抗菌薬ジェナニックとクラビットの違いを、薬剤師ライター・加藤哲也氏が解説。クラビットよりジェニナックのほうが細菌作用は強いといえます。
微生物が産生し、細菌の増殖や機能を阻害する物質の総称です。ペニシリンは青カビから作られた世界で最初の抗生物質です。それに対して、人間によって化学的に合成された薬を抗菌薬と呼びます。どちらも細菌の感染を抑える点では同義語といえます。
抗生物質は、構造や特徴によってペニシリン系、セフェム系、マクロライド系、アミノグリコシド系、キノロン系などいくつかの系統に分類されます。治療の標的細菌により適切な抗生物質を選びます。
クラリス®200mg錠(クラリスロマイシン)1回1錠 1日2回併用
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。
クラリスロマイシンはクラリスの成分名(一般名)です。 エリスロマイシンと同じマクロライド系の抗生物質です。
一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。
<制酸薬との服用間隔によるニューキノロン系抗菌薬のバイオアベイラビリティの変化>[文献 1-2]
レボフロキサシンに関するデータはないが、制酸薬との併用による他のニューキノロン系抗菌薬の相対的バイオアベイラビリティの変動を図1に示す。ニューキノロン系抗菌薬の投与時間を0 時間とし、制酸薬の投与をずらして相対的バイオアベイラビリティを調べた結果、ニューキノロン系抗菌薬の服用3~6時間前、服用2時間後までは、制酸薬の併用を避けるべきであることが示唆された。
クラビット錠500mg(一般名:レボフロキサシン水和物錠) ..
効きません。
抗生物質は細菌を殺す薬です。新型コロナウイルスなどのウイルスは、抗生物質で退治できません。ただし、新型コロナウイルスやウイルスが原因の風邪にかかったとき、抗生物質が処方される場合もあります。それは、ウイルス感染をきっかけに、細菌が原因となる炎症がおきる可能性が高いためです。
ジスロマック、フロモックス、クラビットを効率よく効かせる方法はそれぞれ違います ジスロマックやクラビットは濃度依存性があります。つまり投与回数を分けるより1回にしたほうが効果的です。
今回、上気道感染のため抗菌薬としてクラリシッド(クラリスロマイシン)が処方された。
・腸内細菌への影響
ヒトの腸内には約3万種の腸内細菌が生息していると言われています。それらは悪玉菌、善玉菌、日和見菌に分類でき、バランスを取りながらある種の生態系を形成し、病気や老化から体を守っています。抗生物質の服用によりそのバランスがくずれたり、腸内フローラが死滅してしまったりすることで有害な作用を引き起こします。なかでも移植患者さんの場合は、長引く下痢には注意が必要です。思った以上の脱水が伴うことで、免疫抑制剤の血中濃度が不安定になったり、腎臓への負担を大きくしたりします。
レボフロキサシンはニューキノロン系(NQ)に属する抗菌剤です。NQは幅広い抗菌スペクトルをもちますが、近年その耐性化が深刻になっています。NQ は薬剤と菌が接する時間を長くするよりも、菌と接する薬剤の濃度を高くする方が、耐性菌の発生を抑え、殺菌作用が増強することがわかってきました。この理論に基づき1日1回高用量を処方する方法が一般化しています。一方、レボフロキサシンは腎排泄率が約80%で、腎機能が低下している患者では、半減期が大 幅に伸び、クレアチニンクリアランス(Ccr)20mL/分以下ではCcr80mL/分以上の約4倍で、血中濃度が長期間上がり続けるので注意が必要です。
当副作用モニターには、本剤に関して、今年度32件の報告が寄せられました。高用量製剤の発売直後という時期でもあり、うち高用量1回投与による副作用 は15件でした。
まとめ ニューキノロン系抗菌薬と制酸薬との併用で、ニューキノロン系抗菌薬の吸収が低下!
80歳を超える高齢者では、腎機能が成人の1/3~1/2に低下しています。そのため、クラビット100mg錠の常用量は1日2~3錠ですが、1日1錠でも過量投与になる可能性があります。
また、クラビット錠のようなニューキノロン類は、GABA抑制を阻害する作用をもつので、単独でも痙攣を起こすことがあります。症例2のようにニューキノロン類とNSAIDs(非ステロイド抗炎症剤)を併用すると痙攣の危険は高くなります。
これらの症例は服用開始後数日で副作用が発現していることから、蓄積によるものと考えることができます。高齢者では、副作用の頻度が高いことを考慮し、副作用に気を配りましょう。
クラリスロマイシン錠200mg「NIG」[一般感染症・非結核性抗酸菌症]
服薬指導には共通した注意事項があります。ジェニナックとクラビットはどちらも脳内に移行する薬として、中枢神経系副作用である意識障害、めまいが起こる可能性があるとされています。処方された患者さんには、車の運転、機械の操作に注意を促す必要があるでしょう。また、けいれんを誘発する可能性があるので、けいれん発作経験者やてんかん患者さんには誘発の危険性を説明しなければいけません。
抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
症状が良くなったら、そこで抗生物質を止めてしまう人は少なくありません。しかし、こうしたです。
「次の時のため」と、残った抗生物質を置いておく人も少なくありません。しかし、似た症状の感染症であっても、原因の菌が異なれば使うべき抗生物質も変わります。前回と同じ抗生物質が適しているとは限りません。
・クラビット、ジェニナックなど(ニューキノロン系抗菌剤)のほとんど :動物 ..
