フォシーガの腎臓への効果について、この記事で解説したことをまとめました。


フォシーガを使用するかどうかは、腎臓病の進行具合や副作用のリスクを踏まえた医師の判断によって決まるため、腎臓病であれば誰でも適応されるというわけではないのです。


SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。

フォシーガの有効性が期待されているのは、腎臓病や心不全だけではありません。

矢島:腎不全の患者は、心臓が悪くなればなるほど心血管死や腎不全による死亡が増えるし、逆に心不全が悪くなれば腎臓も悪くなるので、これらは1つの疾患群と捉えていいと思うんです。フォシーガはそれらに対して総合的に効果を示せるようなので、臨床現場で有用に使っていただけるのではないかと期待しています。

SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。

〈慢性腎臓病〉慢性腎臓病でeGFRが25mL/min/1.73u未満の患者では、投与の必要性を慎重に判断すること(eGFRが25mL/min/1.73u未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があり、また、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがある)、eGFRが25mL/min/1.73u未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。

バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝 (CVRM) は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

糖尿病の薬なのに腎臓を守る?SGLT2阻害薬の腎保護作用について

また、eGFRの数値が25mL/min/1.73m2未満の人も、フォシーガを飲むことで一時的に腎機能が低下するリスクがあるため飲むことができない場合があります。

ここでは、フォシーガの効果と副作用について、その作用の仕組みから詳しく説明します。

フォシーガ錠10mg(アストラゼネカ株式会社)の基本情報・副作用

ステージ2~4で尿中アルブミン排泄の増加を認めるCKD患者約4300人を対象に行われた国際共同臨床第3相(P3)試験「DAPA-CKD」では、ACE阻害薬またはARBとの併用下で、複合主要評価項目(腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心血管死または腎不全による死亡)のリスクをプラセボに比べて39%低下。事前の想定を上回る有効性が示されたため、独立データモニタリング委員会の勧告に従って同試験は早期終了となりました。

“DAPA Care”は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の臨床プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。またフォシーガは、現在、2型糖尿病合併の有無に関わらず、駆出率が保たれた心不全患者さんを対象として有効性を評価するDELIVER第Ⅲ相試験および急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。


SGLT2阻害薬であるフォシーガ(ダパグリフロジン)の腎保護作用 ..

慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。 なお、DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらない、4,304例の慢性腎臓病患者(eGFR25以上75未満、かつ、アルブミン尿の増加が確認された患者)を対象とした、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験で、日本を含む21ヵ国で実施された。 同試験では、「フォシーガ」10mg1日1回を慢性腎臓病の標準治療に追加投与し、有効性と安全性をプラセボと比較検討した。主要複合評価項目は、慢性腎臓病患者における腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義された。副次的複合評価項目は、腎機能の悪化(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡のいずれかの発生)、心血管死または心不全による入院、全死亡のいずれかの発生と定義された。 「フォシーガ」はプラセボと比較して全死亡のリスクを有意に31%低下する(絶対リスク減少 = 2.1%、p=0.0035)など、全ての副次的評価項目を達成した。 同試験は当初の想定を上回る結果が出たため、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、早期に終了したことを2020年3月に発表している。また、米国では、同試験の結果にもとづき、ブレークスルーセラピーの指定を受けたことを2020年10月に発表している。

慢性腎臓病の治療薬フォシーガについて考える【腎臓内科医が解説】

腎臓病の中で最も重篤である末期腎不全の人や、人工的に血液の老廃物を取り除く透析を行っている人などが、フォシーガの適応外となります。

フォシーガ錠10mgの効果・効能・副作用 | 薬剤情報 | HOKUTO

フォシーガが標的とするSGLT2は、腎臓の近位尿細管に特異的に発現するタンパク質で、ナトリウムと糖を再吸収する役割を担います。フォシーガはその働きを阻害する作用を持ち、当初は糖尿病の治療薬として開発され、日本では2014年に2型糖尿病、19年に1型糖尿病の適応で承認されました。一方、開発の過程では心臓や腎臓に対する効果もあることが示唆されたことから、それらに対する臨床開発も行われ、20年に慢性心不全の適応を取得。今回、CKDへの適応拡大の承認を得るに至りました。

〈慢性腎臓病〉慢性腎臓病でeGFRが25mL/min/1.73u未満の患者では、本剤の腎保護作用 ..


