日本語 クラリスロマイシン(CAM)の抗炎症作用と免疫賦活効果
経過からCAM耐性を疑い〔のちブロスミックNTM(極東製薬工業)にて耐性を確認〕,アミノグリコシド系抗菌薬を追加し治療強化を行いつつ外科医と連携し3カ月後の手術を計画した.しかし,1カ月後に陰影が中葉,舌区に拡大したため,その2週間後に手術を行った(図2a).術後はアミノグリコシド系抗菌薬による点滴を6カ月併用した.喀痰の抗酸菌は陰性化し,陰性化後2年で治療を終了とした(図2bは術後1年後のCT画像).
【超重要・厳重注意】 “クラリスロマイシン(CAM)”と併用禁忌の医薬品ラインナップ
結核菌は抗酸菌に属します。非結核性抗酸菌とはおおまかにいうと結核菌以外の抗酸菌です。MAC( マイコバクテリウム アビウム コンプレックス)という菌は、非結核性抗酸菌に属し、MACが分離される肺MAC症は、非結核性抗酸菌症のおよそ80%を占めています。今回は、肺MAC症についてお話をしたいと思います。
肺炎および誤嚥性肺炎は、日本の死因のそれぞれ5位と6位を占め、合計すると年間約14万人がこれらの疾患で亡くなっている(2019年)。肺炎による死亡率は高齢者ほど高く、死亡者の95%を65歳以上が占めている。高齢社会を迎えた今日において、肺炎を予防・治療することは重要な課題である。
標準治療として、クラリスロマイシン、エタンブトール、リファンピシンの 3 剤併 ..
わが国では, Mycobacterium aviumとMycobacterium intracellulareを含むM. avium complex(MAC)が肺NTM症の起因菌として最も頻度が高く80~90%を占める。また, 地域分布の特徴として, M. intracellulareは西日本に多く, M. aviumは東日本で高い。Mycobacterium kansasiiは近畿地方に, Mycobacterium abscessusは九州沖縄地方で高い傾向にある。
細菌性肺炎の治療には抗菌薬が用いられる。しかし、近年、主な肺炎起因菌である肺炎球菌の薬剤耐性化が年々進み、肺炎治療において大きな障害となっている。研究グループは、新潟市内で分離された肺炎球菌のうち、82%がマクロライド系抗菌薬の奏効しない耐性菌であると報告している。その一方で、依然としてマクロライド系抗菌薬は肺炎球菌感染症に対して有効であるとも臨床現場から報告されている。今回の研究ではそのメカニズムについて解析した。
M24第3版に準じる。この基準ではクラリスロマイシン(CAM)とア
肺炎球菌はニューモリシンと呼ばれる毒素を持っており、肺の細胞や免疫細胞に微小な穴を開けて傷害し、肺を破壊する。そこで研究グループは、ニューモリシン産生に対するマクロライドの作用解析を行った。マクロライド耐性肺炎球菌株にクラリスロマイシンを作用させた結果、ニューモリシンの産生量が減少することが明らかになった。
広く医療現場で使用されている抗生剤クラリスロマイシン。その影響による副作用を紹介します。
症例) 70代男性 慢性腎不全定期受診中。マニジピン、エナラプリル、ロサルタンカリウム、アロプリノールなどを服用。ピロリ除菌目的でクラリスロマイシンを1日800mgで開始。服用3日後から顔面の浮腫発生。除菌を中止し、フロセミド内服開始。3日間服用するもCre5→8台へ悪化。緊急透析施行となる。
Antibiotics |9|CAM(クラリスロマイシン),AZM(アジスロマイシン) ..
