多形紅斑型薬疹(EM)の皮疹の見方と重症度判定、および免疫チェックポイント阻害薬(ICI)使用に関連したEMと重症薬疹での診療手引き


皮膚にかぶれを生じる接触皮膚炎は、自己の組織でない外来性の刺激物質やハプテンと呼ばれる低分子の抗原が皮膚に触れることによって生じます。接触皮膚炎が起きると、皮膚の表面(表皮)に強いかゆみやヒリヒリした刺激感を伴って赤い斑(紅斑)、ブツブツ(丘疹)、水ぶくれ(小水疱)などがみられジクジクしたり、時間がたつとごわごわした硬い皮膚(苔癬化(たいせんか))になる湿疹と言う炎症反応を生じます。


多形滲出性紅斑についての症状、原因、検査法、治療法についてご紹介します。

銅に触れる機会は多いと思うが、この症例に対してはどのような生活指導が必要なのか興味がある。マスクは着用していたとはいえ、銅板を削った際の吸入による全身症状の可能性はなかったのか。興味深い症例だった。

20歳代男性。実習のためマスクと軍手を着用し、銅板削りを行った。作業開始10分後に手関節から前腕に膨疹が出現、咽頭の違和感と軽度の呼吸困難を伴った。原因検索として1%硫酸銅水溶液のプリックテストを施行。3㎜の膨疹を生じ陽性と判断。パッチテストでは陰性。銅による、軽度の全身症状を伴う接触蕁麻疹(接触蕁麻疹症候群)と診断した。

多形紅斑:症状は?原因となる病気は?湿疹の特徴は?検査や治療は?

汗疱は、通常は視診のみで手または足の指(特に側縁)、手のひら、足の裏にみられる小さな水ぶくれ(水疱)から診断されます。また、特に水疱に加えて赤み、ガサガサが目立つ場合には異汗性湿疹と診断されます。ただし、これらの疾患は同一・類似の病気で時期により炎症の程度も異なるため厳密には区別できません。異汗性湿疹・汗疱に似たような手足に水ぶくれやガサガサ、赤みを生じる病気として、手足白癬(水虫)、掌蹠膿疱症、水疱性類天疱瘡など他の皮膚の病気もありますので、必要に応じて血液検査、顕微鏡検査、生検などの検査をすることもあります。また、症状がひどく金属アレルギーの関与が疑われる場合には金属アレルギー検査を施行することもできます。

異汗性湿疹・汗疱は、夏季や季節の変わり目に生じることが多いです。原因は、汗と関係なく生じることもありますが、病態としてこの病気の患者様の一部では、汗の管の開口部が角化でつまってしまい汗の排出障害を生じるために炎症が起きることがわかっています。また、金属アレルギーが関連してみられることもあります。

治療前に見られた「多型滲出性紅斑」の発疹が消えて、著明に改善しています。 多形滲出性紅斑⑦. 写真. 多形滲出性紅斑.

かぶれ(接触皮膚炎)を起こす原因にはさまざまなものがあります。日用品では、ヘアダイ・洗髪剤、衣類(ホルムアルデヒド)、眼鏡(染料)、ゴム手袋、化粧品では、香料、パラベン、ホルムアルデヒド、ホルマリン、ラノリン、紫外線吸収剤、植物・食物では、イラクサ、ニンニク、アロエ、キウイ [刺激性]、ギンナン、キク、ウルシ、サクラソウ [アレルギー性]、金属では、ニッケル(バックル、腕時計、アクセサリー、コイン)、コバルト(メッキ、セメント)、クロム(革製品、塗料、印刷)、医薬品では、フラジオマイシン・ゲンタマイシン、イミダゾール系、ブフェキサマク・イブプロフェン、リドカイン、ジフェンヒドラミン・メントール、点眼薬、消毒薬、アズレン [アレルギー性]、ケトプロフェン・ピロキシカム [光接触皮膚炎]、坐薬・膣剤 [全身性接触皮膚炎]、職業性では、農薬、酸、アルカリ、フッ化水素、セメント、灯油、過酸化水素など [刺激性]、金属、レジン、ゴム、合成洗剤、消毒薬 [アレルギー性]、などがかぶれ(接触皮膚炎)を起こす原因としてみられることが多いです。

汗疱(かんぽう)は、手の指や足の指に小さな水ぶくれ(水疱)ができて、ひどくなると手のひら、足の裏にもみられ、通常左右の両側にみられる皮膚の病気です。異汗性湿疹(いかんせいしっしん)は、汗疱と同義語として扱われることが多いですが、汗疱でみられる水ぶくれに加えて、赤み(紅斑)や皮膚のガサガサ(落屑)などの湿疹反応が明らかな皮膚の状態を指すことが多いです。異汗性湿疹・汗疱は強いかゆみを生じることが多く、指先や足の裏では痛みとして感じられることもあります。まれにひどくなると手足のみでなく、全身に皮膚の炎症が拡大する自家感作性(じかかんさせい)湿疹(しっしん)が起こることもあります。