SGLT2阻害薬は、日本では2014年から使われている比較的新しい薬です。

尿中に糖分(グルコース)が漏れる事により、血糖降下作用を発現します。

血糖の改善だけでなく、体重減少、血圧低下、糖尿病性腎症の保護作用、心血管疾患・心不全リスクの低減作用など、さまざまな多面的効果が報告されています。

副作用としては、性器感染・尿路感染が多く、女性では特に注意が必要です。

肥満を伴う糖尿病患者や心血管疾患・糖尿病性腎症をもつ糖尿病患者さんが良い適応です。




フォシーガ 慢性心不全 作用機序movie | ONO MEDICAL NAVI

腎臓病がかなり進行してしまっている場合はフォシーガを飲むことができません。

ここ数年の間に臨床で使用される機会が増えた新しい作用機序の薬剤についてお伝えしたいと

フォシーガは錠剤で、1型糖尿病、2型糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全に使えるお薬です。

AZ SGLT2阻害薬フォシーガ 「慢性腎臓病」の効能追加を一変申請

フォシーガは世界110ヵ国以上で承認されているお薬で、1型糖尿病、2型糖尿病、慢性腎臓病、慢性心不全に使用できます。

※ビグアナイド薬と作用機序の一部が共通している可能性があるので両剤を ..

SGLT2(エスジーエルティー・ツー)阻害薬は糖尿病の治療ガイドラインで定められている治療薬のひとつで、膵臓ではなく腎臓に作用することで血糖値を改善する働きがあります。

SGLT 2阻害薬がなぜ慢性腎臓病、慢性心不全に用いられるのか?


フォシーガには抗炎症作用があるとされ、腎臓での結石形成を抑制するという研究結果が挙がりました。
このことから、フォシーガは尿路結石症の治療薬になる可能性があるのではないかと大きく期待されています。

BLOG第175回 SGLT2阻害薬の腎臓における機能についてのお話

ただし、これは一過性であり、フォシーガを飲み続けていれば腎臓病の進行を抑制することができるということが分かっています。
不安に感じた人も、安心して飲み続けてください。

このお薬は、血糖値を下げる血糖降下薬です。腎臓の近位尿細管での糖の再吸収をおさえることで、過剰な糖分を尿中へ排出させる作用があります。

SGLT2阻害薬は腎臓病の治療として大変注目されていますので詳しく知りたい方は「」をご参照ください。

SGLT2阻害剤フォシーガ、慢性腎臓病治療薬開発でFDA ..

CKDは、糖尿病や高血圧症が原因で腎機能が低下する疾患。進行すると人工透析や腎移植が必要になるほか、脳卒中や脳梗塞で死亡するリスクが高まります。これまではCKDの適応を持つ薬剤がなく、治療には主に降圧薬のACE阻害薬やARBが使われてきました。CKDの国内患者数は1300万人に上ると推定されており、日本腎臓学会の柏原直樹理事長(川崎医科大腎臓・高血圧内科学教授)は「今回の承認は日本の多くのCKD患者にとって大きな希望になる」と期待を寄せています。

SGLT2阻害薬は心不全でも腎障害でも頼りになるマルチプレイヤー

DAPA-CKD試験の日本の治験統括医師であり、日本腎臓学会理事長の柏原直樹氏は次のように述べている。
「慢性腎臓病患者さんで、2型糖尿病合併の有無に関わらず、腎不全への移行抑制、心血管イベントおよび全死亡に対するダパグリフロジンの有効性が示されました。慢性腎臓病患者さんを対象としたこれまでの試験の中でも画期的な試験であり、ランドマークとなるものです。今回の承認は日本の多くの慢性腎臓病患者さんにとって大きな希望となります」。