漢方薬の飲み合わせについてはこちら▼の記事で詳しく解説しています。


風邪をひくと合わせて症状が出ることが多い病気で、アレルギー性鼻炎を持っているとかかることが多い症状です。ごくまれに、副鼻腔炎の炎症が目や脳に及び、視力の低下や意識障害の原因になることもあります。見過ごさず、できるだけ早く医師に見てもらうことをお勧めします。


ステロイド点鼻薬「アラミスト(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)」花粉症 ..

嗅覚障害、鼻閉、鼻茸、気管支喘息やアスピリン喘息も併発します。好酸球が鼻茸で増加するため、必要に応じて鼻茸を減量する手術が必要になることがあります。ただし、通常の副鼻腔炎のクラリスロマイシンなどは効果無く、内服ではステロイド剤のみ効果が見られます。好酸球性中耳炎も発症すると耳閉感や難聴も認めます。内服でコントロールが難しい場合は、専門的に適切な治療ができる病院へ紹介させて頂きます。


1.はじめに
くしゃみ、鼻汁、鼻閉、咳、喉の痛みや不快感、頭重盛、全身倦怠感などは、かぜ症候群および花粉症で共通して認められる症状であるので、治療の仕方に悩むことがある。
2.かぜとは
かぜ症候群とは一般に鼻腔・副鼻腔・口腔・咽頭・喉頭など上気道に対して急性に発症する炎症性疾患であり、喉の不快感、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、咳、頭痛、発熱、全身倦怠感など種々の症状を呈する。原因の80-90%はRhinovirus、Corona-virus、RSvirus、Influenza virus、Adenovirusなどのウイルス感染であり、残りは細菌やマイコプラズマ、クラミジアなどの微生物が原因となる。
かぜはこれらの微生物の、主として飛沫感染や汚染された手指による鼻粘膜への直接接触感染によって引き起こされるとされ、成人は年に2-4回、就学以前の小児は5-9回も罹患するといわれる。一般に感染後約10時間で症状が発現し、48時間後までは症状が増悪し、以後次第に軽快する。特にRhinovirus、Coronavirusなどによる普通の感冒は症状も軽く、自然に軽快することが多いことから、特に検査を必要とすることはほとんどない。したがって、日常診療では原因ウイルスを同定することもなく対症療法で症状の改善を待つことが一般的である。
表1 かぜ症候群における病原微生物の種類と特徴
種類 型 特徴
ライノウイルス(Rhinovirus) 100型以上 33℃で増殖、胃酸で不活化、普通感冒、鼻かぜの50%
コロナウイルス(Coronavirus) 2型以上 普通感冒、鼻かぜの15%
RSウイルス(RespiratorySyncytialVirus) 1型 感染性強い、小児の細気管支炎、肺炎、クループ
パラインフルエンザウイルス(ParainfluenzaVirus) 4型 クループ(1型、2型)、咽頭炎、細気管支炎(乳児3型)、肺炎・上気道炎
インフルエンザウイルス(InfluenzaVirus) A・B・C インフルエンザ、クループ、上気道炎、インフルエンザ肺炎
アデノウイルス(Adenovirus) 42型 高熱を伴う咽頭扁桃炎(3型)異型肺炎、咽頭結膜熱、急性扁桃、気管支炎、肺炎など
細菌 咽頭炎、扁桃炎、喉頭炎、気管支炎など
クラミジア(Chlamydia pneumoniae) 異型肺炎
マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae) マイコプラズマ肺炎
3.かぜ症候群を呈する原因微生物とその特徴
原因微生物として最も頻度の高いウイルスは、微生物の中でも最も小さな生物であり光学顕微鏡では確認できず、その形態観察には電子顕微鏡を用いることになる。またウイルスは細菌、抗酸菌などのように人工培地では増殖せず、生きた細胞での培養が必要である。感染時にはウイルスはまず宿主細胞表面へ固着し、その後細胞内に侵入し、宿主細胞の機能を利用してウイルス自身の核酸を複製して増殖したのち感染細胞から遊離する。宿主の生体側ではウイルス感染によって抗体が形成されることにより液性免疫が確立される。しかしかぜ症候群の原因となるウイルスは多種類にわたるため、ひとつのウイルスに対する免疫が確立しても他のウイルスに対する感染防御には至らないため、新たなかぜに罹患することとなる。Rhinovirusは代表的なウイルスであり、かぜ症候群の原因の約50%を占め、その種類は100以上もあるとされている。比較的5-7月と9-11月に多く発症し、その種類の多さから血清型の異なるタイプに1-2回も罹患することがある。