[PDF] 多発性骨髄腫患者に対する低用量デキサメタゾン併用療法時における


こうした検査を行ない多発性骨髄腫の疑いがあれば、骨髄検査で確定診断を行います。骨盤の骨に針を刺し、骨髄液を抜き取って調べ、形質細胞の比率が10%以上に増えていると多発性骨髄腫と診断されます。また、確定診断のためには、血清中の免疫グロブリンを調べる血清免疫固定法検査や、血清FLC(フリーライトチェーン)検査も必要になります。


[PDF] 多発性骨髄腫 (Multiple Myeloma)

多発性骨髄腫を発見するのに有効な検査は、血液検査と画像検査です。血液検査で、高カルシウム血症、腎機能の低下、貧血、総たんぱくの上昇、アルブミン値の低下などがあれば、多発性骨髄腫の可能性があります。画像検査では骨折の有無を調べます。大きな骨折はX線撮影でわかりますが、、、などを行えば、ごく小さな骨病変でも見つけることができます。

多発性骨髄腫は、年齢、病型、病期、合併症などにより病状の経過が異なります。その他にも因子があり、治療に対する効果判定や予後予測が行われます。

[PDF] 医師のための ASH2008 多発性骨髄腫 ハイライト

多発性骨髄腫は高齢者に多い病気なので、高齢者が増えている日本では増加しています。かつては人口10万人当たり3人ほどでしたが、現在は10万人あたり5人以上になっています。

多発性骨髄腫によって引き起こされるこれらの症状を、高カルシウム血症(hyper Calcemia)、腎障害(Renal failure)、貧血(Anemia)、骨病変(Bone lesion)から4文字をとって「CRAB」といいます。

療法を受けた患者はさらに少ない。 多発性骨髄腫患者を対象とした TAD 療法(サリドマイド+アドリアマイシン+デキサメタゾン)と HDM

若年者骨髄腫において,タンデム自家/同種(ミニ)移植とタンデム自家/自家移植を比較した試験が5 つ行われている。このうち,イタリアの試験とEuropean Group for Blood and Marrow Transplantation(EMBT)の試験でタンデム自家/同種(ミニ)移植の有用性が報告されているが,IFM の試験およびもっとも大規模な米国からの報告では両群間で有意差がみられていない。対象や同種移植における前処置が試験により異なるが,タンデム自家/同種(ミニ)移植が無イベント生存期間(EFS),全生存期間(OS)ともに優れていたとするイタリアからの報告では同種移植前処置がTBI 2 Gy となっている。しかし,同様の前処置で行われた米国からの大規模試験の報告では標準リスク,高リスク群いずれにおいてもタンデム自家/自家移植と同等の成績であった。EBMT からの報告では移植前処置はフルダラビン(FLU)+TBI 2 Gy であり,自家移植群はシングルあるいはタンデムであったが,PFS,OS ともにタンデム自家/同種(ミニ)移植が優れていた。一方,PTHEMA 試験では自家移植後near CR に到達しなかった症例をHLA一致同胞の有無でランダム化しているが,同種移植群で高いCR 率とPFS のPFS の延長がみられたもののOS には有意差がなかった。以上より,タンデム自家/同種(ミニ)移植がタンデム自家/自家移植よりOS において優れているとは言えない。

多発性骨髄腫のステージ(病期)は、腫瘍の量と予後因子により、I~IIIの3段階に分けられます。アルブミン値(Alb)とβ2ミクログロブリン値(βMG)に加え、染色体の異常も調べて判定します。Ⅰ期はAlb≧3.5g/dLかつβMG<3.5mg/dL、Ⅲ期はβMG≧5.5mg/dL、Ⅱ期はそれ以外、となっています(表1参照)。

[PDF] 多発性骨髄腫における薬物療法の進歩とボルテゾミブの役割

赤血球、血小板、白血球など血液を構成する細胞のうちの白血球の1つであるB細胞から分化して作られる形質細胞ががん化することで起こるのが、多発性骨髄腫という病気です。

多発性骨髄腫は抗体を作る形質細胞ががん化する病気で、高カルシウム血症、腎障害、貧血、骨病変などの症状が起きる病気です。かつては症状が現れてから治療を開始していましたが、現在はそれより早い段階で治療が始められるようになっています。自家造血幹細胞移植の適応があれば、移植が推奨されています。移植の適応がない場合には化学療法が行われます。多発性骨髄腫の治療薬は、9種類の新規薬剤が中心となっています。移植をするための前治療としての導入療法や、移植の適応がない場合の化学療法にも使われています。新規薬剤の登場により、多発性骨髄腫は長期間にわたって病気をコントロールすることが可能になっています。


