに適切に服用することが大切です。咳を鎮め、痰を排出しやすくする薬です。エプラジノン(商品名:レスプレン®)、チペピジン(商品名:アスベリン®)などの薬が使われています。相乗効果などを期待して、去痰薬のアンブロキソールやカルボシステインなどと一緒に使うことも多い薬です。
葛根湯は、風邪の初期に効果が期待できる漢方薬で、多くの方が飲んだことのある薬かもしれません。ただし、「甘草」や「麻黄」など副作用に注意が必要な成分が含まれているため、長期間の服用は避けたほうが良いでしょう。また、他の薬と併用する場合も、飲み合わせに注意が必要です。
インフルエンザB型治療のため、リン酸オセルタミビル服用開始。服用3日目、
漢方薬で体調を管理したい、薬の飲み合わせについて詳しく知りたい、健康相談をしたい方はお気軽にYOJOの薬剤師にご相談くださいね。
具体的に飲み合わせに注意が必要な医薬品や、ロキソニン、アレグラなどとの飲み合わせについては以下で薬剤師が詳しく解説いたします。