薬剤師のためのBasic Evidence(制吐療法) | 日医工株式会社


本CQ では,中等度催吐性リスク抗がん薬による治療を受ける患者を対象に,悪心・嘔吐予防として,3 剤併用療法(5-HT3 受容体拮抗薬+デキサメタゾン+オランザピン)と2 剤併用療法(5-HT3 受容体拮抗薬+デキサメタゾン)を比較した際の「血糖上昇」「嘔吐抑制」「悪心抑制」「有害事象」「コスト(薬剤費)」の5 項目をアウトカムとして設定し,システマティックレビューを行った。


[PDF] 選択的NK1受容体拮抗型制吐剤 アプレピタントカプセル

高度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,5-HT3 受容体拮抗薬,NK1 受容体拮抗薬,デキサメタゾンの3 剤併用療法にオランザピンを加えた4 剤併用療法が,NCCN ガイドライン2017,ASCO ガイドライン2017 において推奨療法として追加された。一方,中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として5-HT3 受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの2 剤併用療法が推奨される場合に,オランザピンの追加・併用の有用性があるかについても検証すべく本CQ を設定した。

ランダム化比較試験2 編,をもとに評価した。中等度催吐性リスク抗がん薬のみを対象としたランダム化比較試験1 編では,オランザピン非投与群でのデータが報告されておらず,比較はできなかった。オランザピン投与群においては,Grade 1 の高血糖が1/29 例(3.4%)に認められ,発現頻度は低かった。もう一方のランダム化比較試験1 編では,抗がん薬投与後の血糖値について両群間で有意差はなかったと報告されていた。

[PDF] 2016年04月 『抗癌剤の催吐性リスク分類と制吐療法について』

カルボプラチン,オキサリプラチン以外の中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,推奨される5-HT3 受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの2 剤併用療法にオランザピンを追加・併用することの意義を検討することは重要である。

悪心・嘔吐予防として,5-HT3 受容体拮抗薬,NK1 受容体拮抗薬,デキサメタゾンの3 剤併用療法が標準となる中等度催吐性リスク抗がん薬のみを対象とした大規模比較試験による,オランザピンの追加・併用の検証が期待される。

(3)シスプラチン誘発嘔吐反応に対するデキサメタゾン及びオンダンセトロン(5-HT3受容体拮抗型制吐剤)との併用効果

システマティックレビューレポートに基づいて,推奨草案「中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,3 剤併用療法へのオランザピンの追加・併用を弱く推奨する。」が提示され,推奨決定の協議と投票の結果,24 名中21 名が原案に賛同し,合意形成に至った。

患者の価値観・好みについてエビデンスに基づく評価はできていないが,嘔吐抑制,悪心抑制という益は多くの患者が求めるものであり,多様性は低いと考えられる。害については少ないと考えられたが,患者のライフスタイルや価値観も考慮すべきである。

注)アプレピタントを使用しない場合は、1日目のデキサメタゾン注射薬

患者の価値観・好みについてエビデンスに基づく評価はできていないが,嘔吐抑制,悪心抑制という益は多くの患者が求めるものであり,多様性は低いと考えられる。害については少ないと考えられたが,患者のライフスタイルや価値観も考慮すべきである。

第Ⅱ相試験1 編における評価であり,結果の解釈には注意が必要であるが,その報告における「傾眠」については,高度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防におけるオランザピンを含む臨床試験で報告されている「傾眠」と同程度の頻度,重症度であり(→ 参照),オランザピン追加・併用による害は少ないことが示唆された。ただし,糖尿病患者へのオランザピン投与は本邦では禁忌であり,本CQ で採用した本邦で実施された臨床試験,では,糖尿病患者は除外されていたことに注意を要する。また,作用点が重複するドパミン(D2)受容体拮抗薬との併用は避け,睡眠薬との併用にも注意を要する。


合 デキサメタゾン 8mg) + (アプレピタント使用の場合:アプレピタント 80mg Day2,3)

本CQ では,中等度催吐性リスク抗がん薬による治療を受ける患者を対象に,悪心・嘔吐予防として,4 剤併用療法(5-HT3 受容体拮抗薬+NK1 受容体拮抗薬+デキサメタゾン+オランザピン)と3 剤併用療法(5-HT3 受容体拮抗薬+NK1 受容体拮抗薬+デキサメタゾン)を比較した際の「血糖上昇」「嘔吐抑制」「悪心抑制」「有害事象」「コスト(薬剤費)」の5 項目をアウトカムとして設定し,システマティックレビューを行った。

また、オンダンセトロン、デキサメタゾンを併用投与した。 注7)本剤の投与は1 ..

高度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,5-HT3 受容体拮抗薬,NK1 受容体拮抗薬,デキサメタゾンの3 剤併用療法にオランザピンを加えた4 剤併用療法が,NCCN ガイドライン2017,ASCO ガイドライン2017 において推奨療法として追加された。一方,中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として3 剤併用療法が推奨される場合があり(→ 参照),その際のオランザピンの追加・併用の有用性についても検証すべく本CQ を設定した。

ント群(アプレピタント 80 mg+デキサメタゾン 8 mg、30 名)及びデキサメタ ..

