他の抗うつ薬と併用すると、MAOIは危険な高熱、筋肉の損傷、腎不全、けいれん発作などを引き起こす可能性があります。


<薬物療法の実際>
うつ病の治療指針は絶対的なものではないので「アルゴリズム」と呼び、「ガイドライン」とは区別していました。
「アルゴリズム」には「問題解決のための段階的手法」という語義があります。
「アルゴリズム」における「うつ病」とはDSMの診断基準における「大うつ病」をさしており、そこでは「病因論」が排除されています。すなわち、「うつ病」とは「治療を要するうつ状態」という意味であり、一つの病気ではなく「うつ状態を呈する症候群」であって原因はまちまちです(うつ病の異種性)。うつ病にはいろんな種類や併存症があり、精神科の臨床にガイドラインやクリニカル・パスといったものがなじみにくい要因がそこにあると思われます。現在はうつ病の「治療ガイドライン」が国内外にいくつかありますが、それらのどれをとっても「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮されたものではありません。「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮した治療により、うつ病の難治性、再燃・再発といった問題はかなり解決すると考え、当院では「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮した治療を心がけています。
うつ病は、早期(6か月以内)に治療しないと治りにくくなると言われていますので、患者の予後を考えると、有効な薬剤を最初に選択し、十分量・十分期間投与する事が肝要です。
薬物選択の「アルゴリズム」や「ガイドライン」は、プライマリケア医に標準的な薬物療法を示唆するという点では有用ですが、「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮されたものではありません。従って、有効な薬剤を最初に選択する為には、画一的に「アルゴリズム」や「ガイドライン」を適用するのではなく、どのようなタイプのうつ病なのかを初診時に見極める事が大切です。
多くの抗うつ薬の用量は、日本では海外よりもかなり少量で認可されています。最大量で4~8週間は投与しないと効果の有無は判断できません。寛解後(完全に治った後)6カ月以上は急性期と同用量で治療継続しないと、うつ病がぶり返す恐れがあります。

<私の処方例>
うつ病の初期治療においては、まず身体疾患を除外した上で、「うつ病の異種性や併存症の有無」に留意して最初の治療薬を選択する事が妥当かと思います。


韓国・亜洲大学のDong Yun Lee氏らは、うつ病を併発した成人ADHD患者に対するMPHとSSRI併用療法の安全性を評価した。 ..

SSRIの服用を中止あるいは中断した場合に起こる離脱症状としては,めまい,頭痛,発汗,吐き気,不眠,感覚異常,性機能障害などのほか,シャンビリ感と呼ばれる金属音のような「シャンシャン」という耳鳴りと元気が流れるような「ビリビリ」としたしびれる感覚などが挙げられます。

・セロトニン1A受容体アゴニストは抗うつ薬類似効果を発揮することが、各種の動物実験において報告されている。セロトニン1A受容体アゴニスト(8-OH-DPAT)や部分アゴニスト投与(ブスピロンなど)はラット強制水泳試験における不動時間を減少させ、同時にセロトニン1A受容体阻害薬による前処置により、その作用が阻害されることが報告されている。

相手薬添付文書の【禁忌】「併用禁忌」の項に「フルボキサミンマレイン酸塩」が記載され

四環系抗うつ薬は抗うつ効果はそれほど強くないため、第1選択薬となることはありません。

2.精神病症状を伴う→抗精神病薬を併用。

3.重症で休職を要する→ノルアドレナリンにも作用する薬剤でないと寛解しにくいとも言われている為、SNRI、ミルタザピン、ボルチオキセチンを単剤または併用。

4.不安障害を背景にもつ→不安障害も治療する必要がある為、まずはSSRIを主剤とし、抗うつ効果が不十分ならミルタザピンまたはミルナシプラン(中高年男性では尿閉に注意)を追加。または最初からベンラファキシン、ボルチオキセチン単剤。
(1)若年男性→性機能障害の少ないエスシタロプラム、またはフルボキサミン(併用薬剤に注意)を主剤。
(2)若年女性→若年女性に有効率の高いセルトラリンを主剤。
(3)(1)または(2)で不安障害に対する効果が不十分→パロキセチンに変更。

5.非定型うつ病→セルトラリンを主剤(Stephen M.Stahl)とし、抗うつ効果不十分ならミルタザピンを併用、気分の波、怒り発作、不安抑うつ発作にはバルプロ酸200~400mg、鉛様の麻痺にはブロナンセリン2mgを併用。

6.老人→老人のうつに多い不眠、食欲低下、不安、焦燥に有効で、投与初期の副作用である眠気等が老人では出にくいミルタザピンを主剤。妄想や認知機能の改善を期待する場合にはフルボキサミンを単剤または併用。