PT-IgG抗体価が第9病日においても10 EU/mL未満であり, 百日咳IgMとIgA抗体価が上昇しなかったことは, 免疫発達の未熟性を反映するものと思われた。このような抗体産生の遅延を伴う低月齢乳児に対しては, 治療期間が長いエビデンスのある抗菌薬を選択することで, 除菌確率を上昇させるとともに再感染リスクを軽減できる可能性がある。
NTMの中で, ヒトに病原性を有するのは約50種程度であり, NTM症は全抗酸菌症の10~20%を占めると考えられてきた。主たる感染臓器は肺であり, 皮膚感染がそれに続く。近年, 結核低蔓延国で肺NTM症の増加が報告されており, わが国においても結核罹患率が低下傾向にあり, 肺NTM症罹患率の増加が予想されていた。しかし, 感染症発生動向調査の対象疾患ではなく, 2007年を最後に全国疫学調査も実施されなかったため, NTM症の正確な発生動向は不明であった。2014年1~3月の肺NTM症と新届出結核患者数に関して全国の呼吸器疾患拠点病院に対してアンケート調査を実施し, 罹患率の推定を行った結果, 肺NTM症の罹患率は全国で14.7/10万人であり, NTM症の急速な増加と, 結核の罹患率(2015年)を初めて上回ったことが明らかとなった1)。主要検査会社の抗酸菌データ(2012~2013年:11万件)の解析2), および, ナショナルデータベースを用いて全国の肺NTM症罹患率・有病率を検討した結果, 有病率は年+12~22%増加しており, 人口10万対116.3と推定された。
クラリスロマイシン(CAM)を主薬とした抗結核薬との併用療法や、これらに抵抗
MACは土壌、水、塵埃(じんあい)などの自然環境に広く存在する環境菌で、水系や土壌などに広く分布しています。ひとの生活環境でも水道水から菌が分離され、浴室、シャワーヘッドなどに定着することが報告されています。
○ 本邦ではピロリ菌のクラリスロマイシン(CAM)耐性率が 30-40%であり、
NTMが環境中に検出されること, および呼吸器検査から検出されるNTMが必ずしも感染の結果によらないことから, 肺NTM症の診断は, 肺結核に比べて困難である。米国胸部疾患学会(ATS)および米国感染症学会(IDSA)のガイドライン3), またわが国の呼吸器病学会非結核抗酸菌症診断ガイドライン()4)によると, 肺NTM症の診断には, 臨床的要件と細菌学的要件をともに満たす必要があり, 極めて煩雑で長時間かかる。肺NTM症の肺X線画像所見や症状は特異的なものがない。結核との鑑別診断は, 感染対策から極めて重要である。そこで, NTM症, 特にMAC症と結核の鑑別を簡便に, かつ迅速に可能にする補助診断法の開発が希求された。一般の検査室では, PCR法や市販のプローブを使用した核酸増幅法による検査で, 結核, MACの同定が可能であり, 陰性の場合はDNA-DNAハイブリダイゼーション(DDH)法(極東)を使用した簡易キットで, 18種類のNTMを同定することが可能である。これらの方法で同定ができない場合は, 特定の研究施設でのみ施行されている検査を実施することにより同定の可能性がある。ただし, 核酸増幅法だけでは検出された菌が感染の起因菌かどうか確定できないことに留意する必要がある()。これに加えて, MACが保有し, BCGを含む結核菌群が保有しない細胞壁構成成分であるglycopeptidelipids(GPL)に対するIgAをEIAで測定する血清診断法(タウンズ)が開発された。わが国における臨床試験では, 本血清診断法の感度は約80%, 特異度は100%であり5), 現在臨床現場で使用可能である。GPLはMACだけではなく, Mycobacterium scrofulaceum, Mycobacterium chelonae, M. abscessus, Mycobacterium fortuitumなどの迅速発育菌にも存在するため, これらの菌による感染症もしくはコンタミネーションとの鑑別は本キットだけでは不可能であることに注意する必要がある。
肺MAC症治療にはマクロライド系抗菌薬であるクラリスロマイシン(CAM)をキードラッグとした多剤併用療法が実施される。M
続いて、マクロライド耐性肺炎球菌を気管支に感染させたマウスに、クラリスロマイシンを投与した。その結果、クラリスロマイシンを投与したマウスでは、通常の感染群と比較して、肺胞中でのニューモリシン量が減少した。さらに、クラリスロマイシン投与マウスでは、肺組織の破壊程度が軽度であり、血中酸素飽和度も高値を示すことが明らかになった。
3g,1日 3回+クラリスロマイシン (clarithro- mycin: CAM) 1回200 mg ,1日2回 ..