高度催吐性リスク抗がん薬に準じて3 剤併用療法を行うことが推奨されるカルボプラチンのような特定の中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,3 剤併用療法にオランザピンを追加・併用する意義があるかは,臨床現場で遭遇する問題である。システマティックレビューを行い,4 剤併用療法の意義を検討した結果,5-HT3 受容体拮抗薬,NK1 受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの3 剤併用療法にオランザピンを追加・併用することを弱く推奨するとした。

(3)シスプラチン誘発嘔吐反応に対するデキサメタゾン及びオンダンセトロン(5-HT3受

カルボプラチンを除く中等度催吐性リスク抗がん薬による治療を受ける患者を対象として,NK1 受容体拮抗薬を含む3 剤併用療法の有効性・安全性の評価についてはエビデンスが不十分である。また,新規制吐薬である選択的NK1 受容体拮抗薬のホスネツピタントは2022 年5 月に本邦で薬価収載となったが,本システマティックレビュー実施時には上市されていなかったので今回の検索の対象にはなっていない。これらのことから,カルボプラチンを除く中等度催吐性リスク抗がん薬に対するNK1 受容体拮抗薬の有用性を検証するランダム化第Ⅲ相比較試験が望まれる。

2013)2)、5-HT3 拮抗剤及びデキサメタゾンに対するオランザピン又はアプレピタントの上乗

システマティックレビューレポートに基づいて,推奨草案「中等度催吐性リスク抗がん薬のうち,カルボプラチンによる治療においては,悪心・嘔吐予防としてNK1 受容体拮抗薬の投与を強く推奨する。」が提示され,推奨決定の協議と投票の結果,22 名中22 名が原案に賛同し,合意形成に至った。

したパロノセトロン、アプレピタント及びデキサメタゾン併用制吐療法の有効性及び

これらの結果は,NK1 受容体拮抗薬の作用機序や特徴を考慮すれば妥当な結果である。これらを総合すると,NK1 受容体拮抗薬を含む3 剤併用療法は悪心・嘔吐の抑制に有効と考えられる。

① 5-HT3受容体拮抗薬(Day 1)② アプレピタント125 mg(Day 1),80 mg(Day 2〜3)③ デキサメタゾン ..

ランダム化比較試験1 編では有害事象は評価されておらず,第Ⅱ相試験1 編(33 例)で評価した。オランザピンの主な副作用である傾眠(somnolence)の発現頻度は48.5%で,Grade 1/2 のみであった。

HT3 受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用下における NK1 受容体拮抗薬(アプレピタントま ..

嘔吐抑制の指標は「CR 割合」とし,ランダム化比較試験15 編をもとに評価した。発現時期については,全期間14 編,急性期15 編,遅発期15 編で評価した。研究間の結果には一貫性があると判断した。メタアナリシスではバイアスリスクと出版バイアスはなく,いずれの発現時期においても,NK1 受容体拮抗薬を含む3 剤併用療法は2 剤併用療法と比較して有意にCR 割合を改善した〔RD:全期間0.11(95%CI:0.08-0.15,p<0.00001),急性期0.03(95%CI:0.01-0.05,p=0.01),遅発期0.10(95%CI:0.08-0.13,p<0.00001)〕()。

注)アプレピタントを使用しない場合は、1日目のデキサメタゾン注射薬は

本CQ では,中等度催吐性リスク抗がん薬による治療を受ける患者を対象に,悪心・嘔吐予防として,3 剤併用療法(5-HT3 受容体拮抗薬+デキサメタゾン+NK1 受容体拮抗薬)と2 剤併用療法(5-HT3 受容体拮抗薬+デキサメタゾン)を比較した場合の「嘔吐抑制」「悪心抑制」「有害事象」「コスト(薬剤費)」の4 項目をアウトカムとして設定し,システマティックレビューを行った。

高度(>90%)催吐性リスクの抗がん剤による治療を受ける人が嘔吐・吐き気を予防するために「アロキシ+デキサメタ.

前版では,中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防に5-HT3 受容体拮抗薬とデキサメタゾンの2 剤併用療法が推奨されている。しかし,中等度催吐性リスク抗がん薬の催吐割合は30%<~90%と幅が広く,催吐割合が60%~90%であるカルボプラチン(AUC≧4)に対しては,NK1 受容体拮抗薬を含む3 剤併用療法が推奨されている。推奨される制吐療法を行っても,悪心・嘔吐が十分抑制できない症例もあるため,催吐割合の幅が広い中等度催吐性リスク抗がん薬に対する適切な制吐療法を検証すべく本CQ を立案した。

NK, 受容体拮抗薬: アプレピタントカプセル / ホスアプレピタント注、 ..

本ガイドラインにおいて中等度催吐性リスクに分類されている抗がん薬の中で,白金製剤であるカルボプラチンとオキサリプラチンは高度催吐性リスクに近い抗がん薬であるため,カルボプラチン,オキサリプラチン,それ以外の中等度催吐性リスク抗がん薬を対象として,5-HT3 受容体拮抗薬とデキサメタゾンの2 剤併用療法にNK1 受容体拮抗薬を上乗せする効果について,システマティックレビューで検証した。

[PDF] パロノセトロンおよびデキサメタゾンの 制吐療法を受

高度催吐性リスク抗がん薬において,AC 療法とシスプラチンを含むレジメンでは悪心・嘔吐の発現様式は異なることが示されており,シスプラチンを含むレジメンにおけるステロイドスペアリングの検証が望まれる。シスプラチンを含むレジメンのみを対象に,オランザピンを含む4 剤併用療法下におけるデキサメタゾン投与期間短縮の非劣性を検証するランダム化比較試験が本邦で行われた。試験結果の論文は,2023 年8 月時点において発表されていないが,その結果に注目したい。

レピタントを 1 日目に 375mg、2~5 日目に 250mg 経口投与

システマティックレビューレポートに基づいて,推奨草案「高度催吐性リスク抗がん薬のうち,AC 療法においては,悪心・嘔吐予防としてデキサメタゾンの投与期間を1 日に短縮することを弱く推奨する。」が提示され,推奨決定の協議と投票の結果,22 名中21 名が原案に賛同し,合意形成に至った。