ということで1つ目の要因として、ピロリ菌の薬剤耐性の有無が挙げられます


長期的に内服すると、耐性菌という抗菌薬が効きにくい菌が発現したり、赤血球・白血球・血小板が減少する可能性があります。クラリスを処方された場合は、決められた投与量をしっかり守って治療に当たりましょう。副作用のチェックのため、定期的に血液検査が必要になる場合もあります。


図 5.に示すように,年次別クラリスロマイシン(CAM)耐性率は 2006

日本ヘリコバクター学会が定期的に実施している全国規模の耐性菌サーベイランスの結果では、CAM耐性菌の割合は、2002年で18.9%、2003年では21.1%と徐々に上昇し、2010年~2011年では31%と上昇し、2013年~2014年の調査では38.5%まで増加してきています。

ピロリ菌の感染の多くは小児期,特に乳幼児期に成立します。わが国の健常小児のピロリ菌感染率は,最近の調査では約2%に低下しています1)
ピロリ菌に感染している小児のほとんどは無症状です。
小児のピロリ菌による慢性胃炎は胃前庭部優位です2)。また,組織学的にリンパ球浸潤が主体で,リンパ濾胞形成が目立つ傾向があります2,3)
ピロリ菌に感染している学童において,前癌病変として有意な2,4)
ピロリ菌感染を有する小児(慢性胃炎)の胃酸分泌は正常で5),重度の胃粘膜萎縮がないことを示しています。一方で,十二指腸潰瘍の小児の胃酸分泌は亢進します。

表 2 クラリスロマイシン耐性 Helicobacter pylori 患者の除菌に使用した抗菌薬の ..

不十分な除菌療法が行われることは、耐性菌の出現を増加させることが懸念されています。

ピロリ菌除菌の副作用には、皮疹などのアレルギー、下痢、吐き気、食欲低下、味覚異常、腎障害、肝障害などがあります。アレルギー症状がでた場合は服薬を中止して下さい。下痢などの消化器系の副作用は2~3割の方にでる可能性があり、軽い症状であれば内服を続けてください。ただし、血便がでたり、飲食が全くできないような重い症状の場合は服薬を中止して医療受診して下さい。

[PDF] ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出

次に除菌不成功者の救済療法(保険適応外)について、2005年に日本初のニューキノロン系でガチフロキサシン(GFLX)が有効であると発表(渡辺一宏 ,他:日消誌. 2005;102:
619-20.)したが、この耐性菌が出来にくいとされたGFLXは残念なことに糖尿病患者に意識障害が発生したことで全世界の経口薬が販売中止となり消えていった。他にはベース薬のレボフロキサシン10日間(Saad RJ, et al:AJG. 2006;101:488-96.)、シタフロキサシン7〜14日間(H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版)やRHB-105の14日間の3剤除菌があるが、3法とも日本では保険適応外になる。現在、当科では保険適応の1・2次除菌治療は地域クリニックにお願いすることで地域の積極的なピロリ除菌意識を高め、85歳以上のピロリ除菌は当誌文献(高橋信一, 他:医事新報. 2018;4912:24-5.)を踏襲している。

潰瘍を繰り返す方などで除菌を完遂させた方がよい場合は確かにありますが、除菌治療で副作用を起こされた場合や繰り返しても除菌に成功しない場合などでは、それ以上除菌治療を繰り返さずに、胃酸分泌抑制剤を継続するような場合もあります。
ピロリ菌の感染が続く方では、胃がんを含める胃の病気のリスクがより高いと思われるため、主治医のアドバイスに従いながら定期的な胃の検査を行なうことが勧められます。

本邦におけるクラリスロマイシンの耐性菌率は30%以上であり、本邦のどの地域でも

まず最初に行う1次除菌では、
抗生剤2種類(アモキシシリン・クラリスロマイシン)と
胃酸をおさえるお薬を使用します。

消化性潰瘍の再発予防にピロリ除菌は必須である。2014年、我々の地域で従来の1次ピロリ除菌法:PPI+アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)の7日間投与では除菌率60%と壊滅的な状態にあった()。特に除菌不成功の主な原因であるマクロライド系CAM耐性ピロリ菌率は全国で2013年38.5%までになっており、当地域は、さらに耐性菌率45%程度と算出した。しかし2015年にCAM耐性ピロリ菌のみでもPPIをPCABに変更した除菌にすることで40→82%に除菌率が上昇するとの報告(村上和成:日本ヘリコバクター学会誌. 2015;17(1):8-9.)から、都市部の厳しい交差耐性菌問題もPCABの使用で、現治療法が、ある程度は容認できるようになった。制酸剤を強化することで同じ抗生剤でも除菌率が良くなるとは驚きである。現時点では1次除菌でCAMに変えてメトロニダゾール使用は保険適応外となる。


注) ア ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出は、ヘリコバクター・ピロリ感染が強く疑われる患者

本検査は、胃液を含む胃内視鏡廃液中のH. pylori DNA 及びクラリスロマイシン感受性に関与する 23S rRNA 遺伝子ドメイン V 領域の変異を検出します。本邦で初めて製造販売承認されたH. pylori核酸キットであり、その臨床活用方法に関してお知らせいたします。

ア ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出は、ヘリコバクター・ピロリ感染が強く疑

これには2つの条件が必要で、十分量のクラリスロマイシンが胃に届く(用量を多くする)こととクラリスロマイシンが効きやすいように酸分泌をおさえる(酸性下では抗生剤効かない)ことです。

