【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬
対象:妊娠35~37週のすべての妊婦様 方法:培養検体は膣鏡を用いず、膣下部、続いて直腸内のスワブを採取する(同一スワブでもよい。) ペニシリンアレルギーの妊婦様の場合はclindamycinとerythromycinの感受性検査を追加します。 今回の妊娠中でGBS細菌尿があると診断された妊婦様と、胎児のご兄弟が症候性のGBS感染症であった妊婦様に関しては、GBS陽性扱いとなるため採取はいたしません。ただし、直腸の培養を施行しないとGBS偽陰性となることがあり、注意が必要です。 なお、GBS培養陽性妊婦様に対して、妊娠中には原則として治療は実施いたしません。GBS培養陽性でも前期破水、早産などの頻度が陰性妊婦様と有意差がないこと、さらに治療して陰性となっても、再び陽性となることが多いため、当院では妊娠中の治療は行っておりません。米国CDCガイドラインにおいて、妊娠35~37週で膣内と直腸から培養スクリーニングを施行する理由として下記があげられます。
診察レントゲン, 内服薬 点滴, セフカペンピボキシル ピペラシリン アモキシシリンカプセル セファゾリン
[解説]
ペニシリンアレルギーの既往のある患者で、カルバペネム系薬の皮膚試験が陽性となる患者は1%程度である。ペニシリン系抗菌薬、セファロスポリン系抗菌薬ともに、交差アレルギーは1%未満と推定される14)。
管理薬剤師さま
セフェム系とカルバペネム系の構造入れ違っていませんか?
カルバペネム系はペネム系と同じく5員環だったとおもいますがいかがでしょうか
アンピシリン、アモキシシリン、セファゾリン、セフェピム、セフトリアキソン、カルバペネム
IgE介在性ペニシリンアレルギー患者における皮膚試験の陰性確認は、安全にカルバペネム系薬を使用できる指標となる15)。
生産者の方々に高い評価をいただいている
抗生物質製剤『アモキシシリン可溶散「フジタ」』シリーズと
『セファゾリン注「フジタ」』。
畜種や用途、投与方法は違えど、
溶かしやすさが求められる2つの製剤をご紹介。
◎アモキシシリンの主な代替薬はセファレキシン、マクロライド系抗菌薬、クリンダマイシンである。 2021年3月5日
セファゾリンは第一世代であるが、同一のR1側鎖を持つ他のβラクタム系抗菌薬はない特異的な構造であり(Ceftezole[タイファロゾール®]のみ同一側鎖を有するが、現在は販売されていない)、他のβラクタム系抗菌薬との交差アレルギーは少ないと考えられる。セファゾリンによる過敏反応を示す患者は、他のセファロスポリンやペニシリンに忍容性を示す可能性が示唆されている12)13)。
また、ペニシリンアレルギーの申告があった患者となかった患者で統計学的な差はなかったが、申告がなかった患者のほうがカルバペネム系抗菌薬による薬剤過敏症が多かった報告17)があり、ペニシリンアレルギー歴はカルバペネム系抗菌薬による過敏症の推測にはあまり有用でないことが示唆される。しかしながら、このような報告がペニシリンアレルギーと申告された患者へのカルバペネム系薬の使用増に影響してしまうことも懸念される。実際、グラム陰性菌の血流感染において、カルバペネム系抗菌薬が使用される頻度が高いことが報告されている17)。
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推奨法
ペニシリンG:初回500万単位静注、以降分娩まで4時間毎に250万単位静注
代替法
アンピシリン:初回2g静注、以降分娩まで4時間毎に1g静注
ペニシリンアレルギーがある場合