多発性骨髄腫に対するイサツキシマブ,ボルテゾミブ,レナリドミド

移植適応患者で,自家移植後に新規薬剤による地固め療法,維持療法を行うことで,完全奏効(CR)の獲得や,無増悪生存期間(PFS)の延長が期待できる。自家移植後のサリドマイド(THAL)による地固め・維持療法の第Ⅲ相試験が5 つ報告されている。IFM9902 試験では,THAL 群がプラセボ群に対して無イベント生存期間(3 年EFS:52% vs 36%),全生存期間 (4 年OS:87% vs 77%)ともに優れていた。しかし,その効果は最良部分奏効(VGPR)に達していない症例においてのみ認められ,THAL が地固め療法的な役割を果たしていると考えられる。MRC Myeloma IX 試験でも同様の結果であるがOS に差はみられていない。ALLGMM6 試験では12 カ月のTHAL/PSL とPSL 単独との比較で,3 年EFS(42% vs 23%),OS(86% vs 75%)ともにTHAL 群が優れていた。TT2 試験では寛解導入から継続的にTHAL が投与されているが,EFS はTHAL 群が優れ,8 年OS はTHAL 群が優れる傾向がみられた(57% vs 44%)。HOVON 試験でもPFS はTHAL 群が優れる(34 カ月vs 25 カ月)がOS では有意差はみられなかった(73 カ月vs 60 カ月)。いずれの試験でもTHAL の長期投与による副作用として末梢神経障害が中止理由の一つとなっており,NCCN ガイドラインではcategory 1 として推奨しているが,必ずしも広く受け入れられる状況ではない。

ベルケイド® /レブラミド® /デキサメタゾン療法(VRD療法)21日毎

2020年以降、National Comprehensive Cancer Network®(NCCN®)は、新たに診断された多発性骨髄腫ならびに再発性及び難治性の多発性骨髄腫の治療にダラツムマブをベースとする併用レジメンを推奨してきました。新たに多発性骨髄腫と診断された移植非適応患者さんに対しては、NCCN®ガイドラインは、ダラツムマブとレナリドミド及びデキサメタゾンの併用を、望ましいカテゴリー1レジメンの1つとして推奨しており、ダラツムマブとボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾンの併用を追加的なカテゴリー1レジメンとして推奨しており、ダラツムマブとボルテゾミブ、シクロホスファミド及びプレドニゾンの併用を、推奨される追加的なカテゴリー2Aレジメンとして推奨しています。新たに多発性骨髄腫と診断された移植適応患者さんに対してNCCN®ガイドラインは、ダラツムマブとボルテゾミブ、レナリドミド及びデキサメタゾンの併用を、追加的なカテゴリー2Aレジメンとして推奨しており、ダラツムマブとボルテゾミブ、サリドマイド及びデキサメタゾンの併用を、特定の状況で有用なカテゴリー2Aレジメンの1つとして推奨しており、ダラツムマブとカルフィルゾミブ、レナリドミド及びデキサメタゾンの併用を、特定の状況で有用なカテゴリー2Aレジメンの1つとして推奨しており、ダラツムマブとシクロホスファミド、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンの併用を、特定の状況で有用なカテゴリー2Aレジメンの1つとして推奨しています。移植適応患者さんに対する維持療法としては、NCCN®ガイドラインは、ダラツムマブとレナリドミドの併用を、特定の状況で有用として推奨しています。再発性/難治性骨髄腫については、早期再発(前治療が1~3つ)に対して、ダラツムマブとレナリドミド及びデキサメタゾンの併用、ダラツムマブとボルテゾミブ及びデキサメタゾンの併用、ダラツムマブとカルフィルゾミブ及びデキサメタゾンの併用、ならびにダラツムマブとポマリドミド及びデキサメタゾンの併用[レナリドミド及びプロテアソーム阻害薬(PI)1剤を含む1つの前治療の後]の、4つのダラツムマブレジメンが望ましいカテゴリー1レジメンとして記載されています。またNCCN®は、ダラツムマブとシクロホスファミド、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンの併用を、早期再発(前治療が1~3つ)に対する追加的なカテゴリー2Aレジメンとして、またPI 1剤及び免疫調節薬1剤を含む3つ以上の前治療後の早期に再発した患者さん、またはPI及び免疫調節薬に二重抵抗性の患者さんに対する、単独療法としての特定の状況で有用なカテゴリー2Aレジメンの1つとして推奨しています。

