メラトベルは国内唯一の小児で認可された「入眠困難への薬」です。
このメラトニンとセロトニンは拮抗関係にあり、日中にセロトニンが多く分泌される間はメラトニンの分泌量は低下しています。それに対し、夕方以降はセロトニンの分泌が抑制されるため、反対にメラトニンの分泌が活性化します。
※以下では「メラトベル」として、メラトニンの効果や副作用をお伝えしていきます。
梅雨時期はうつ病になりやすい時期であるといえますが、ストレスの原因となるものを取り除くことができれば、うつ病になるリスクは低くなります。
仕事のストレスや人間関係においては、なかなか取り除くことはできないかもしれませんが、そのストレスをうまく解消することでうつ病を予防することができるのです。
梅雨時期のうつ病を防ぐポイントとして、日常的にどのような過ごし方をしていれば効果的なのかお伝えします。
先述したように、高照度光には、1)朝の光は睡眠・覚醒リズムを前進させる働きがあり、ヒト本来が持っている約25時間の概日リズムを、朝、太陽光を浴びることで24時間にリセットすることができる、2)夕方の光は睡眠・覚醒リズムを後退させる働きがあり、夜間強い照明を浴びて、勉強や仕事をしていると睡眠相後退型の睡眠障害に陥る危険性が高まる、3)昼間に強い光を浴びると、睡眠・覚醒リズムと体温リズムの振幅を大きくし、メリハリのある生活ができるようになる、4)光は季節性感情障害を改善する、という作用があることがわかっている。睡眠障害やうつ病の治療に、他の治療法と高照度光を組み合わせることで、効果が高まることが大いに期待される。
メラトニンが持つ役割や効果としては、以下のようなものが挙げられます。
インターネットをみていると、メラトニンを摂取すると悪夢が増えるという口コミなどがあります。メラトニンと悪夢の関係を考えてみましょう。
睡眠障害の治療で重要なことは、生活習慣の乱れ、睡眠環境を整えることです。
毎日の起床、就寝時刻を一定にして生活リズムを整え、朝起きたら太陽の光を浴びるようにしましょう。
日中は適度な運動をして寝る前のカフェインの入った飲み物や喫煙、アルコールは控えます。
就寝する部屋は快適な温度、湿度を保ち照明も不安にならない程度に暗くしましょう。
メラトニンとセロトニンは大きな関係があることが分かってきています。
【症例3】24歳女性、季節性うつ病、睡眠相後退
秋田県で生まれ育つ。19歳頃より秋になると、特別な誘因もなく気分が滅入るようになった。秋、冬期の気分が滅入る時期には睡眠が長くなる傾向がみられ、朝なかなか覚醒できず、起床も昼近くになることが多く、会社を休むこともあった。何もやる気がせず、出勤してもぼんやりとして仕事をこなす速度が遅くなり、上司に注意されることもあった。23歳のころ、近医を受診し、抗うつ薬を処方されたが、効果はなかった。3月になるとうつ状態は自然に改善し、朝も早く目覚めるようになった。このような冬季の気分の低下と睡眠時間が長くなる傾向は毎年繰り返されるようになった。また、5~8月にはかなり気分が良く、睡眠時間も短い傾向がみられた。
24歳の頃、11月中旬、感情喪失感、焦燥感、離人感、脱力、疲労感、意欲減退などを主訴として、当院外来を受診した。昨年までの症状がさらに重症となり、会社を1週間ほど休んでいる状況であった。過食症状はみられなかった。入床時刻は23時ごろであるが、起床はほとんど正午近くになっていた。初診時でのハミルトンうつ病評価点は18点であった。1週間後より光療法を行ったところ、治療開始後3日目ごろより気分と意欲に明らかな改善がみられた。1週間後には起床時刻は7時となり、出勤も億劫ではなくなり、2週間後のハミルトン評価点は7点にまで低下していた。
このように季節性感情障害に対しても、光療法が有効であるという報告は多い。
なお、セロトニンは心身の覚醒だけでなく、睡眠や休息にも大きな影響をもたらしています。それは「睡眠ホルモン」の「メラトニン」がセロトニンを原材料にしてつくられているから。メラトニンは日没後、とっぷりと日が暮れた頃に分泌が高まって、自然な眠気をもたらす物質です。
セロトニンは夜になると松果体でメラトニンの原料へと変化します。
体内時計をコントロールするメラトニンは、
通常朝起きてから一定時間経過後(起床して14~16時間後)に
分泌され始めるため、生活リズムを維持するには、眠りに就く時間よりも、
「朝起きる時間を一定に保つ」ほうが重要であると言われています。
そして、このメラトニンは、朝、おてんとうさまの光を浴びてからだいたい15時間後に分泌されるとされています。つまり、朝7時に光を浴びると、それを合図にセロトニン分泌が高まり、それを原料にメラトニンがつくられて、15時間後の夜10時くらいにメラトニン分泌が高まって眠くなってくるのです。だから、朝、いつも同じ時間におてんとうさまの光を浴びていれば、夜、いつも同じくらいの時間に眠くなり、規則正しい睡眠リズムを形成できるようになります。
睡眠薬全般の副作用を避けるために、以下のことに注意してください。
メラトニンを調整するうえでもっとも大切なのは、朝にたっぷりと光を浴びることです。
うつ病には不眠症が高率に併存することが知られています。なかなか寝付けない ..