新潟大学は9月10日、マクロライド系抗菌薬であるクラリスロマイシンが肺炎球菌の毒素放出を抑制し、肺炎の重症化を防ぐことを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医歯学総合研究科微主物感染症学分野の土門久哲准教授と寺尾豊教授らを中心とした研究グループと、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の栁原克紀教授研究室による共同研究によるもの。研究成果は、米国科学誌「Microbiology Spectrum」電子版に公開されている。
「クラリスロマイシン(CAM)耐性と評価され、一次除菌治療でボノプラザン(VPZ) or
浴室が感染源であると証明された症例も存在し、浴室は感染源の一つである考えられています。またMACは土壌から人への感染を示唆する研究結果が報告されています。すべてのひとが日常的にMACに暴露されているにも関わらず、発症するのは一部の症例に限られています。肺MAC症の発症には環境因子のみでは説明出来ず、宿主因子も重要と考えられます。感受性のある患者さんに対して生活環境中にある感染源に注意を促し、その対策を指導することは大切と考えられます。
治験中の新薬に期待 肺NTM症の主要疾患である肺MAC症に対して単剤で唯一有効性が認められている薬剤にクラリスロマイシン(CAM)がある。
NTM症の診断基準が, 軽症例の診断を可能にした一方, 治療開始時期は診断とは別に決めるべき問題としたため, 治療開始には, 臨床医の総合的判断に委ねられている。 肺MAC症の2つの病型のうち, 線維空洞型は, 陳旧性肺結核や器質性肺疾患を持つ高齢の男性に好発する。進行性であることが多く, 診断されれば直ちに化学療法の適応であり, 病変が限局していれば外科的に切除することが推奨されている。一方, 小結節・気管支拡張型は, 基礎疾患のない中高齢の女性に好発する。病勢は, 進行を認めないものから進行例まで様々であり, 症状と画像所見に応じて治療開始時期が決定される。
[PDF] マクロライド抗生物質 クラリスロマイシンの製造研究
研究において、肺炎球菌の毒素をターゲットとした治療法が有効であることが示された。一方、薬剤耐性化の観点から、肺炎に対して積極的にマクロライドを投与していくのは現実的ではない。「今後は、北里大学との共同研究により、抗菌作用を除去し、耐性菌を生み出しにくいマクロライド誘導体を分子設計し、新たな治療薬開発を目指していく」と、研究グループは述べている。
クラリスロマイシンは、エリスロマイシンの 6 位の水酸基をメチル化し、酸に対する安定性を
MAC症の治療は, リファンピシン(RFP), エタンブトール(EB), クラリスロマイシン(CAM) の3薬剤による多剤併用療法が標準治療であり, 必要に応じてさらにストレプトマイシン(SM) またはカナマイシン(KM) の併用を行う()6)。CAMは化学療法の中心となる薬剤であり, CAM耐性MAC症の治療は非常に困難となる。CAM単剤投与は数カ月以内にCAM耐性MAC菌が出現することが報告されていることから, 症状が軽微であっても, CAM単剤投与は避けるべきとされる。 治療期間は, 少なくとも排菌陰性化後1年間は継続するべきとされているが, 治療終了後の再燃・再感染は頻繁に認められており, 最適化学療法期間の設定は今後の重大な課題である。
ン(AZM)がよく使用される。 マクロライド系薬の特徴として、静菌的であること、
謝辞:本症例の遺伝子解析にご協力いただいた, 国立感染症研究所・蒲地一成先生, 大塚菜緒先生に厚く御礼申し上げます。
CAM:クラリスロマイシン、TH:エチオナミド、AMK:アミカシン
200X年Y月に気管支鏡で肺MAC症と診断された(図1a).同年Y+1月よりクラリスロマイシン(CAM),エサンブトール(EB),リファンピシン(RFP)の3剤による治療が開始されたが1週間以内に視力異常の訴えがあり,EBが中止され,その2週間後にCAM,RFPも中止となった.200X+3年Y月より陰影の増悪があり,EBを除いたRFP,CAM,ストレプトマイシン(SM)(SMは2カ月)が再開された(図1b).しかし,陰影は悪化傾向を示し,200X+5年Y−3月に急速に悪化したため当院へ紹介となった(図1c).
CAM (クラリスロマイシン) · AZM (アジスロマイシン)
NTM症は, わが国の高齢化, 結核の低蔓延化に伴い, 今後も増加傾向にあると考えられる。NTM症発生動向の系時的な把握, 簡便で鋭敏な診断法の開発・改良, 最適な治療プロトコールの確立と耐性菌発生の予防に向けて, より一層の対応が必要であろう。