また、未解決の課題として、腸内細菌科GNRによる感染症を治療する際の経口抗菌薬として、極めてbioavailabilityが高いフルオロキノロンやST合剤を使用するのか、βラクタム系抗菌薬でもよいのか、という問題があります[11]。感染症医の中でも意見が分かれるようです。先ほどのJAMA Internal Medicineの論文[10]でも、経口抗菌薬の種類別に差を示すことはできていません。βラクタム系抗菌薬の中にbioavailabilityの異なる薬剤が混在することも、混乱を招く原因になっています。フルオロキノロン・ST合剤と、βラクタム系抗菌薬の間で予後に差がないとする研究もあります。しかし、現状でこの問題に判断を下すには、十分に事実が集積していません[12]。βラクタム系抗菌薬を使用するのであれば、セファレキシン、アモキシシリン、アモキシシリン・クラブラン酸などのbioavailabilityの高い薬剤に限定するというのが一つの方法でしょう。経口抗菌薬を含めた適切な治療期間も、まだ検討が必要です。
CEZ (セファゾリン) · CEX (セファレキシン) · CCL (セファクロル)
また、アレルギー歴の申告は抗菌薬の選択に影響を与える。MSSA菌血症ではペニシリンアレルギーの申告は生存率に影響しなかったが、多くのアレルギーとされる患者はセファゾリンの治療を受け、バンコマイシンが選択された群での死亡率の上昇がみられたため、適切なセファゾリンの選択が有効であると報告されている29)。
中等症又は重症の場合 アモキシシリン(AMPC)高用量内服 5~7 日間
【乳腺外科】
▽代替薬例:▼セフォチアム(ハロスポア静注用、パンスポリン静注用、ほか後発品あり)▼クリンダマイシン(ダラシンS注射液、ほか後発品多数)
▽対象となる細菌:黄色ブドウ球菌、レンサ球菌
【ミニレビュー】 βラクタム系抗菌薬アレルギー(Q&A形式でみる)
緑膿菌を含むグラム陰性桿菌を広くカバーする薬剤です。
βラクタム系薬剤ですが、ペニシリン系/セフェム系アレルギーがあっても使える薬剤です(例外:CAZとは側鎖が同じなので避けるべきです)。
セファゾリンは他のセファロスポリン系薬とは交差アレルギーが少ない。第三 ..
アミノペニシリンとアミノセファロスポリン(セファレキシン、セファクロル、セファドロキシル)は同一R1側鎖を有すため、IgE介在性30)・T-細胞介在性19)ともに交差アレルギー反応がみられるため避けるべきである。
アモキシシリン (日医工ファーマ), アモキシシリンカプセル125mg「日医工」, 10.1円 ..
【胸部外科(肺、気管)】
▽代替薬例:▼アンピシリン・スルバクタム(ユナシン−S静注用、ほか後発品あり)▼セフォチアム(ハロスポア静注用、パンスポリン静注用、ほか後発品あり)▼クリンダマイシン(ダラシンS注射液、ほか後発品多数)
▽対象となる細菌:口腔内嫌気性菌、レンサ球菌
・超広域スペクトラムを有するため、適応は慎重に選ぶことが望ましい。 Page 27
このように、現在ではアレルギーは系統だけで判断するのではなく、その化学的構造などを考慮して判断する必要がある。今後、新たなβラクタム系抗菌薬が販売されたとしても、側鎖構造を判断することで交差アレルギーが予測できる。2019年に米国FDAで認可されたcatechol-cephalosporinのCefiderocolは、R1側鎖にセフタジジムと共通の構造を持つ。臨床で使用されないと判定はできないが、セフタジジムやアズトレオナムと交差アレルギーがあるかもしれない。
[PDF] 供給不足等によりセファゾリンを使用できない場合の代替薬リスト
【心血管外科(心臓、血管)】
▽代替薬例:▼セフォチアム(ハロスポア静注用、パンスポリン静注用、ほか後発品あり)▼セフォタキシム(クラフォラン注射用、セフォタックス注射用)▼セフトリアキソン(ロセフィン静注用、ほか後発品多数)▼クリンダマイシン(ダラシンS注射液、ほか後発品多数)▼バンコマイシン(塩酸バンコマイシン点滴静注用、ほか後発品多数)
▽対象となる細菌:黄色ブドウ球菌、レンサ球菌
[PDF] 術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン
#本稿に関して開示すべきCOIはありません。 抗菌薬適正使用と加算 薬剤耐性菌の拡大は日本全体ならびに世界の課題であり、薬剤耐性菌対策として抗菌薬の適正使用が求められている。全国抗菌薬販売量(defined daily doses換算)において、2022年時点で内服薬は注射薬のお…
CEZ:セファゾリン,CTM:セフォチアム,CMZ:セフメタゾール,CTRX:セフトリア ..