不眠には 入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つのタイプがあり 用いられるお薬には ベンゾジアゼピン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬の2種類があります。
メラトニンは体内時計を整えるホルモンです。日中光を浴びることで、体内時計が整いやすくなります。また医療用のメラトニンもあって、効果的です。
うつ病ではセロトニンの分泌が低下していると考えられています。セロトニンの機能が低下してしまったことで、本来あった睡眠と覚醒のリズムが乱れてしまいます。このことが、うつ病の不眠症状の原因のひとつと考えられています。
断眠の抗うつ効果と尿中メラトニン代謝産物の関連 (精神医学 38巻2号)
注意欠如・多動症(ADHD)患者の大半は、うつ症状に代表される、その他の関連症状を有している。ADHDに関与している可能性のあるメディエーターの1つメラトニンは、サーカディアンリズム、神経機能およびストレス反応を調節していると考えられている。スペイン・Clinico San Cecilio Hospital のIsabel Cubero-Millan氏らは、ADHDのサブタイプにおける血清中メラトニン濃度の状況、およびメチルフェニデート(MPH)が及ぼす血清中メラトニン濃度やADHDに併存する症状への影響を検討した。International Journal of Molecular Sciences誌2014年9月号の掲載報告。
本研究では、(1)ADHDサブタイプにおける血清中ベースラインメラトニン濃度の日内変動および夜間分泌、(2)MPHの慢性的な服用が血清メラトニン濃度ならびに症状に及ぼす影響、について検討した。ADHD(DSM-IV-TR診断基準による)小児136例を、Children's Depression Inventory(CDI)を用いてサブグループに分類。登録時および治療開始4.61±2.29ヵ月後に血液サンプルの採取(20:00と9:00)と、尿の採取(21:00から09:00までの間に)を行った。メラトニンとその尿代謝物を、ラジオイムノアッセイRIA法により測定した。STATA 12.0を用いてファクトリアル解析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・ADHDのサブタイプである多動性衝動性優勢状態/行為障害(PHI/CD)小児において、併存するうつ症状に影響することなく、血清中メラトニン濃度は高値を示していた。
・MPH服用は、血清中メラトニンプロファイルに影響を及ぼさずに併存する症状を改善した。ただし、ADHDの両サブタイプで6-s-メラトニンの排泄が減少した。
・以上から、未治療のPHI/CD小児における、血清メラトニン濃度増加の主因は、崩壊した神経内分泌の均衡の部分的な恒常性の回復によるものと思われた。
・MPH服用による脳メラトニン代謝の差が、臨床的ベネフィットに関与している可能性が示唆された。
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梅雨時期において不快になるのは、気温と湿度の高さによる不快指数だけではありません。
梅雨時期は季節の変わり目で、じとじと降る雨が続いたり、晴れ間が出てきてとても暑い日になったり、日によって大きく気圧が変化します。
この気圧の変化は私たちの体に大きな負担をかけることになり、体に不調をきたす人が多くなります。
梅雨時期が近づいてくると、古傷の膝関節に痛みが生じ、歩きにくくなるという人がいます。 また、日によっては肩こりがひどくなり、頭痛も伴って気分が悪くなる人もいます。
これらは気象の変化によって体調に影響を与えているもので、「気象病」などといわれることもあります。
私たちの体は、外部環境の変化に対応するように自律神経が調整していますが、 あまりに外部環境の変化が激しいときにはついていけずに体調を崩してしまうのです。
またそのような体調の変化が大きなストレスとなって、うつ病を発症させる原因になることもあるのです。
気温の変化が激しい季節においては、それだけ自律神経の負担も大きくなります。交感神経と副交感神経への切り替えが頻繁に行われることになるからです。
さらに雨の日が続くと日照時間が少なくなります。メラトニンはセロトニンといったホルモンのバランス分泌が低下するために、不眠となって睡眠不足になったり、気分の落ち込みが激しくなったりすることもあります。
このように梅雨時期を捉えてみると、誰でもうつ病になる可能性があります。気になる人は早めに専門医に相談するようにしてください。
セロトニンやメラトニンの合成を促すサプリメントとして、以下のような製品がすすめられます。 トリプファンや5-HTPなど
つまり、セロトニンが不足している人(例えばうつ病の方)には
睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌する力が少なく、結果として不眠症になりやすいのです。
メラトニンが分泌されると眠くなる効果がありますが、睡眠障害の場合このメラトニンがうまく分泌されていない可能性があります。 ..
