非結核性抗酸菌症 | 複十字病院 公式サイト(東京都 清瀬市)


治療薬のなかではクラリスロマイシンあるいはアジスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬が治療成功のための重要な薬剤であり、クラリスロマイシンあるいはアジスロマイシンのみの治療ではそれに対する耐性菌が出現し、治療効果がかなり下がり予後にも影響したというデータがいくつもありますので、クラリスロマイシンあるいはアジスロマイシン単剤による治療は行いません。


て記載されている。 一方、国内外のガイドラインにおいて、非結核性抗酸菌症治療での使用が推奨される 3 剤

NTM症は, わが国の高齢化, 結核の低蔓延化に伴い, 今後も増加傾向にあると考えられる。NTM症発生動向の系時的な把握, 簡便で鋭敏な診断法の開発・改良, 最適な治療プロトコールの確立と耐性菌発生の予防に向けて, より一層の対応が必要であろう。

以下の①から③の患者には、初期治療レジメンに注射用AMKあるいはSM併用を推奨。
①空洞、②重症の結節気管支拡張型、③マクロライド耐性の肺MAC症 (2020ガイドライン)
RFP+EB+CAM +週3回15mg/kg SM vs プラセボ筋注を3ヶ月併用した日本のランダム化比較試験において、SM群で菌陰性化率が有意に高かった。
空洞をもつ肺MAC症116例の検討(韓国)では3ヶ月以上アミノグリコシド(ほとんどがSM)使用した症例で治療成功率が高かった。
SMとAMKでは菌陰性化率も副作用も差は無し。
KMはNTM症の保険適応なし

症),肺非結核性抗酸菌症(肺 nontuberculous mycobacteria

<はじめに>
当院では肺非結核性抗酸菌症で治療が必要な患者さんのうち

肺非結核性抗酸菌症の治療は菌の種類に応じて複数の薬を内服し、病状によっては点滴を併用する必要があります。主治医から説明のあった薬を必要な期間継続して服用しましょう。
自己判断で薬を止めたり、不規則に飲んでいると耐性化といって
薬が効かなくなることがあるため注意が必要です。

播種性非結核性抗酸菌 (NTM) 感染症 | 日和見疾患の診断・治療

MAC症の治療は, リファンピシン(RFP), エタンブトール(EB), クラリスロマイシン(CAM) の3薬剤による多剤併用療法が標準治療であり, 必要に応じてさらにストレプトマイシン(SM) またはカナマイシン(KM) の併用を行う()6)。CAMは化学療法の中心となる薬剤であり, CAM耐性MAC症の治療は非常に困難となる。CAM単剤投与は数カ月以内にCAM耐性MAC菌が出現することが報告されていることから, 症状が軽微であっても, CAM単剤投与は避けるべきとされる。 治療期間は, 少なくとも排菌陰性化後1年間は継続するべきとされているが, 治療終了後の再燃・再感染は頻繁に認められており, 最適化学療法期間の設定は今後の重大な課題である。

2011年~2015年:改善しない症状に悩まされる~不信感を抱く
2011年の3月にまた主治医が退職し、後任の医師に変更になりましたが、クラリスロマイシンとL-カルボシステインという投薬内容に変更はありませんでした。その後、自覚症状を伝えても「肺MAC症の悪化ではない。前回とレントゲンに変化はない」と言われるだけでしたので、自分からは特に報告することはしなくなりました。血液検査はするものの、喀痰検査やCT検査も特になく、薬をもらうための通院という感じでした。しかし、単剤投与を再開して4年目の2014年7月、激しい咳こみと痰に悩まされ始めます。受診したところ、細菌感染かもしれないといわれ、スルタミシリントシル酸塩水和物を処方されました。その時は後から、インフルエンザ菌への感染であったことがわかり、投薬の効果で症状が改善しました。しかし最初の健診より10年が経ち、自覚症状は明らかに悪化しているのに診察には進展はなく、主治医への不安が強くなりました。そこで転院を希望したところ、「専門病院に転院したら強い薬を飲んでまた副作用が出ますよ。よく考えたほうがいい」と言われました。そう言われると気持ちが消極的になり、身内の手術などもあり、転院は保留となっていました。

価)を 2 回に分けて経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 2. 非結核性抗酸菌症

肺症において、痰から菌がヶ月以上続けて排出されている難治性の場合、アメリカや欧州のガイドラインではアリケイスというアミノグリコシド系抗菌薬の吸入治療を標準治療に追加することが推奨されています。日本では年月から肺症に対してアリケイス吸入が保険適応となっており、当院でも対象の患者さんには積極的に導入をすすめています。