感染経路は飛沫感染あるいは手指などを介した接触感染で、くしゃみ、鼻汁、鼻閉などの身症状を主体とするが、初期症状は咽頭痛であることが多い。感染からの発症やその経過は緩徐で、高熱や全身症状を伴うことは稀である。 Coronavirusも普通感冒の約15%を占め、飛沫感染で伝播する。潜伏期間は3日程度で、鼻汁・鼻閉が主症状であり、「鼻かぜ」といわれる。RSvirusは経口感染は少ないが、手指や生活用品に付着したウイルスにより感染することが多く、感染性が強い。1歳以下の小児では細気管支炎、喘息性気管支炎、クループなどを発症させ、軽度の発熱を伴う。Parainfluenza virusは1型-4型まであり、飛沫感染が主体で乳幼児や小児ではクループや細気管支炎と重症化することが多いが、成人では症状が比較的軽い場合が多いρ嘆声を伴う上気道炎が特徴的で、感染後に獲得する免疫は弱く、感染を反復する。Influenza virusはかぜ症候群の中で最も激烈で注意を必要とする。潜伏期間は1-2日と短く、突然38度以上の高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛を発症し、強い全身症状が特徴的であるが、鼻汁、咽頭痛、咳嗽なども伴う。感染力は強力で、学校や老人施設などで集団感染しやすい。高齢者、慢性呼吸器疾患患者、糖尿病患者が罹患すると、肺炎や脳炎に進展・重症化することがあり、また乳幼児では突然の痙攣や意識障害をきたす致死的な脳症を合併する危険性もある。しかし最近では迅速な検査で診断が可能となっており、またさらにInfluenza virusに選択的な効果を示す治療薬(リレンザ、タミフル)も臨床使用されるなど、長足の進歩を遂げている。かぜ症候群を呈する微生物の残りはクラミジア、マイコプラズマ、一般細菌などであり、扁桃炎、喉頭炎、中耳炎、気管支炎、肺炎、気管支喘息などの症状を示すこともあるが、多くは急性上気道炎症状を呈する。
4.かぜ症候群の治療
かぜ症候群に対しては、安静と十分な睡眠により生体の防御反応を高め、早期回復と合併症の発現防止を図ることが重要である。症状の改善を目的とした対症療法として、解熱鎮痛薬、鎮咳薬、気管支拡張薬、去痰薬などを用いることもあるが、安易な使用は控えるべきである。ただし、膿性痰などが著明で細菌感染が疑われる場合や高齢者あるいは慢性閉塞性肺疾患を合併している患者には抗菌剤の投与を考慮する。またインフルエンザに対しては、流行前におけるインフルエンザワクチンの接種とともに、罹患時には症状発現より48時間以内に抗インフルエンザ薬を投与開始することが有効とされている。
5.かぜ症候群の鑑別診断
かぜ症候群は日常診療で最も遭遇する機会が多い疾患であり、症状も多岐にわたる。咳や疾という一般的な症状のため単なる感冒と考えられても、2週間以上改善傾向が認められない場合には、下記の疾患との鑑別を考慮しなければならない。鑑別診断が必要となる疾患には肺炎(細菌性、マイコプラズマ、クラミジアなど)、肺結核、肺がん、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症などがある。
肺炎球菌、インフルエンザ菌、肺炎桿菌、ブドウ球菌などによる細菌性肺炎は発熱、咳、痰、胸痛など、かぜ症候群を疑わせる症状を呈するので、聴診、胸部X線所見などにより早期に診断し、適切な治療を開始することが重要である。マイコプラズマ肺炎は幼児、学童に多く、頑固に持続する乾性咳嗽を特徴とし、胸部X線所見での肺炎像、血清抗体価の上昇などにより診断が可能である。クラミジア肺炎は潜伏期間3-4週間で、飛沫感染にて小規模に広がる。遷延性の激しい乾性咳嗽を認め、発熱はあまり多くないが、咽頭痛、鼻汁などを伴い、胸部X線所見や血清抗体価の上昇などにより診断される。肺結核の初発症状は咳、痰、微熱であり、かぜ症候群と共通の症状を呈する。胸部X線所見や喀痰培養などにより診断される。肺がんも肺結核同様、初期症状は咳・痰であり、徐々に進行すると血痰や胸痛が発現するが、胸部X線や胸部CTで早期に発見できるか否かが予後を左右する。気管支喘息は気道における慢性のアレルギー性炎症に基づく疾患であり、発作性の咳、痰、喘鳴、呼吸困難などの症状が認められる。これらの症状は可逆性の気道狭窄により起こることから、呼吸機能検査、気道過敏性検査、さらには血液検査(血液中好酸球数、血中IgEなど)により診断される。
一方、これらの呼吸器疾患以外に、アレルギー性鼻炎も挙げられ、くしゃみ、鼻汁、鼻閉を主症状とする。アレルギー性鼻炎はハウスダスト、ダニ、花粉、カビなどが抗原となるアレルギー性疾患であり、特に種々の花粉による季節性のアレルギー性鼻炎を花粉症と分類している。
6.花粉症とは