7.上記以外の中等症のうつ病→ノルアドレナリンにも作用する薬剤でないと寛解しにくいとも言われている為、SNRI、ミルタザピンを単剤または併用。
1.~3.は精神科での治療が必要ですが、4.~7.はプライマリケアでも治療可能と思われます。

メラトニンを投与中の患者さんは併用禁忌です。 かみ砕くと苦い薬です。 パロキセチン(パキシル®)

1). モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤<リネゾリド・メチルチオニニウム以外>(セレギリン塩酸塩<エフピー>、ラサギリンメシル酸塩<アジレクト>、サフィナミドメシル酸塩<エクフィナ>)〔2.2参照〕[両薬剤の作用が増強されることがあるので、MAO阻害剤の中止後、本剤を投与する場合は、2週間以上の間隔をあけること(また、本剤投与後MAO阻害剤に切り替える場合は、少なくとも1週間以上の間隔をあけること)、なお、本剤の類薬とMAO阻害剤との併用によりセロトニン症候群があらわれたとの報告がある(脳内セロトニン濃度が高まるためと考えられる)]。

4). ラメルテオン<ロゼレム>、メラトニン<メラトベル>〔2.3参照〕[これらの薬剤の最高血中濃度・AUCが顕著に上昇するとの報告があり、併用により作用が強くあらわれるおそれがある(本剤は、肝臓で酸化的に代謝されるこれらの薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させると考えられる)]。

ラメルテオン(ロゼレム)、メラトニン(メラトベル)]や併用を注意すべき薬 ..

1週間はあけて効果を判定していき、効果が不十分な時は少しずつ増量をしていきます。

・セロトニン1A受容体アゴニストは、学習性無力モデル、低反応率分化強化(DRL)行動試験においても抗うつ薬類似作用を発揮し、セロトニン1A受容体部分アゴニストは慢性的軽度ストレス(CMS)試験、嗅球摘除試験において抗うつ薬類似作用を発揮することが確認されている。またセロトニン1A受容体アゴニストないしブスピロンの慢性投与はnovelty-induced hypophagiaテストにおいて食べ物への近接潜時を短縮させ、歯状回における神経新生を増加させ、神経細胞の生存を促進することが報告されている。


抗うつ薬とセレギリンの併用はセロトニン症候群を起こす可能性があるため禁忌。 SSRI ..

9.1.8. 緑内障又は眼内圧亢進のある患者:症状を悪化させるおそれがある。

1A2を強く阻害するSSRIのフルボキサミンとの併用は禁忌である[34]。

桑原秀則・阪岡倫行 (2024). 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) 薬局,75(1),74-79.

SSRIと併用するとSSRIの効果発現が早まるとの報告もあります。 D2受容体遮断 ..

セロトニン再取り込み阻害作用によるセロトニン濃度上昇に加え、セロトニン受容体調節作用によるセロトニン・ノルアドレナリン・ドパミン・アセチルコリン・ヒスタミンの遊離促進に関与します(*)。

*SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレ

まずは単剤で十分量・十分期間投与する事が基本ですが、必要に応じて薬剤を追加します。
抗うつ剤の単剤で効果が不十分な場合、①抗うつ剤の変更、②抗うつ剤の併用療法、③増強療法、の選択枝があります。増強療法は短期間で効果が発現するという利点があります。
当院では、なるべく抗うつ剤は単剤でうつ病、不安症のいずれに対しても十分な効果を期待できるベンラファキシン、ボルチオキセチンを第一選択とし、非定型うつ病にはセルトラリンを第一選択とし、抗うつ効果が不十分な場合に増強療法を選択するようにしています。

併用が特に有効であった。その他、脳卒中、パーキンソン病、脊髄性筋萎縮症、ALS ..

・一酸化窒素は多くの中枢神経系受容体の細胞内メッセンジャーである。一酸化窒素合成酵素(NOS)を阻害することによってNOシグナルを減少させると、ラットの強制水泳テストにおいて抗うつ薬様の効果が得られることが示されている。これらの行動効果は、PCPAを用いたセロトニンの枯渇によって阻害されるため、NOS阻害による行動効果はセロトニン系に依存していることが示唆されている。また亜鉛投与は、多くの動物モデルおよび予備的臨床研究において、抗うつ薬に類似した効果をもたらすことが報告されている。PCPAを投与すると、亜鉛の抗うつ薬様効果が阻害されることが報告されている。

Q 7 ロゼレム錠とメラトニンサプリメント及びメラトニン受容体作動性入眠改善剤との併用は可能ですか? ..