このQ&Aは2013年10月26日開かれた第1回肺非結核性抗酸菌症公開市民講座に患者さん代表で話されたIさんの依頼で出来ました。Iさんは, 最近肺MAC症のことはインターネットにも比較的沢山見られるようになりましたが、 断片的であったり、 信頼できるものかどうか不明な情報も数多いと不満を感じており、沢山のQuestionを寄せられました。
もちろん判らないことがまだたくさんある病気なので断言出来ないことが色々ありますし、これからも内容を更新していきたいと思っています。
病気総論(全体像をおおまかにつかむ)


マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症

・肺MAC症診療Up to Date 非結核性抗酸菌症のすべて 南江堂

非結核性抗酸菌症治療薬の薬物相互作用と用法用量設定に関する研究

データベースに登録された配列と同定したい検体の配列を照合することによりマッチする菌種を探す手法はsequence typingと呼ばれ、それを複数遺伝子に拡張したものが Multi-Locus Sequence Typing と呼ばれます。菌種固有の遺伝子のDNA配列をデータベースに登録しておくことで極めて高い精度で同定が行え、データベースの規模が大きいほど検出能力が上昇します。今回、本研究においてはリボソーム分子の構成に関わる遺伝子やNTMの抗生物質耐性に関わると考えられている184遺伝子を選んだ上で、公共データベースおよび我々が新規に解読した計175種のNTMのゲノム情報を用いることで、マイコバクテリウム同定のための独自のデータベースを作成しました。

現在、非結核性抗酸菌症に対する治療薬で使用されているのは、以下の通りです。 MAC症に対しては

肺症を含めた非結核性抗酸菌症の診療では、まだまだ解決しなければならない問題がたくさん残っており、以下に非結核性抗酸菌症診療の問題点について解説していきます。

日本結核病学会(現 日本結核・非結核性抗酸菌症学会)からは,「肺非結核性

2015年:喀血・転院
そうしてC病院でクラリスロマイシン単剤での療養を続けながら過ごしていた2015年8月、初めて喀血をしました。主治医からは「肺MAC症の悪化は見られないので重いものを持った瞬間に気管支に負荷がかかったことにより血管が切れたのだろう」と言われ2週間の安静を指示されました。その年の10月、肺NTM症専門病院の市民講座に参加し、講師の医師に相談したところ「現状の投薬では耐性化の危険がある。今の状態なら投薬する価値があるし、減感作療法で副作用の影響を考慮しながら投薬できる可能性がある」と言われ転院を決意しました。 主治医にその意思を伝えたところ「紹介状を書くのは構わないが専門の先生には怒られると思う。なぜならクラリスロマイシンの単剤投与はやってはいけないといわれているから」と言われて絶句しました。やってはいけないと知っていて単剤投与を長期間していたことを知り、言葉がでませんでした。勝手に大学病院を辞めたことは誤りだったことにこの時、気が付きました。

日本結核・非結核性抗酸菌症学会【公式】 · @kekkakuJSTB

生物の分類区分で、種の下位区分。非結核性抗酸菌症の主要な病原菌であるMycobacterium aviumの亜種であるhominissuis、silvaticum、paratuberculosisなど、近年次々と亜種が発見されています。

[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠

<基本の治療法>
・肺マック症
クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールの3剤の内服薬に加えて、病状の程度や症状の強い方にはアミカシン(アミノグリコシド)の点滴を行っています。
・肺アブセッサス症
有効な内服薬が少ないため、数種類の内服薬に加えて、アミカシン、イミペネム/シラスタチンなどの点滴治療を行います。
最近、遺伝子解析などにより、より細かくⅰ)アブセッサス・マシリエンゼ、ⅱ)アブセッサス・アブセッサス、ⅲ)アブセッサス・ボレッティの3種類に分類できるようになってきています。ⅰ)アブセッサス・マシリエンゼでは通常クラリスロマイシンが有効であるのに対して、ⅱ)アブセッサス・アブセッサス、ⅲ)アブセッサス・ボレッティではクラリスロマイシンが効きにくいことが多いため、退院後も点滴抗菌薬を継続することがあります。

用量が追加になりました。それに伴い,下記のとおり,効能・効果,用法 ..