花粉症は上気道粘膜や眼球結膜における・型アレルギー性疾患で、通常はくしゃみ、鼻汁、鼻閉などとともに眼の掻痒を主徴とする。すべての花粉が花粉症を起こしうるが、主な原因となる花粉はスギ・ヒノキ科、ヤシャブキ、ハンノキなどカバノキ科、カモガヤなどイネ科、ブタクサ、ヨモギなどキク科などの植物で、飛散期の花粉数の増加が著しく、大きな問題となっている。
7.花粉症のメカニズム
花粉症は吸入抗原である花粉に繰り返し曝露されることで、アレルギー体質の人では抗原特異的IgE抗体の産生能が高まり、そのIgE抗体が標的臓器である鼻粘膜や眼結膜の肥満細胞や好塩基球に数多く固着するようになるといわゆる感作が成立する。そしてその後再び空気中の抗原に接すると、局所の好塩基球や肥満細胞上に固着したIgE抗体と反応して抗原抗体反応が起こり、脱顆粒を惹起しケミカルメディエーター(ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質)を遊離させ、標的臓器である鼻粘膜や眼結膜が刺激されアレルギー反応、すなわちくしゃみ、鼻汁、鼻閉というアレルギー性鼻炎の3主徴とともに眠症状が発現する。くしゃみと鼻汁の発現にはヒスタミンが大きく関与している。遊離されたヒスタミンは三叉神経末端のヒスタミン1(H1)レセプターに結合し、求心性インパルスを脳幹のくしゃみ反射中枢に送る。遠心性インパルスは脊髄神経、舌咽神経、迷走神経、顔面神経に伝わり異常呼吸運動としてのくしゃみを生じる。一方、三叉神経末端からの刺激では主にアセチルコリンが伝達物質となり鼻腺細胞のムスカリン様レセプターを刺激して鼻汁の分泌を惹起する。鼻閉はヒスタミンよりむしろロイコトリエンが直接鼻粘膜の血管系に作用し、うっ血や血管透過性亢進による浮腫を生じ、粘膜腫脹をきたすために惹起される。そのほか、かゆみはヒスタミンによる刺激が原因と考えられている。さらに短期間に大量のアレルゲンに曝露される花粉症では倦怠感や熱感などの全身症状が認められることがあり、これらはサブスタンスPが関与する神経原性炎症によると考えられている。アレルギー性鼻炎は化学伝達物質であるヒスタミンによる即時型反応に引き続き、浸潤した好酸球などが関与する遅発型反応が発現すると考えられている。一方花粉症においては、花粉の飛散量が大量になるときには即時型と遅発型が同時に生じるようになるため、アレルギー性炎症に起因する症状を治療・制御することはかなり難しくなるものと考えられている。花粉症のなかで最も罹患患者が多く、さらに増加傾向にあるスギ花粉症はその発症時期が冬季-早春であり、一般にかぜ症候群などの感冒流行期とオーバーラップする。さらに症状としてはくしゃみ、鼻汁、頭重感など一般の感冒症状と類似の症状を主体に呈することから、花粉症か否かの診断は治療を行う上で極めて重要である。
8.花粉症の診断
診断としてはまず問診で、症状の好発時期と花粉飛散時期の関係、鼻症状発現時の鼻以外の併発症状の有無などをチェックする。次に鼻腔所見として、花粉飛散初期には発赤腫脹と水性鼻汁が、飛散最盛期には蒼白浮腫状腫脹と粘性鼻漏が見られるが、非飛散時期には正常化することが知られている。また検査の中で最も重要なものは鼻汁中好酸球検査である。好酸球検査は鼻をかむなどして鼻汁を採取し、好酸球を染色後検鏡する方法であり、簡便法では数分で実施できる。検鏡により好酸球を認めればアレルギー性疾患が強く疑われることから、花粉症の診断には必須である。それ以外の検査として、皮膚テスト、総IgE検査、抗原特異的IgE抗体検査、ヒスタミン遊離試験、抗原誘発試験などがある。特に特異的抗原IgE抗体検査は抗原を特定する上で有用であり、スギをはじめとする種々の花粉のほか、ダニ、ハウスダスト、動物上皮、真菌など抗原としてアレルギー反応を引き起こす原因物質の特定に広く実施されている。花粉症=身症状+眼のかゆみという定型的症状を呈さない場合、すなわち眼症状を伴わない場合や咳が激しい場合など、多様な患者が存在することから、問診、鼻腔所見および検査結果を組み合わせることにより、総合的に診断することが極めて重要である。すなわち花粉飛散期と症状発現時期が重複すること、鼻腔の異常所見が認められること、鼻汁中に好酸球数増多が認められること、などが花粉症を疑う決め手となる。しかし、患者が花粉症を疑って外来を受診する際、耳鼻科以外に内科、眼科、小児科等を受診することもあり、鼻腔所見や鼻汁中好酸球検査が実施されないなど、前述の決め手が整っていない場合も現実には少なくない。
9.花粉症の症状