心と体のエネルギーが低下した病気の代表としてうつ病があります。上記2つの対策は、うつ病への対策としてもそのまま当てはまります。
私たちの健康は、気の流れ、血の流れ、水の流れがスムースにいくことによって保たれています。これらの流れのリズムに滞りが生じたとき、病気というものが発生します。つまり病気とは体のリズムがこわれた状態といえます。
私たちの脳内には、体内時計が埋め込まれており、正確な時を刻んでいます。この時計が狂ってしまうとうつ病などのこころの病気が出現するといわれています。
人間は、昼行性動物として、昼間活動し、夜暗くなったら眠るというリズムのなかで生活していました。しかしエジソンの電気の発明により、夜になっても人は眠らなくなりました。また現代のIT化により、私たちの生活は24時間緊張を強いられ休まるときがありません。インターネットの普及により子供たちは夜眠らず、一生顔を会わすことのない人たちとのチャットに夢中になっています。
こうした状況のなかで、私たちの体内時計は大きく狂いだし、自律神経の調節もきかなくなり、うつ病が私たちの背後に大きく忍びよってきています。
現在全国で500万人の人がうつで苦しんでいます。私たちが一生の間にうつ病にかかる確率は23パーセントといわれています。うつ病は、とてもありふれた病気であり、誰にでもかかる可能性のある病気なのです。
今回は睡眠とメラトニンの関係およびメラトニン自体がもたらすアンチエイジング効果について述べる。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬は脳が疲れて眠くなるような仕組みで働きます。抗不安薬と同じ仲間で抗不安作用や筋弛緩作用もあるものもあります。作用時間(半減期)は数時間のものから数日のものまであり 前述の4タイプの不眠に対して使い分けられております。長時間作用するものはお薬の効果が翌日に持ち越し筋弛緩作用により転倒などの危険性があります。メラトニン受容体作動薬はメラトニンにより夜になると眠くなるような作用で働きます。副作用が少なく軽症の不眠症に適しておりますが抗不安作用がないため不眠に対して不安の強い人には効きませんし1週間以上続けないと効果が出ませんので不眠時のみ頓服で使うには適しません。
実はこの不眠症状には、セロトニンやメラトニンと呼ばれるホルモンが大きく関わっていることが分かっています。 ..
ここからはメラトニンの主なはたらきである生体リズムの調整機能、催眠作用、抗酸化作用について解説していきます。
したがって、外界が暗くなったときに、N-acetyltransferaseが活性化されて、メラトニンができるのである(図1、図2)。 ..
一般的に起立性調節障害では自律神経のバランスが乱れることに起因して、ノルアドレナリンやアドレナリン、セロトニンなどの分泌異常が起きると言われているため、ひいてはメラトニンの分泌にも異常が生じてしまうのです。
抗うつ薬とは、うつ病・うつ状態を改善させる効果をもつ薬剤である。 ..
気分障害の中でも、季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder)は生体リズムの異常に関連した疾患で、欧米ではうつ病患者の10~30パーセントが季節性をもつとの報告がある。日本では53の大学附属病院の精神科外来を受診した患者さんを調査した結果によると、うつ病患者の1~3パーセントが季節性をもち、東北や北海道といった緯度の高い地域に多いことが報告されている。これは、緯度の高い地域では天候が良くない日が続くため、日長時間、日照時間が短くなることが大きな原因と考えられる。白夜が存在する北欧では、この傾向はさらに顕著である。
この疾患は、10月頃より調子が悪くなり、気分の落ち込み、焦燥感、意欲減退、過眠、食欲増進、体重増加、炭水化物や甘いものがほしくなるなどを主訴とし、春先には症状が改善される特徴がある。