尿路性器感染症 (Genitourinary tract infections)


(洛和会音羽病院ICU/CCU,感染症科,腎臓内科,総合診療科,トラベルクリニック)


尿路の細菌感染症を尿路感染症 (urinary tract infection;以下UTI)といい, 腎盂腎炎 ..

頻尿、排尿時痛、残尿感などの症状あり38度以上の発熱を伴います。起炎菌は大腸菌が多い原因としては前立腺肥大症などに伴う排尿困難により感染を併発することが多い治療はニューキノロン系の内服、ペニシリン系やセフェム系の注射などを行います。

クラミジア感染症で使われる薬剤の一つであるクラリスロマイシンを取り上げます。この抗菌剤は病原微生物の増殖に欠かせない細胞内の蛋白合成を阻害することによってその効果を発揮するわけです。この作用が胎児の発育時にも影響を及ぼすというわけで、妊娠中の胎児の器官形成期には特に注意が必要だというわけです。従って、妊娠または妊娠している可能性のある女性に使う場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にだけ投与するということになります。

・緑膿菌感染症(肺炎、尿路感染症など。長期投与が必要な場合は専門医に相談 ..

(洛和会音羽病院ICU/CCU,感染症科,腎臓内科,総合診療科,トラベルクリニック)

クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。

現在の医療環境はさまざまな耐性菌の出現により方針転換をせまられているが,尿路・性器感染症領域において

クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。

現病歴 ADL自立した50歳の女性。発熱,膿尿,排尿時痛,腰痛でER受診した。薬物アレルギーはないが,アトピー性皮膚炎と喘息の既往あり。
身体所見 体温38℃,心拍数90,呼吸数15,血圧120/50。全身状態:きつそう,頭頚部:正常,心臓:正常,胸部:呼吸音清,ラ音なし,腹部:平坦・軟,肝脾腫なし,CVA叩打痛あり。恥骨上部に圧痛軽度,四肢:冷汗なし。皮疹なし。
検査データ 白血球数12000,肝・腎機能・電解質問題なし,CRP4.5,尿一般:タンパク+,潜血+,糖-,白血球>100/HPA,細菌陽性,尿グラム染色でグラム陰性桿菌
入院後経過 急性腎盂腎炎の診断にて入院加療となり,セフトリアキソン2g×1で治療開始し2日で解熱したが4日目から再度発熱あり。また四肢・体幹部の紅丘疹も出現した。このとき全身状態はきつくないという。発熱39.6℃,心拍数68,腰部CVA叩打痛消失。尿所見は細菌陰性,白血球陽性。採血で白血球数11000,好酸球2%,CRP8.8

複雑性尿路感染症では、原因への介⼊が必要なことが多く、⼀般的には経静

一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。

クラリスロマイシンのヒトでの使用量は成人で通常一日400mg(200mg錠を一日二回内服)ですので、仮に体重50kgの女性で換算しますと、400÷50で8mg/kg/日となります。ヒトでの検討はできませんので、これを手元にある動物実験のデータでみてみましょう。


[PDF] 効能・効果,用法・用量,使用上の注意(案)及びその設定根拠

結石が尿管にカントンし腎臓に水がたまり炎症を併発する感染症です。糖尿病をお持ちの方やご高齢者などに多く38度以上の発熱、背部痛などの症状あり、すぐにショック状態に陥ることもある。場合によっては腎臓に貯まった水を尿管にカテーテルを挿入し貯まった水を排出し抗生剤による加療が必要です。

内服薬のCEXは、外来での皮膚軟部組織感染症や尿路感染症の治療に便利な薬剤です。 ..

下腹部および陰嚢と肛門の間の不快感、鈍痛および排尿時の違和感などの症状あり排尿時痛、頻尿、残尿感などの排尿症状もある。
肛門から指を入れて前立腺マッサージ後、前立腺液を採取し細菌性、非細菌性、前立腺痛(プロスタディニア)3タイプに分類される。慢性細菌性前立腺炎、非細菌性前立腺炎では、まず2週間~1ヶ月程度抗生物質を内服します。前立腺痛のなかにはいろいろ基礎的な病態が含まれている可能性があります。骨盤腔内のうっ血が原因と考えられる症例の場合には消炎鎮痛剤、植物製剤、漢方薬の内服治療が有効です。精神的要因の関与の強い症例では、場合によっては心療内科の受診をお勧めすることもあります。

妊婦の感染症は,性器感染症,尿路感染症,性感染症,呼吸器感染症などさまざまな ..

長期的に内服すると、耐性菌という抗菌薬が効きにくい菌が発現したり、赤血球・白血球・血小板が減少する可能性があります。クラリスを処方された場合は、決められた投与量をしっかり守って治療に当たりましょう。副作用のチェックのため、定期的に血液検査が必要になる場合もあります。

副鼻腔炎,気管支炎,肺炎・尿路感染症:無症候性細菌尿,膀胱炎,腎盂腎炎 ..