花粉症の症状について、宇佐神がスギ花粉症単独感作例100例を対象に詳細な解析をした結果、鼻・眼症状95-100%、咽喉頭症状85%、口腔症状66%、耳症状52%、気管支症状35%、胃腸症状26%、そのほか、倦怠感・易疲労感など66%、頭痛・頭重盛など63%、発熱・熱感など46%、皮膚掻痛感26%、眩暈24%、動悸7%、気が滅入る7%など、全身性の症状が発現することを報告している。これらの症状の多くは大なり小なりかぜ症候群の症状と似通っているのでしばしば混同される場合がある。さらに花粉症の症状の一つとして咳・痰などの気管支の症状も発現する一方において、花粉によるアレルギー性疾患として狭義の花粉喘息の存在も報告されており、花粉飛散期の喘息症状の悪化についても留意する必要がある。
10.花粉症の治療
花粉症の治療は、患者指導、花粉曝露回避と除去、薬物療法、免疫療法ならびに手術療法に大別される。患者指導は薬物療法の内容を選択・決定するに至る経過を理解してもらうことから始まる。薬物の効果・眠気などの副作用には個人差があるため、適切な薬物療法を選択するには試行錯誤が必要であることを説明、理解してもらった後、薬剤を選択、投与期間等を決める。さらに患者の希望によっては免疫療法・手術療法などの長所・短所を説明する。花粉症の最も有効な治療法は花粉曝露回避であることはいうまでもない。花粉の中でもカモガヤ、イネ科、ヨモギなどの花粉は飛散範囲が比較的限定されるが、スギは飛散量が大量で、また飛散距離も広範囲にわたることから、回避することは極めて困難である。しかも鼻・眠症状は鼻粘膜あるいは眼結膜に付着する花粉量に左右されるため、花粉症グッズなどで回避する努力を続ける必要がある。薬物療法として、鼻アレルギー診療ガイドラインでは重症度に応じた治療法の選択基準を示している。花粉症治療において重要なことは重症、最重症の症状が出現する前に治療を開始することである。特にスギ花粉症の場合には、花粉飛散開始日を基準として、それより2週間程度前から抗アレルギー薬投与を開始する予防的投与あるいは花粉飛散開始日に拘らず、花粉飛散初期で、症状発現の初期に治療を開始する初期療法が行われている。予防的投与および初期療法における薬剤選択に際しては、個々の抗アレルギー薬の特徴(抗ヒスタミン剤はくしゃみ、鼻汁など、抗ロイコトリエン剤は鼻閉など)を理解するとともに、症状の程度および職業などの患者側因子も勘案することが必要である。さらに重症、最重症症例においては、大量飛散期においても良好なQOLを維持できるように、複数の薬剤(経口抗ヒスタミン剤とその点鼻・点眼薬、経口抗アレルギー剤とその点鼻・点眼薬、経口ステロイド薬とその点鼻・点眼薬など)を併用し、上手に組み合わせて使用することも重要である。
表 かぜと花粉症の類似点・相違点
原因 ウイルス・微生物 花粉
好発時期 有(乾燥した冬場) 有(花粉飛散期)
潜伏期間 有 無
症状
くしゃみ 有 有
鼻汁 有 有(水様性-粘性)
鼻閉 有 有
頭痛・頭重 有 有
咽頭痛 有 時に有
倦怠感 有 時に有
咳 有 時に有
痰 時に有 時に有
熱感・発熱 微熱-高熱 平熱-熱感
鼻出血 無 時に有
腹痛 時に有 無
下痢 時に有 無
関節痛 時に有 無
目のかゆみ 無 有
耳のかゆみ 無 時に有
皮膚のかゆみ 無 時に有
検査
鼻汁中好酸球 正常 増多
血清IgE 正常 高
抗原特異的IgE抗体 陰性*1 陽性
白血球増多 無-軽度有 無
CRP上昇 無-軽度有 無
赤(血)沈 無-軽度有 無
胸部X線 正常 正常
治療
経ロステロイド薬 無効-有効 有効
ステロイド点鼻剤 無効-有効 有効*2
経口抗アレルギー薬 無効 有効
抗アレルギー点鼻薬 無効 有効*2
経口抗ヒスタミン薬 有効 有効
抗ヒスタミン点鼻薬 有効 有効*2
血管収縮性点鼻薬 時に有効 有効*
*1:アレルギー体質の人の場合には陽性を示すこともある
*2:点眼剤も有効
11.かぜと花粉症の類似点・相違点
以上のように、かぜ症候群と花粉症はその原因・病態など、全く異なる疾患であるが、症状には前述のごとく共通するものが数多く見られるので、その類似点と相違点をきちんと把握することは適切な治療を行う上で重要である。しかし実地診療においては、検査結果入手後に診断を下す時間的余裕がない場合も多いため、十分な問診と客観的に症状を注意深く観察することにより、かぜと鑑別することが可能である。
12.終わりに
かぜは発病から回復までの経過が比較的短期間であることから、症状が2週間以上持続する場合には花粉症をはじめ、他の疾患の可能性も考慮した診断・治療が必要である。また花粉症は近年発症年齢の低年齢化、存症率の増加、罹患年数の長さや大量曝露の繰り返しによる症状の重症化などが問題となっており、花粉症が患者のQOLを著しく損なうことが多くなってきているので、その治療・予防の必要性が指摘されている。いずれの疾患においても患者が自己判断で購入した市販薬で対処している場合が少なくないことから、きちんとした診断と治療の必要性を啓発してゆくことが今後ますます重要となるものと考えられる。

