[PDF] 高齢者における睡眠障害と認知機能および睡眠改善技術


気分障害の中でも、季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder)は生体リズムの異常に関連した疾患で、欧米ではうつ病患者の10~30パーセントが季節性をもつとの報告がある。日本では53の大学附属病院の精神科外来を受診した患者さんを調査した結果によると、うつ病患者の1~3パーセントが季節性をもち、東北や北海道といった緯度の高い地域に多いことが報告されている。これは、緯度の高い地域では天候が良くない日が続くため、日長時間、日照時間が短くなることが大きな原因と考えられる。白夜が存在する北欧では、この傾向はさらに顕著である。
この疾患は、10月頃より調子が悪くなり、気分の落ち込み、焦燥感、意欲減退、過眠、食欲増進、体重増加、炭水化物や甘いものがほしくなるなどを主訴とし、春先には症状が改善される特徴がある。


メラトニンは不眠症、うつ病、認知症など高齢者に多い疾患との関連が指摘されており、その分

高齢の世代になると病気の発症が増えること、そして、生活の変化に対する不安が、眠りに影響することが考えられています。

高齢者が眠れない原因には、寝床で過ごす時間(床上時間)が長いこともあります。眠気がないうちから寝床に入ると寝付きが悪くなり、うとうとしている時間が増えて睡眠の満足度が下がってしまうのです。
厚生労働省の「」では、高齢者の床上時間が長くなる傾向があることが指摘されています。さらに、床上時間が必要以上に長いと、寿命を縮めるリスクが増えることも示されました。

睡眠を促すホルモンであるメラトニン分泌量も、加齢とともに減少することがわかっています」(中村先生)。 不眠を訴える高齢者 ..

高齢者の不眠の特徴について詳しく解説しました。加齢とともに睡眠状態やホルモンバランスなどが変化し、不眠傾向になります。そして、高齢者層(60歳以上)の「約30%」が何らかの不眠症状に悩まされていることもわかりました。
しかし、高齢者不眠は日々のセルフケアで発症予防できる余地があります。この記事でも高齢者不眠の特徴に合わせた具体的な予防法について詳しく解説したので、ぜひご活用ください。
また、より専門的な治療を受けたいなら、まずは医療機関に相談してみると良いでしょう。

私たちの体には、夜になると自然に眠たくなる体内時計のしくみが備わっています。また、脳内に眠気を誘う物質が蓄積して眠りを引き起こすことが知られており、その後の研究で最も有力な睡眠物質としてプロスタグランジンD2が発見されました。起きている時間に比例してプロスタグランジンD2は増えていきます。アフリカ睡眠病という風土病は、文字どおり眠り続けてこん睡状態になり死に至る病気です。ハエの寄生虫トリパノソーマが引き起こす感染症で、トリパノソーマが脳でプロスタグランジンD2を大量に産生させることが原因と考えられています。
それでは、私たちが眠くなったとき、脳の神経回路はどのようになっているのでしょう。プロスタグランジンD2が増えると、脳の膜上にある受容体が感知し、睡眠不足の情報はアデノシン神経系から、睡眠を引き起こす視床下部のGABA神経系に伝達されます。GABAは、さらに奥にある結節乳頭体のヒスタミン覚醒系を抑制します。その結果、眠くなります。睡眠には、筋肉を休ませるレム睡眠と脳を休ませるノンレム睡眠があります。ヒトでは一晩の睡眠の約8割をノンレム睡眠が、約2割をレム睡眠が占めます。ノンレム睡眠はまどろみ期、軽睡眠期、深睡眠期の3段階に分けられます。眠りにつくとまずまどろみ期から軽睡眠期に入り、眠りはだんだん深くなって深睡眠期に移行します。しばらくすると眠りは浅くなってレム睡眠が現れます。ノンレム睡眠とレム睡眠は90~120分程度の周期で繰り返します。
ノンレム睡眠の深い眠りの間に体内では重要な変化が起こっています。子どもの成長を促したり、体の修復に関わったりする成長ホルモンは、ノンレム睡眠中に最も活発に分泌されることがわかっています。また、細菌やウイルスなどの異物が体内に入ると免疫応答が起こって、インターロイキンがノンレム睡眠を誘発します。風邪をひいたときなどに眠くなるのは免疫関連物質が関与しているからです。
ところで、至適な睡眠時間はどれぐらいでしょうか。8時間睡眠を金科玉条のように考えている人はまだ多いようです。実は、8時間という数字に明確な根拠はなく、睡眠時間は発達・加齢とともに短くなっていきます。正味の夜間睡眠時間を年齢別にみると、10歳代前半までは8時間程度、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間です(図2)。

高齢者の睡眠障害(上) なぜ寝つき悪い? メラトニン低下でリズム乱れ 物音や尿意で覚醒.