アレルギー性鼻炎、じん麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)

30歳代男性。1年半前から左頬に1㎝径のわずかに隆起し、浸潤を触れる紅斑が単発。病理組織学的に真皮膠原線維間に肥満細胞の浸潤があり、肥満細胞腫と診断。同部位に美容鍼テープを繰り返し貼付していることが判明。物理的な刺激が原因で生じたと考えた。

気管支喘息のために1年前から補助具を用いて吸入ステロイド薬治療を行っている6歳女児。口囲に紅斑、毛孔一致性の黄白色充実性小丘疹が生じ、顔面播種状粟粒性狼瘡と診断した。クラリスロマイシンとトラニラストで治療中。


多型滲出性紅斑は、頭痛や関節痛などの風邪症状に続いて、やや盛り上がった紅い発疹が、主に腕や脚に左右対称的に出現する皮膚病です。

腰、背中、肩、お腹、すねの前面などにみられることが多く、かゆみを伴って皮膚のザラザラ、粗造、亀裂がみられますので、通常特別な検査を必要とせず診断できます。赤み、かさぶたなどの湿疹が首、肘や膝の内側、股などにみられる場合や全身にみられる場合には、単に乾燥肌のみではなく、アトピー性皮膚炎や薬疹など他の皮膚の病気の可能性も考えられますので血液検査を行うこともあります。

成人:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)

40歳代の女性。1カ月前から、入浴時にお湯に触れた部分に膨疹が出現するようになった。お湯の温度は以前から41℃に調整していた。温熱蕁麻疹と診断して、TempTestRを用いた温熱刺激試験を行い、40℃以上で膨疹の出現を確認した。TempTestRは装置上面にU字型の金属部分があり、4℃から44℃までの熱勾配を発生させる装置で、5分間密着させることで膨疹を誘発し、10分後に判定を行う。患者指導や治療効果判定に有用である。

急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、メニエル病及びメニエル ..

上記の生物学的製剤の皮下注射およびJAK阻害薬の飲み薬は中等度から重症のアトピー性皮膚炎に対して効果が期待できる薬剤ですが、現時点では保険診療の3割負担の薬剤費でも高額の治療薬のため、以下の高額医療費制度などの医療費助成制度を使っていただくことをご案内しています。

性丘疹性紅斑 / 環状肉芽腫 / 紫斑性色素性苔癬様皮膚炎 / 多形滲出性紅斑 / ジューリング疱疹状皮膚炎 / 皮膚アミロイドージス

上記のJAK阻害薬飲み薬はアトピー性皮膚炎に対して有効性の期待できる薬剤ですが、JAK阻害薬を安全に使用していただき副作用のリスクを最小限にするために投与前・投与中には注意事項があります。投与前に感染症のリスクや基礎疾患がないかどうかを確認するために血液検査や胸部レントゲンなどの画像検査が必要となっています。また、投与後も副作用のモニタリングのために定期的に血液検査や画像検査を行っています。なお、妊娠中の方、重篤な感染症にかかっている方、治療が必要な活動性の結核にかかっている方、血液検査で好中球数、リンパ球、ヘモグロビン値、血小板数に異常がある方、重度の腎機能または肝機能障害のある方、過去にJAK阻害薬にアレルギー反応を起こした方などは投与できません。その他、服用中のお薬のある方、肝炎ウイルスに感染していた方、生ワクチンを接種予定の方、感染症の方は注意が必要になります。安全に使用していただくために、投与前の診察時に確認をさせていただいておりますのでご不安なことがありましたらご相談下さい。

紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)、薬疹・中毒疹、紅皮症 ..

抗BP230抗体は、水疱性類天疱瘡(BP)患者の6~7割に陽性と報告されている。抗BP230単独陽性のBPは、抗BP180抗体単独陽性あるいは抗BP180と230抗体の両方が陽性のBPに比べて、年齢、性別、発症部位に違いはないが、罹患面積や重症度はいずれも低く、軽症例が多かった。通常のBPとはIgGサブクラスが異なり、補体活性能が高いIgG1、IgG3が少なく、補体活性化が少ないので炎症が弱いと考えられる。一方で、DPP-4阻害薬に関連するBPの中で、非炎症性のタイプには抗BP230抗体陽性例が少ないのに対し、炎症性のタイプには抗BP230抗体陽性例が多い傾向があった。

鑑別診断には薬疹、他の細菌/ウイルス感染に伴う発疹など。 ・多形紅斑様皮疹(Erythema multiforme‐like rash)

アトピー性皮膚炎の炎症に関与するシグナル伝達のヤヌスキナーゼ(Janus kinase: JAK)を抑えるJAK阻害薬が登場し、中等症~重症のアトピー性皮膚炎に対して、リンヴォック(ウパダシチニブ)、サイバインコ(アブロシチニブ)、オルミエント錠(バリシチニブ)の3種類の内服薬が使用できるようになっています。