大量化学療法の投与が可能になった (46)。その後、新規薬剤の一つ、サリドマイドの有効性

移植非適応の初発症候性骨髄腫患者に対する新規薬剤併用療法はMP 療法に比べて生存期間を延長させるか

自家造血幹細胞移植併用大量化学療法 ; ↓ ; 経過観察または臨床試験による地固め・維持療法

シングル移植とタンデム移植を比較した5 つの臨床試験が報告されているが,全生存期間(OS)でタンデム移植が優れていたのはIFM94 試験のみである。一方,無イベント生存期間(EFS)は4 つの試験でタンデム移植が優れていた。特に,初回移植で最良部分奏効(VGPR)(M 蛋白の減少90%以下)(IFM94 試験)あるいはnear CR に到達しなかった症例(Bologna96 試験)でタンデム移植の有用性が明らかにされた。2 回目の自家移植の時期については3 カ月程度をめどに実施されることが多い。一方,5 つの比較試験のメタアナリシスでは,無イベント生存期間はタンデム移植で優れていた(HR=0.79)が,後に撤回されたチュニジアからの報告を含む6 つの比較試験のメタアナリシスでは,タンデム移植で2 回目の移植における治療関連死亡はHR=1.71 と高くなることが示された。したがって,初回移植後VGPR 非到達例においてはタンデム移植を考慮してよいが,新規薬剤が使用可能となった現在ではタンデム移植の有用性は低下している。

日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版)

DARZALEX®(ダラツムマブ)は2015年11月にを取得し、8つの適応症に対して承認されています。そのうちの3つが、新たに診断された移植適応または移植非適応の患者さんにおけるフロントライン治療です6
DARZALEX®は、多発性骨髄腫治療薬として承認された最初のCD38に対する抗体薬です5。DARZALEX®をベースとするレジメンは、世界中の518,000人以上の患者さん、米国だけでも68,000人以上の患者さんの治療に用いられてきました。

メタゾン(ILd)療法とレナリドミド+デキサメタゾン療法(Ld)療法の

DARZALEX FASPRO®(ダラツムマブとヒアルロニダーゼの合剤)は、2020年5月に米国FDAの承認をし、多発性骨髄腫における8つの適応症に対して承認されています14。そのうちの3つが、新たに診断された移植適応または移植非適応の患者さんにおけるフロントライン治療です。本剤は、多発性骨髄腫患者さんの治療薬として承認されている唯一のCD38に対する皮下投与する抗体薬です。DARZALEX FASPRO®は、Halozyme社のENHANZE®ドラッグデリバリー技術である遺伝子組換えヒアルロニダーゼPH20(rHuPH20)と共に製剤化されています。

表2 多発性骨髄腫の治療薬一覧

以前は、血液検査や骨髄検査で異常が見つかっていても、症状(CRAB)が現れていなければ治療する必要はないとされていました。症状がない段階を「くすぶり型骨髄腫」といいますが、この段階で治療を始めても、かつては生存期間を延ばすことができないため、骨折や腎不全が起きてから治療を始めていました。最近は新薬が登場したこともあり、もう少し早い段階で治療を開始することが推奨されています。

表1 多発性骨髄腫のステージ分類

多発性骨髄腫は、骨髄内にある形質細胞と呼ばれる白血球の一種が侵される血液がんです8。多発性骨髄腫では、これらの形質細胞が変化して急速に増殖し、骨髄中の正常細胞を腫瘍に置き換えていきます9。多発性骨髄腫は血液がんの中で3番目に多いがんであり、依然として治癒が難しい疾患です10。2024年には、米国において35,000人以上が多発性骨髄腫と診断され、12,000人以上がこの疾患により亡くなると推定されています7。多発性骨髄腫の5年生存率は59.8%です7。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球減少、倦怠感、カルシウム値の上昇、腎障害または感染症などにより受診し診断されることがあります12,13

多発性骨髄腫について

CASSIOPEIA試験は、French Intergroupe Francophone du Myelomeが、Dutch-Belgian Cooperative Trial Group for Hematology Oncology及びJanssen Research & Development, LLCと共同で実施している、無作為化、非盲検、多施設共同、第III相()試験です。この第III相試験には、新たに多発性骨髄腫と診断され、未治療の、症状があり、かつ大量化学療法及びASCT適応の1,085人が組み入れられました。本試験のパート1で、新たに多発性骨髄腫と診断されたASCT適応の患者さんを対象に、導入、地固め療法として、DARZALEX®(D)をボルテゾミブ+サリドマイド+デキサメタゾン(VTd)の併用療法(D-VTd)群とVTd群とを比較したところ、D-VTd群でより深い奏効が得られ、PFSの延長が認められました。そして本試験のパート2で、8週ごとのD維持療法(標準的な長期投与頻度である4週ごとよりも投与頻度を減らしたもの)を経過観察と比較しました。本試験のパート2の主要評価項目は、移植100日後に厳格な完全奏効(sCR)を達成した患者さんの割合です。本試験のパート2(現在進行中)では、パート1で部分奏効以上を達成した患者さんを、2回目の無作為割付けにより、DARZALEX® 16 mg/kgを8週ごとに最大2年間投与する維持治療群、それ以上の治療を行わず観察する群に組み入れました。本試験のパート2の主要評価項目は無増悪生存期間です7