2つ目は、メラトニンが日中に抑制されていると、夜間のメラトニンの分泌量が増えます。不眠で悩んでいる高齢の方に対して光を日中に照射すると、健康な高齢者以上にメラトニンが分泌されます。

海外ではサプリメントとして取り扱われているので、海外旅行や個人輸入などで手に入れることも可能ですが、メラトニンを含むサプリメントの摂取後の身体の不調も報告されており、一般的な症状として(頭痛、めまい、眠気、悪夢、過敏症)、神経疾患(振戦、片頭痛)及び胃腸疾患(吐き気、嘔吐、腹痛)があります。

○メラトニン作動薬高齢者ではメラトニンの分泌量が減少する。 ..

高齢者の中には、退職などにより自由な時間が増えることから、「やることがないから寝る」という方もいらっしゃるでしょう。実際に、厚生労働省のe-ヘルスネットでは、高齢者ほど、寝床に入っている時間が長いと指摘されています。

歳を取るにつれ、年々睡眠時間が減るのも、
高齢者が朝早く目覚めてしまうのも、メラトニンの分泌量が減少したせいだと言えます。


不眠症と高齢者 年をとると眠れなくなるの? 困りごとを整理して、こころの地図を作ろう

また、高血圧や睡眠時無呼吸症候群などの疾患が原因になる可能性もあるでしょう。何らかの疾患が原因の場合は、まず治療に専念する必要があります。

り,厚生労働省からも国民病と位置付けられています. 高齢者における不眠と睡眠不足は,意欲低下や不安・

時差ぼけ、およびなど、睡眠障害の症状を改善するために、使われることがあります。一方、子どもでは、ADHD、自閉症スペクトラムなどのに合併する入眠困難の治療にも使われています。

認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう

睡眠衛生とは睡眠に関連する問題を解消し、睡眠時間の延長や質の向上を目的に、入眠方法や睡眠環境を整えることです。つまり、生活習慣の一部を改善することであり、日々の積み重ねが睡眠状況に影響を及ぼすことになります。
たとえば、規則正しい生活を送ることは自律神経を整えます。その結果、体内時計の乱れを調整でき、睡眠サイクルの安定化に役立つでしょう。
他の睡眠衛生の改善についても詳しく知りたい方は「不眠症の対策法とは?|生活改善で質の高い睡眠を手に入れよう」の記事で詳しく解説しています。

不眠症や睡眠の質の低下に直接関係します。 ; ② 体内リズムの乱れ

上記の図をご覧いただくと、高齢者は若年者より深い眠りが少なく、小刻みに中途覚醒していることが分かるでしょう。
眠りが浅いと、尿意やちょっとした物音でも目覚めやすくなります。そのため、高齢者は「睡眠時間が短い」「熟睡していない気がする」と感じやすくなります。

体内時計を調節するホルモン、メラトニン · 体内時計の乱れが起こすこと · 体内 ..

なお、高齢者に多い睡眠障害としては不眠症のほかにも、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス(むずむず脚)症候群、周期性四肢運動障害、レム睡眠行動障害といったものがあります。

よりよい眠りのためのA&A · 自然な眠りで毎日快適 体内時計を整える12ヵ条.

認知症を発症するととされ、さまざまな睡眠問題が起こります。
夜間の不眠で昼寝が増え、昼夜が逆転して睡眠リズムが乱れてしまうことがよくあります。
なお、しっかりと目が覚めていないもうろう状態(せん妄)が現れやすく、攻撃的になる場合もあります。

[PDF] ラメルテオンの使用により高齢者の夜間頻尿,精神行動障害

高齢者の睡眠の特徴や高齢者に多い睡眠障害について解説します。

不眠症~睡眠薬について~ | 札幌・心療内科ブログ 心療内科 精神科

睡眠衛生の改善で不眠症の改善効果がない、もしくは重度不眠症で薬剤治療が必要と医師が判断したら、薬物療法の適応となります。
一般的に用いられる不眠症改善薬は、以下の表をご覧ください。