精巣の横の副睾丸(精巣上体)に尿の中の細菌が入り込み、そこで炎症を起こす病気が精巣上体炎です。前立腺肥大症、尿道狭窄、膀胱結石などの疾患があると、尿は汚れて細菌が増殖し、精巣上体炎を起こしやすくなります。高齢者に多く、大腸菌などの一般的な細菌が原因です。尿道炎の原因であるクラミジアや淋菌が精巣上体に至ることによって炎症を起こします。陰嚢痛み、38℃以上の発熱などの症状が認められます。ペニシリン系やセフェム系の注射、ニューキノロン系などの抗生剤の経口投与と、局所の安静、冷却を行います。

5-2 複雑性尿路感染症 / 多剤耐性菌が感染することもある ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 130

淋菌(neisseria gonorrhoeae)による感染症
ほとんど性交あるいは性交類似行為によって感染する。
近年オーラルセックスによる増加も認める。
潜伏期2~7日後に排尿時痛、尿道からの黄色調の膿流出を認める。
15~30%にクラミジアとの混合感染を認める。
治療は抗生剤点滴(セフトリアキソン、セフォシジム)抗生剤筋肉注射(スペクチノマイシン)などを行います。

膀胱炎などの尿路感染症で処方されることが多く、薬の副作用でMGの症状悪化を来 ..

クラミジア(Chlamydia trachomatis)による感染症
2002年をピークに減少傾向
淋菌同様性行為および性行為類似行為によって感染する。
潜伏期1~3週間で発症、淋菌と比較し症状は軽いまた女性は無症状のことが多い
精巣上体炎や前立腺炎として症状が発生することあり
治療はアジスロマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリン、レボフロキサシンな どの内服を行います。

妊婦さんはさまざまな理由により膀胱炎などの尿路感染を起こしやすく、急性 ..

妊婦さんに関することは、かかりつけの産婦人科に相談するのが基本ですが、状況によってはすぐに受診できなかったり、受診するほどでもないけれど心配で相談したいということもあるでしょう。当院は内科ですが、ときどき妊婦さんが受診されます。そんな方に役に立つように、妊婦さんのお薬の使用について、基本的な考え方を内科的な視点でまとめてみました。妊娠さんにおいて100%安全なお薬は無いわけですが、できるだけ危険や不安が少なくなればと思っています。
お薬の危険性を考えるにあたっては、もともとお薬とは無関係に全ての出産において先天的な異常が発生する危険があることを忘れないでください。問題はこのベースラインの危険に比べて、お薬がどの程度の危険度の上昇をもたらすかという点です。

クター・ピロリ感染症」に「クラリスロマイシン、アモキシシリン水和物及びラベプラゾ ..

それでは、妊娠成立の直前までクラリスロマイシンを内服していた場合はどうなるかを考えてみます。それには薬剤の体内からの排泄を考えなければなりません。クラリスロマイシンは投与後24時間までに30~50%が尿中に排泄されます。腎機能が正常であれば数日で代謝産物も含めて体内から消失するはずです。この場合は影響はないと考えてよいと思います。

Focus |7|尿路感染症 · Focus |8|皮膚軟部組織感染症,関節炎,骨髄炎 ..

妊娠4週つまり受精から2週間くらいの時期は、全か無かの法則が働くと言われます。この時期にお薬を服用して受精卵に大きな影響を与えた場合、受精卵は死んでしまう(全か無かの法則の全の方)ので、妊娠自体に気づきません。小さな影響を与えた場合、代償機能が働いて全く問題の無い発育ができる(全か無かの法則のうち無の方)とされています。
そのため受精から2週までの間にお薬を服用しても影響は少ないと考えられます。

泌尿器科からのケフラールの長期処方の処方意図は? 疾患名:尿路感染症

スボレキサントは CYP3A で代謝されることから、CYP3A を強く阻害するクラリシッド錠<クラリスロマイシン>は併用禁忌である。患者は、びまん性汎細気管支炎治療のためクラリスロマイシンを服用中であり、中止をすることができないことから、スボレキサントを他の眠剤へ変更することを医師に提案する。

そのため、どの膀胱炎でも、この膀胱が伸び縮みする際の痛み、膀胱粘膜の知覚過敏による頻尿や残尿感の症状が多いです。 ..

(1)薬剤熱を起こす薬剤が投与されている
(2)発熱しているが,全身状態が良好であることが多い
※アンホテリシンBや抗痙攣薬(フェニトイン,カルバマゼピン)による薬剤熱の場合,重症感がある
(3)薬剤中止48―72時間後で軽快する
(4)比較的徐脈(MEMO(1))や好酸球増多,肝機能障害がみられる場合には薬剤熱の可能性が高いが,これらの所見がなくても否定できない
(5)薬剤熱でもCRP上昇,白血球数上昇(左方移動を伴う)はよくみられる
(6)(当然ではあるが)血液培養陰性

医療用医薬品 : サワシリン (サワシリンカプセル125 他)

妊娠中や授乳中の場合にはクラリスを使用できないわけではありませんが、気軽に内服できるわけでもありません。妊娠中に高容量のクラリスを投与すると胎児に心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等の異常が生じる可能性があると動物実験にて報告されています。また、クラリスは母乳にも移行します。病気の種類に応じて、治療を行うメリットと治療を行わないデメリットを比較・検討し、担当医と十分に相談して治療に当たりましょう。

成人 ; <ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎>

「ベルソムラを処方された患者さんですが、呼吸器科からびまん性汎細気管支炎治療のためクラリシッドを服用中です。クラリシッドはベルソムラの肝代謝を強く阻害しますので、ベルソムラとクラリシッドは併用禁忌となっています。ベルソムラを御変更頂けないでしょうか?なお、他のベンゾジアゼピン系睡眠薬の多くはCYP3A4 で代謝されますので、少なからずクラリスロマイシンの影響を受けると予測されます。CYPを介さない睡眠薬としては、ロラメット(エバミール)<ロルメタゼパム>があります。」と疑義照会したところ、以下に処方変更となった。