タグ : クラリスロマイシン マクロライド 副鼻腔炎 少量長期投与 作成者 : 院長 ..

鼻の奥にある副鼻腔という空洞に細菌やウイルスが感染して慢性の炎症をおこして症状がでます。白血球の一種である好酸球という細胞が活発に働いて慢性の炎症をおこして症状が出る場合もあります。風邪をひいた後の鼻症状を長く放置するとおこりやすいです。

【かぜ症候群における抗菌薬の適応】
●ウイルス性上気道炎(かぜ症候群)は基本的に抗菌薬の適応ではない。しかし、ウイルスの上気道粘膜への先行感染が細菌感染症を続発することがある。また、A群溶連菌による咽頭炎は突然の発熱(高熱)、咽頭痛などで発症し、学校や家庭などで集団発生をみることも多い。明確な細菌感染を疑わせる臨床症状、所見をみた場合には適正に抗菌薬を用いる。
●抗菌薬の適応となる患者の症状、所見
1.高熱の持続(3日間以上)
2.膿性の喀痰、鼻汁
3.扁桃腫大と膿栓・白苔付着
4.中耳炎・副鼻腔炎の合併
5.強い炎症反応(白血球増多、CRP陽性、赤沈値の亢進)
6.ハイリスク患者
●抗菌薬の種類と用法・用量
経口抗菌薬
β-ラクタム系薬、マクロライド系薬共に、耐性菌の増加を考慮して、最大投薬量を短期間(3日間を限度)で投与する。