のは、クラリスロマイシン耐性菌の増加です。1999 年にはクラリスロマイシン耐性菌率は

特に問題となるのは、長期的な経過を見ていくと胃がんの発生リスクが高くなることです。また、繰り返す胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となることが多く、潰瘍を繰り返さないようにすること、そして、がんの発生をおさえるという意味ではしっかりと除菌治療を行うことをお勧めします。

ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出

ボノプラザン(タケキャブ)を用いるピロリ菌除菌治療、クラリスロマイシン用量800mgの方がよいだろうと個人的には考えながらも、確信をもてずにいましたが、800mgで治療方針でよいと確信をもてるデータに出会いました。

ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出」他 [22-1136]

A:日本では,ITP患者の90%以上がy陽性である.
B:急性ITPは,感染後に発症する.
C:ステロイド抵抗性の症例では除菌の効果は期待できない.
D:除菌治療を行えば,が陰性化しなくても血小板増加が得られる.
E:除菌の有効性は,国や地域によって異なる傾向がみられる.

クラリスロマイシン耐性の確認とP-CABを含む3剤併用療法を新たに推奨

pylori分離株で部位指向変異誘発を実施しました。結果:26のクラリスロマイシン耐性株を調べました。H.

[PDF] Helicobacter pylori の薬剤感受性試験法の検討と耐性株の出現状況

整腸剤の併用が下痢の予防に効果があるため、当院では、耐性乳酸菌製剤が必ず処方されます。

⇒クラリスロマイシンに対する耐性菌の出現により、除菌率が低下している。 ..


(Helicobacter pylori)は、胃がんや胃潰瘍など,さまざまな消化器系の問題を引き起こす可能性がある細菌の一種で,胃の中に住んでいます。このピロリ菌は、通常、唾液、嘔吐物や便との接触、汚染された食品や水を介し伝播します。はピロリ菌の主たる経路と考えられます.

ピロリ菌により引き起こされる病気があり,以下の状態では,ピロリ菌の除菌による治療や予防が勧められます.

クラリスロマイシン耐性Helicobacter pylori (臨床検査 45巻8号)

旧来のであるランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾールの種類に加えて、年からであるボノプラザンの種類から種類を選択し、アモキシシリン回量、クラリスロマイシン回量を併用した1日2回(朝夕食後)7日間投与を行います。

検体検査実施料に関するお知らせ:ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出、他 ..

特にCAM(クラリスロマイシン)耐性のピロリ菌の割合の増加と共に、上記の一次除菌による除菌率が低下しています。

成績低下の原因としては抗生物質(クラリスロマイシン)に対する耐性菌の増

妊娠中や授乳中の場合にはクラリスを使用できないわけではありませんが、気軽に内服できるわけでもありません。妊娠中に高容量のクラリスを投与すると胎児に心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等の異常が生じる可能性があると動物実験にて報告されています。また、クラリスは母乳にも移行します。病気の種類に応じて、治療を行うメリットと治療を行わないデメリットを比較・検討し、担当医と十分に相談して治療に当たりましょう。

ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出は、ヘリコバ

本キットは、内視鏡検査において追加の侵襲なく得られる”廃液”を使用するため、培養・感受性試験において”生検鉗子”で採取する「胃粘膜生検」に比べて、出血リスクはなく、検体採取の安全性が高いと考えられます。さらに、本キットは核酸精製・増幅・検出に必要な全ての試薬を内蔵したテストカートリッジと専用抽出液により構成され、簡易な測定操作法にて実施でき、診療の現場において1時間以内にH. pylori感染のみならずクラリスロマイシン感受性に関与する遺伝子変異を同時検査することが可能となります。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の体外診断用医薬品の認可を受けているH. pylori核酸キットは1製品のみです。当該製品の相関成績は、既存の検査法を対照とした一致率として、H. pylori感染診断について尿素呼気試験に対し93.6%、便中抗原検査に対し93.2%、またクラリスロマイシン感受性の診断について薬剤感受性試験に対して97.0%と、高い一致率を示し良好です。(Tsuda M et al. Helicobacter 2022 Dec;27(6):e12933)

[PDF] ピロリ菌感染患児と親から分離した菌株の抗菌薬耐性率に関する検討

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ:Helicobacter pylori)は、胃内に生息するらせん状のグラム陰性細菌で、1982年にオーストラリアのマーシャル博士とウォレン博士によって発見されました。酸性環境に強く、ウレアーゼという酵素を分泌して胃酸を中和し、自身の生存環境を作り出します。

現行のピロリ除菌治療に反応しない耐性菌の増加が問題となっています。

ピロリ菌は種々の抗菌薬に対して耐性を獲得し、耐性である抗菌薬を用いた除菌療法では除菌率が低下します。

後にクラリスロマイシン耐性 Helicobacter pylori が出現した姉妹例


小児の胃潰瘍は少なく,ピロリ菌の陽性率は44%と低率です6)。特に,慢性胃潰瘍は稀で,発症には一定の感染期間(経過)が必要です。
わが国における小児の十二指腸潰瘍のピロリ菌陽性率は約80%で6)6,7)
小児のピロリ菌による胃癌の報告は,ほとんどありません8)
ピロリ菌による鉄欠乏性貧血は,特に中学生や高校生に多くみられます。その発生機序は解明されていませんが,ピロリ菌がヒトから鉄イオンを奪取しているとの仮説が有力です9,10)。最近,鉄欠乏性貧血関連遺伝子として,ピロリ菌のsabA遺伝子が同定されました10)
小児の慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とピロリ感染の関連性が報告されています8)。症例によりますが,除菌による改善・治癒が期待されます。