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)や耐性傾向のインフルエンザ桿菌(BLNAR)にもスペクトラムがある薬剤です。
これらの菌を標的としたCOPDの急性増悪、中耳炎・副鼻腔炎などが適応になります。ただし、腸管吸収率はきわめて低く(10-25%)、頻用されることによる第3世代セフェム系注射薬の耐性化が問題となるため、症例を選んで使用するべき薬剤です。
きっかけはペニシリンと同様に古くから使用されているセファゾリンであった。2019
【消化器外科(肝、胆嚢、胆管、膵)】
▽代替薬例:▼アンピシリン・スルバクタム(ユナシン−S静注用、ほか後発品あり)▼セフォチアム(ハロスポア静注用、パンスポリン静注用、ほか後発品あり)▼セフメタゾール(セフメタゾン静注用、ほか後発品多数)▼フロモキセフ(フルマリン静注用)
※大腸菌の薬剤耐性が増加しているため、自院や地域のアンチバイオグラムを参考にして上記から選択
▽対象となる細菌:腸内細菌科細菌
セファゾリンの供給停止問題は、一時的とはされているものの、日本の感染 ..
【耳鼻咽喉科】
▽代替薬例:▼アンピシリン・スルバクタム(ユナシン−S静注用、ほか後発品あり)▼セフォチアム(ハロスポア静注用、パンスポリン静注用、ほか後発品あり)▼クリンダマイシン(ダラシンS注射液、ほか後発品多数)
※口腔内切開を伴う場合は嫌気性菌をカバーするためクリンダマイシン、アンピシリン・スルバクタムを選択
▽対象となる細菌:黄色ブドウ球菌、口腔内嫌気性菌、レンサ球菌
黄色ブドウ球菌菌血症バンドルの項で、経験治療においてバンコマイシン(VCM)+セファゾリン ..
#本稿に関して開示すべきCOIはありません。 抗菌薬適正使用と加算 薬剤耐性菌の拡大は日本全体ならびに世界の課題であり、薬剤耐性菌対策として抗菌薬の適正使用が求められている。全国抗菌薬販売量(defined daily doses換算)において、2022年時点で内服薬は注射薬のお…
[PDF] ペニシリンアレルギーとは~βラクタム系の交差性を ..
βラクタム系抗菌薬は、化学構造的にすべて4員環のβラクタム環を有する。隣接構造が系統別に違っている(図1)11)。
・ペニシリン系抗菌薬:5員環のチアゾリジン環および側鎖を1つ(R1)持つ。
・セファロスポリン系抗菌薬:6員環のジヒドロチアジン環および側鎖を2つ(R1、R2)持つ。
・カルバペネム系抗菌薬:ペニシリンとやや異なる構造のチアゾリジン環を持つ。
・モノバクタム系抗菌薬:隣接環を有さない。
例えば、アンピシリン(ABPC)とアモキシシリン(AMPC)は6位側鎖 ..
【婦人科】
▽代替薬例:▼アンピシリン・スルバクタム(ユナシン−S静注用、ほか後発品あり)▼セフォチアム(ハロスポア静注用、パンスポリン静注用、ほか後発品あり)▼セフメタゾール(セフメタゾン静注用、ほか後発品多数)▼フロモキセフ(フルマリン静注用)
※大腸菌の薬剤耐性が増加しているため、自院や地域のアンチバイオグラムを参考にして左欄から選択
▽対象となる細菌:腸内細菌科細菌、Bacteroides fragilisグループ