クラリスロマイシン(CAM):200mg×2回/日、3日間内服
アモキシシリン(AMPC):250~500mg×3回/日、3日間内服
次の薬剤を選択することも出来る
レボフロキサシン(LVFX):100~200mg×2回/日、3日間内服
無効の場合の判定を投与開始2~3日目には行うようにし、再来院においても患者を十分指導する。
●急性上気道炎における抗菌薬選択の基礎知識
1.β-ラクタム系薬は同一用量の注射薬での投与に比べて経口薬での血中濃度や組織移行濃度は十~数十倍低い。特に、第3世代セフェム構造の経口ニューセフェム系薬には気道への移行性が低いものが多く、エンペリックに低用量で用いるのは望ましくない。
2.β-ラクタム系薬の気道病巣への移行は、炎症の急性期には比較的良いが、炎症の消退に伴って、濃度移行が低下する。
3.マクロライド系、テトラサイクリン系経口薬の気道病巣中移行濃度は、血中濃度と同等かむしろ高い組織移行性濃度を示すものがある。これらが有効でない場合は、同様に気道病巣中移行の良いニューキノロン系薬の適応と考える。
4.急性呼吸器感染症の代表的な原因菌にペニシリン系薬、セフェム系薬、マクロライド系薬への急速な耐性化がみられる。ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などのβ-ラクタマーゼによらない耐性菌の激増がみられ、またモラクセラ・カタラーリスでも、ペニシリン高度耐性株が急増している。
●高齢患者での抗菌薬投与の注意
1.高齢者の場合、肝・腎などの抗菌薬代謝機能低下の可能性を考慮して、投与量を減らすのが基本である。小児からの原因菌伝播が考えられる時には耐性菌である可能性がきわめて高くなるので、小児との同居や接触の病歴も、薬剤選択や投与量設定に重要な情報となる。
2.高齢者や免疫不全患者では、急性上気道炎に伴う2次性細菌感染症が起こり易いので、ポピヨンヨードなどでのうがいを徹底する。また、症状が重篤な場合には最初から抗菌薬の予防内服を認めるものとする。

トシル酸スルタミシリン(SBTPC)375mg×3回/日、3日間内服
(日本呼吸器学会「呼吸器感染症に関するガイドライン」成人気道感染症診療の基本的考え方、2003,一部改変)

花粉症や感染症による鼻風邪などによって、細菌やウイルスが鼻から副鼻腔に ..