マイコバクテリウム属細菌はグラム陽性細菌に分類される真正細菌の一属で、結核菌など約200種が登録されています。このマイコバクテリウム属の細菌は抗酸菌と総称され、そのうち結核菌群および、らい菌を除いた細菌を非結核性抗酸菌(NTM)といいます。これらにより引き起こされる感染症はNTM症と呼ばれ、免疫不全患者だけでなく健常者へも感染し、感染後は自覚的な症状がほとんど無いまま長い時間をかけて病状が進行します。発症後は咳・痰・血痰・発熱・食欲不振・体重減少・全身倦怠感などが見られ、抗生物質も効きづらいため、長期の適切な薬剤治療が必要となる難治性の病気です。

通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日800mg(力価)を2

2009年~2010年:多剤併用療法への挑戦と副作用に苦しみ、転院
2009年3月、A病院の主治医の退職を機に紹介されたB大学病院で各種検査を実施した結果、病状が悪化していることから3剤(クラリスロマイシン・リファンピシン・エタンブトール)治療が必須であると診断を受けました。副作用の話も聞いていたため、迷いましたが家族とも相談の末、2009年7月には3剤治療を開始する決断をしました。しかし、投薬3週目、悪寒と発熱、起き上がれないほどの倦怠感が現れます。翌月、診察時に主治医に相談し「3剤治療が絶対に必要だが当面は代替薬で様子を見る」とされ、3剤治療は中止となりました。2010年5月、CT検査を実施し、既存の空洞は小さくなっているが、新たな空洞ができているとの指摘を受けました。「やはり3剤治療をするべきであり、それが嫌なら筋肉注射を週に2回通ってもらう」と言われてしまいました。このことから、大学病院はつらく厳しい治療を無理強いするところ、との印象を持ってしまいました。生活のために働かなくてはならないことを理解してもらえないと思い、その病院への受診をキャンセルし、以前の主治医がいるC病院を受診することにしました。その病院では「3剤治療は副作用が強い上、飲んでも必ず治る保証はないので辛いなら飲まなくて良い。クラリスロマイシンを中心にL-カルボシステインを追加しよう。」と言われて安心し、頼ってしまうことになりました。

クラリスロマイシンと抗結核薬2種類を毎日内服し、少なくとも1年半(菌が培養されなくなってから1年間)続ける必要があります。 生活上の注意

<治療薬の副作用・注意点>
非結核性抗酸菌症や気管支拡張症の治療で使用されることの多い内服薬・点滴薬

クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン+エタンブトール+リファンピシン ..

現在結核は一部の多剤耐性結核を除いて多くが治癒を期待できるようになったのに比較して、非結核性抗酸菌症は治療がまだ確立しておりません。結核と類似した病気のため、抗結核薬を含めた3~4種類の薬を用いて治療を行います。(手術を行う場合もあります)。

肺 MAC(Mycobacterium avium complex)症

肺非結核性抗酸菌症は、薬物療法のみでは根治が難しいとされており、病状によっては手術が望ましい場合があります。その場合、当院呼吸器外科の医師と協力しながら治療を行います。

標準治療として、クラリスロマイシン、エタンブトール、リファンピシンの 3 剤併

2023改訂見解では、国際的な現況を考慮して、空洞のないNB型肺MAC症 (重症は除く)に対しては間欠的治療と連日治療の両者を推奨する。
間欠的治療のメリット:副作用による治療中止・変更が少ない、とくにEB の中止率が少ない。
軽症例では有効性もそれほど連日治療と変わらない。
投与量がA法:連日とB法:間欠法(週3日投与)で違うことに注意が必要である。
A法(連日):CAM800mg or AZM 250mg、EB750mgまで(10-15mg/kg)、RFP600mgまで(10mg/kg)
B法(週3):CAM1000mg or AZM500mg、EB1000mgまで(20-25mg/kg)、RFP600mg
処方箋記載は最大量で以下の通り(体重40kg以上の患者は最大量である)
A法:アジスロマイシン(250)1錠 分1、エサンブトール(250)3錠 分1、リファンピシン(150)4C 分1
B法:アジスロマイシン(250)2錠 分1、エサンブトール(250)4錠 分1、リファンピシン(150)4C 分1
・CAMレジメンかAZMレジメン(2023年改訂見解)か、どちらを使うか
2020年国際ガイドラインではマクロライド感受性肺MAC症にはCAMよりもAZMを含むレジメンが推奨されている。
その理由として、両者の排菌陰性化率に基づく有効性は同等だが、AZMの方が
①忍容性が高い、②薬物相互作用が少ない、③内服錠剤が少なく服用の負担が少ない、④1日1回投与である、⑤コストが低い、などがあげられている。
審査事例の留意事項には、AZM単剤で治療しない、第一選択薬とする場合には原則としてCAMを検討した後に投与する、とされている。
これらの諸点を考慮し、利点が大きい場合にAZM使用を検討する。
日本ではAZMの長期使用に関する報告は限られている。