『クラビット』などのニューキノロン系の抗生物質は、濃度依存性に抗菌力を発揮します。
つまり、安全な範囲内でできるだけ薬物血中濃度を高めた方が効果的です。そのため、通常は1日1回、1日量を1回にまとめて服用します3)。
何のお薬?用法・用量は? 処方監査のポイント; 服用時の注意 ..
・クラビット、ジェニナックなど(ニューキノロン系抗菌剤)のほとんど
:動物実験で幼若動物に関節異常が認められたことから、小児(医薬品の年齢区分では「15歳未満」)は禁忌。トスフロキサシン(オゼックス)に限り小児適応あり。
[PDF] 【4】Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について
今後は細菌も進化していき、今ある抗生物質がまったく効かなくなる、という未来が考えられています。そんな危険性を減らすために私たちにできる対策は、最後までしっかりと飲み切ることです。
クラリス錠 200mg クラリスロマイシン 1 日 400mg
広域スペクトラムの抗菌薬であること、唯一緑膿菌に効果のある経口抗菌薬 であることから、病院内・外来の感染症診療において重要な抗菌薬であり、これ以上の耐性化が進まないように大切に使用すべきです。また、後述しますが、副作用・薬物相互作用が比較的多いこと、抗結核作用があることからも、乱用は避けるべき抗菌薬です(表4)。筆者の考える第1選択となりうる状況を表5にまとめました。以下、グラム陰性桿菌、グラム陽性球菌、嫌気性菌、その他、に対するフルオロキノロン系抗菌薬の効果と適応を説明していきます。
クラビット錠 250mg レボフロキサシン 1 日 500mg
クラビットの重大な副作用として、低血糖が報告されています。また、重篤ではないものの、眠気やぼんやり感が生じたりすることもあります。これらにともない、意識障害があらわれる可能性が否定できないため、クラビット服用中は自動車の運転など危険をともなう機械の操作には十分に注意してください。
クラリスロマイシン錠200mg「NP」; クラリスロマイシン; 200mg1錠
『サワシリン』などのβラクタム系の抗生物質は、時間依存性に抗菌力を発揮します。
つまり、できるだけ長い時間、一定の濃度(最小発育阻止濃度:MIC)以上の薬物血中濃度を維持した方が効果的です。そのため、通常は1日3~4回、1日量をできるだけ複数回に分けて服用します2)。
※時間依存性(time above MIC依存的)抗菌薬
『サワシリン』などのペニシリン系
『フロモックス(一般名:セフカペン)』などのセフェム系
『オラペネム(一般名:テビペネム)』などのカルバペネム系
[PDF] レボフロキサシン水和物 クラビット 錠 250 mg、500 mg
そして、殺菌・静菌作用や抗がん作用を持つ微生物が産生する成分やそれに似た構造を持つ成分を抗生物質と呼びます。クラリスロマイシンは病原性微生物に対して静菌作用があり、さらに微生物が産生する成分に似た構造を持っています。
グラム陰性菌用内服抗菌薬 ニューキノロン系:クラビット®(レボフロキサシン) ..
すでにクラミジアを治すのが難しいとされる抗生物質もあるため、ことが重要です。
なぜ抗生物質は飲みきらないといけないのか? | フラワー薬局通信
つまり、クラリスロマイシンは抗菌薬であり抗生物質でもあります。同じ抗菌薬でも、微生物が産生する抗生物質以外に全て人工的に合成する抗菌薬のことを化学療法薬と呼ぶこともあります。
総称名:クラビット; 一般名:レボフロキサシン水和物; 販売名:クラビット ..
マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。
クラビット点滴静注500mg/20mL; レボフロキサシン水和物; 500mg20mL1瓶 ..
FDA(米国食品医薬品局)は、レボフロキサシンを含むフルオロキノロン系抗菌薬について、アキレス腱や肩、手などの腱炎及び腱断裂の重篤症例が市販後継続的に報告されているとして、2008年に添付文書に警告として追記することを通告しました。日本では、09年のレボフロキサシン高用量製剤承認時に重大な副作用項目として注意喚起されましたが、用量依存性については明らかではないとされていました。
しかし、厚労省(PMDA)への副作用集積状況をみると、腱断裂は05~09年で5例でしたが、高用量製剤発売後の10~15年には21例報告されていました。クラビット点滴静注での報告も1例ありました。
腱障害が発現する仕組みは明確でないものの、「コラーゲン線維に対する毒性」と指摘されています。高リスク患者は、「60歳以上、ステロイド併用、腎不全、関節リウマチなどに伴う腱障害の既往のある患者」と言われています。PMDA報告例では、全26例中19例が60歳以上、11例がステロイド併用、4例が透析患者でした。本モニターの2症例は完全断裂には至らなかったケースでしたが、PMDAには投与終了数十日~数カ月後に腱断裂に至った例が報告されています。
腱の疼痛、浮腫などの炎症徴候、筋肉内出血といった先行症状が現れた時点で、投与を中止する必要があります。