「睡眠用語辞典」は睡眠に関する専門用語の解説集です。メラトニンについて解説しています。

生理的・身体的な要因で不眠症になることも高齢者の特徴です。
たとえば、加齢変化で膀胱に溜められる尿量が減ると、夜間頻尿になります。特に加齢とともに「再々トイレにいくものの少ししか排尿がない」「尿を我慢できなくなった」などの自覚症状があれば、夜間頻尿による中途覚醒のリスクが高いでしょう。
この他にも、腰痛をはじめとする身体的な要因も不眠症を発症する原因です。特に腰痛持ちの高齢者は多く、一度痛みで覚醒すると再入眠が難しく、繰り返し覚醒するなど満足のいく睡眠が得られない恐れがあります。

メラトニンとは何ですか? | 名古屋市瑞穂区の心療内科・精神科

MT1には、1,2両方の働きがあるようです。また、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がありますが、MT1はレム睡眠に対する、MT2はノンレム睡眠に対する影響があるようです(文献3:図も)。これらの作用を利用して、メラトニンを不眠症治療、睡眠の改善にもちいることが行われます。

Attenburrow ME et al (1996) Psychopharmacology

加齢とともにホルモンの分泌能力が低下します。
特に入眠を促すメラトニンと呼ばれるホルモンの分泌量が低下すると、体内時計の乱れや入眠困難による不眠症に悩まされます。メラトニンは脳内の松果体で生合成される入眠を促すホルモンであり、光刺激によって分泌量が変化します。
たとえば、朝日を浴びると日中分泌が抑制され、夜間にかけて分泌量が増加していき入眠が促されます。そのため、メラトニンの分泌能力が低下すると体内時計がズレてしまい、寝たい時に寝れなくなるのです。

Vol.39 【医師監修】便秘と不眠の関係性とは? 原因や解消法を知ろう

「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬」と「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」です。これまでの説明は「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬でした。改良を重ね副作用の低減を積み重ねましたが、2010年に「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」が販売されました。2021年現在では4つの種類があります。メラトニン受容体作動薬のロゼレムとメラトラベル、オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラとデエビゴになります。メラトニンは体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンは脳の中にある松果体という部位から夜の20時頃から分泌されはじめ、深夜をピークに、朝になり太陽の光をあびると分泌されなくなる物質です。メラトニン受容体作動薬はメラトニンの分泌を促すお薬になります。従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。オレキシンは覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質のひとつです。オレキシン受容体拮抗薬は、その「オレキシン」の働きを弱めることによって眠りを促す、新しいタイプのお薬です。こちらのお薬も従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。その一方で効果はソフトでマイルドなため、即効性の効果が優れる印象はありません。どちらも自然な眠気を強めるため、

睡眠障害・不眠症; 睡眠に関係するホルモン〜メラトニン(3・光との関係 ..

入眠困難になる原因は、活動時間の減少やホルモンの分泌能力の低下です。特に定年を迎えると自宅で過ごす時間が増えて、日中の活動量が減った結果、睡眠を誘発しづらくなります。
中途覚醒が増える理由は、加齢とともに眠りが浅くなることです。その結果、睡眠中の光や物音などの外的刺激に敏感になり、目覚めやすくなります。また、トイレが近くなることも中途覚醒を促す原因でしょう。
基本的に体調不良などの症状がなければ、様子観察で問題ありません。ただし、体調不良が3か月以上続くなら不眠症治療も含めて、一度医療機関に相談することをオススメします。

一方でスマートフォン、パソコンなどから出るブルーライトはメラトニンの分泌を抑制し、不眠の原因となります 1)。 ..

高齢者が眠れない原因のひとつに、睡眠の質の低下が挙げられます。睡眠は、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を交互に繰り返しており、ノンレム睡眠が多いほど睡眠の質が高まります。

また、生活習慣の乱れでも体内リズムが狂い、メラトニンの分泌が抑制されます。 昼寝をし過ぎると睡眠リズムが乱れるので注意しましょう。

【症例1】50歳男性
中学時代より夜更かしがちとなり朝起きるのが困難になった。高校、大学と通じ遅刻も多かった。卒業後、企業に就職したが26歳頃より夜の入眠時刻が極端に遅れ、努力しても戻せなくなった。午前4~5時まで眠れず、午後1~3時にならないと起床できないようになったため、35歳で辞職し学習塾を始め、午後4~9時まで中学生の学習指導を行っていた。49歳で治療を希望して来院した。睡眠薬、ビタミンB12の投与では、ともに効果はなかったため、高照度光療法(照度3,000ルクスの光療法器を9~11時頃の2時間照射)を開始したところ、夜1時に入眠し、朝8時に覚醒できるようになった(図4)。