また(主に成人における)尋常性乾癬や多形滲出性紅斑といった皮膚疾患に伴う痒みなどにも効果が期待でき

機械性蕁麻疹の治療効果判定には、FricTestRというのがあって、プレートに4つの長さの違う出っ張りがあり、4種類の圧勾配が得られる。前腕や背部を被検部位として約6cmをこすり、10分後に3mm幅以上の膨疹が何本の膨疹が生じるかで判定するというもの。おもしろそうだ。

令和2年度厚生労働科学研究費補助金/重症多形滲出性紅斑に関する調査研究/ 研究代表者 浅田秀夫

補体成分5aがC5a受容体に結合することが、ANCA関連血管炎の病態に中心的な役割を果たすと考えられている。2021年9月、選択的C5a受容体拮抗薬のアバコパン(商品名タブネオスカプセル)の製造販売が承認された。適応は「顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症」、用法用量は「成人に1回30mg、1日2回朝夕食後に経口投与」となっている。第3相の試験はANCA 関連血管炎の患者を、アバコパン内服群とプレドニゾン内服群に割付け、26週後と52週後の寛解を主要評価項目とした。26週の時点での寛解に関しては非劣性を示したものの優越性は示さず、ただし52週の時点での持続的寛解に関しては優越性を示した。

滲出性紅斑と診断した先生は、消えない蕁麻疹とも表現していました。 滲出性紅斑とwebで検索すると

アトピー性皮膚炎に伴う乾燥肌(ドライスキン)に対しては保湿剤を使用してスキンケアをすることもとても大切です。保湿剤には、皮膚の表面の角層に水分を直接供給させるモイスチャライザー(ヘパリン類似物質など)と皮膚の表面を覆って水分の蒸発を抑えることで角層の水分を増加させるエモリエント(白色ワセリンなど)の2種類があります。剤型によって皮膚に塗ったときの使い心地には差異や患者様による好みもありますので保湿剤を使う時期、生活スタイルなどに合わせて適宜変更することも可能ですので詳しくはご相談ください。例えば、冬場では白色ワセリンやヒルドイドソフト軟膏などの軟膏基剤を使用し、夏場の汗をたくさんかく時期ではヒルドイドローションなどで治療するなど適宜使い分けることも有効です。また、皮膚炎・湿疹が悪化し、浸出液が出るような部位には亜鉛華軟膏を塗ることも有用です。

多形滲出性紅斑 と 環状紅斑 2020年4月 東豊ひふ科 札幌市

魚アレルギーはアトピー性皮膚炎に合併することが多く、その症状の多くは口腔アレルギー症候群(OAS)である。抗原はパルブアルブミンと考えられている。魚類特異的IgEの中ではアジ、カレイ、サケが高値に出ることが多く、マグロ、サバでは引っかかりにくい。パルブアルブミンが一番多く含まれる魚は、アカウオ(メバルの仲間)で、カツオ、メバチマグロ、ブリ、トラフグはパルブアルブミンが少ないことが知られている。

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アトピー性皮膚炎の治療においては、まず塗り薬の使用・スキンケアがとても大切になります。炎症の強い皮膚炎・湿疹がみられるときにはステロイドの塗り薬が必要になります。ステロイドと聞くと、肌が黒くなってしまうのではないかとかごわごわした酷い皮膚になってしまうのではないかと心配されたり、全身への影響も心配されてステロイドの塗り薬を使用するのに抵抗がある方がたまにいらっしゃいます。自己判断で塗る部位や使用期間など誤った使い方をすると副作用を生じることもありますが、肌が厚くごわごわになるのは湿疹を慢性に繰り返して苔癬化(たいせんか)という状態になったもので、肌が黒くなるのは湿疹による炎症後の色素沈着でステロイドの塗り薬の副作用ではありません。ステロイドの塗り薬を適切に使用することで苔癬化を伴うごわごわした厚い皮膚のひどい湿疹・皮膚炎の病変部も改善する効果があり、湿疹による炎症をなるべく抑えることで炎症後色素沈着を最小化させる効果もあります。副作用を恐れてステロイドの塗り薬を使用しないと余計に皮膚炎がひどくなって悪化してしまいことがありますので、症状の重症度に応じて適切なランクのステロイド外用薬を選択して治療を行うことが重要です。ステロイド外用薬には軟膏、クリーム、ローション、テープ剤、シャンプー剤などの剤型があります。通常は乾燥症状が病態であるアトピー性皮膚炎に対しては軟膏を選択することが多いですが、皮膚炎の性状や部位などによって使いやすいものを選択します。たとえば、頭皮にはローションを、夏は塗りやすいクリームを、痒疹の部位にはテープ剤を選択することが多いです。

重篤副作用(初年度候補)の概要※ 多形(滲出性)紅斑の重症型で

アトピー性皮膚炎の治療の目標は、症状がないか、あっても軽微で日常生活に支障がなく,薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、それを維持できることになります。そのためには、薬による治療、外用療法・スキンケア、悪化因子の検索とそれに対する対策がとても重要になります。以下に治療薬の種類ごとに解説します。