2.併用療法:
「併用療法」とは、抗うつ薬を併用する事。
相加効果、相乗効果や副作用の相殺が期待できる組み合わせを選択。

(1)相加効果が期待できる組み合わせの例:
SSRI+ボルチオキセチンまたはミルナシプラン

(2)相乗効果が期待できる組み合わせの例:
SNRI+NaSSA=カリフォルニアロケット燃料(Stephen M.Stahl)

(3)副作用の相殺が期待できる組み合わせの例:
SSRI+スルピリド→SSRIによる嘔気を軽減し、効果発現を早める。 SSRI+トラゾドン→SSRIによる睡眠障害、性機能障害、賦活症候群を軽減。 SSRI+NaSSA→SSRIによる睡眠障害、性機能障害、嘔気を軽減。

抗うつ薬 > 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) ..

③イフェクサーSR(ベンラファキシン):
デュロキセチンよりも更にセロトニン優位で、投与後まずセロトニンの効果が発現します。
アメリカではうつ病以外に強迫性障害を除く全ての不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社交不安障害)の適応となっています。
脳内移行が強い→末梢性の副作用が少ない。
高度の肝障害・腎障害には禁!

[選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)] 薬データベース

1). セロトニン作用を有する薬剤(炭酸リチウム、L−トリプトファン含有製剤(L−トリプトファン含有アミノ酸製剤、L−トリプトファン含有経腸成分栄養剤等)、トリプタン系薬剤(スマトリプタンコハク酸塩等)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、トラマドール塩酸塩、リネゾリド、メチルチオニニウム塩化物水和物<メチレンブルー>等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔11.1.4参照〕[セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれるおそれがあるので、減量するなど、観察を十分に行いながら慎重に投与すること(セロトニン作用を相互に増強させるためと考えられる)]。

[PDF] 75mg「 医 」 フルボキサミンマレイン酸塩錠 25mg

抗うつ薬の選び方や飲み方は、非常に細かな調整を要します。治療経過を詳細に観察しながら薬の量を微調整し、状況によっては薬を変更します。現在はSSRIやSNRIを第一選択とすることが多いものの、人によっては三環系や四環系といった古いタイプの抗うつ薬が効果を示すこともあります。古い薬だから効果がないと考えるのは早計です。思い込みは捨てて、自分に合った薬を選んでいくことが大切なのです。

メラトニン作動性抗うつ薬|; ケタミン様薬剤|; 抗うつ薬の選択と投与|

・SSRIやその他の抗うつ薬の慢性投与、ECTは、シナプス前およびシナプス後膜のセロトニン1A受容体の反応性を変化させる。海馬などの辺縁系において抗うつ薬の慢性投与はセロトニン1A受容体を介したシナプス伝達の促通が生じることが報告されており、抗うつ作用におけるシナプス後膜のセロトニン1A受容体の関与が重要であることを示唆している

メラトニンは生理的に変動している物質で、夜間に増加して明け方に減少していき ..

②デュロキセチン(サインバルタ):
主にセロトニンに作用します。
アメリカではうつ病以外に全般性不安障害の適応となっています。
高度の肝障害・腎障害には禁!

医療用医薬品 : フルボキサミンマレイン酸塩 (相互作用情報)

・同時に週単位の抗うつ薬投与後に生じるセロトニン1A自己受容体の脱感作が、セロトニン伝達の増強における重要な要因であり、抗うつ作用が遅れて生じることの根拠となっている。縫線核におけるセロトニン1A受容体を阻害すると、セロトニン放出の脱抑制を引き起こし、抗うつ作用を増強することが報告されており、セロトニン1A受容体阻害薬は抗うつ薬の増強療法の候補として提唱されている(臨床試験ではうまくいっていない)。セロトニン1Aおよび1B受容体拮抗薬であるピンドロールは動物実験ではSSRIとの併用で抗うつ作用を増強させることを示唆する結果が得られており、ヒトに対して抗うつ薬との併用での治療抵抗性うつ病に対する臨床試験が行われたが、結果は芳しくないものであった(明確な有効性を示せていない)。ピンドロールは高用量においてはシナプス後セロトニン1A受容体作用によりSSRIの治療効果を阻害する可能性が報告されており、シナプス前受容体阻害作用とのトレードオフが生じる可能性が報告されている。

併用によりセロトニン症候群発現の報告/脳内セロトニン濃度が高まるため ..

9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を起こすことがある〔11.1.1参照〕。

[PDF] かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン

・新規抗うつ薬のビラゾドンはセロトニン1A受容体部分アゴニスト作用をSSRI作用を併せ持つ薬剤であり、ラットの大脳皮質および海馬においてフルオキセチン単独よりも細胞外セロトニン濃度を上昇させることが報告されている。またラットおよびマウスの強制水泳試験において抗うつ薬類似作用を発揮することが報告されている。しかし細胞外セロトニン濃度を上昇させることの臨床的意義ははっきりしていない(ビラゾドン自体の臨床的抗うつ作用は他剤と比較して有意に優れているというわけではない)。