これらの報告結果と昨今の薬剤耐性(:対策からの抗生剤の適正使用の観点から、急性副鼻腔炎に対する抗生剤の使用は可能な限り制限するようにというのが世界的に同意を得た治療方針です。もちろん、重症細菌感染症へ移行しては困りますので、適切な抗生剤使用は時に必要です。ただ、小児の急性副鼻腔炎においては、最も重い合併症である頭蓋内感染の原因が主として薬剤耐性菌であるというデータもあり、これは抗生剤の不適正使用が最重症細菌感染症を招いてしまうという皮肉な結果ですので、抗生剤を漫然と使用することのリスクを示しています。

細菌やウイルスが原因で副鼻腔に炎症が生じている状態です。アレルギー性鼻炎や花粉症を未治療で放置した場合にもなってしまう場合があります。

クラリスロマイシン花粉症について | 医師に聞けるQ&Aサイト

耳鼻科領域を超えての問題は看過できないレベルまで来ており、このまま抗生剤の乱用が続けば年には薬剤耐性菌の感染症で亡くなる人数が癌で亡くなる人数を上回るという試算もあり、世界的に取り込む喫緊の課題であるのは事実です。ですので、抗生剤の漫然とした処方は避けなければなりませんが、慢性の副鼻腔炎や小児に多い慢性の滲出性中耳炎にはクラリスロマイシンやエリスロマイシンといったマクロライド系抗生物質(薬)という細菌の増殖を抑える抗生剤を少ない量で長期間内服するのが有効なのも事実です。ただ、いくら長期とはいえ、さすがに延々と飲み続けるわけにもいきません。過去の報告で週続けてもヶ月続けても効果が同等であったということから、従来ヶ月での効果判定が推奨されてきました。有効であればヶ月までの内服継続は検討されますが、の観点からも効果がない場合は治療方針の転換が必要で、手術療法(鼻の内視鏡手術、小児であれば鼻の奥の扁桃腺であるアデノイドの切除)も選択肢の一つに上がると考えます。

風邪予防の10箇条
日常生活における諸注意
1. バランスのよい食事をさせましょう。
2. 十分な睡眠をとらせましょう。
3. 日頃から運動などで体をきたえさせましょう。
4. 極端な厚着や薄着に気をつけましょう。
5. 人ごみの中(デパート、乗り物など)につれていかないようにしましょう。
6. 帰宅したらうがいをさせましょう。
7. 手洗いの習慣をつけましょう。
8. こまめに部屋のそうじをしましょう。
9. 外出する時にはマスクをさせましょう。
0. 予防接種を受けさせましょう。

・お菜の飲ませ方
●粉薬は
そのままで飲みにくい場合は、冷水、牛乳、オレンジジュース、スポーツドリンクなどに溶かしたり、懸濁(けんだく:まぜること)して飲ませると、抵抗が少ないようです。(薬剤によっては効果が薄れる場合がありますので、医師の指示を受けて下さい。)
●水薬は
冷蔵庫に保管して下さい。また、2週間以上たった薬は、残っていても飲ませないで捨てて、新しいお薬をもらうようにしましょう。(効果が薄れるばかりでなく、害がある場合があります。)

幼小児をもつ母親のためのかぜの管理Q&A
幼小児とかぜについて
かぜとは、かぜの原因となるウイルスの感染によって、鼻やのどに炎症がおこり、くしゃみ、鼻みず、せき、たん、発熱などの症状がみられる病気です。昔から、かぜは万病のもとと言われており、時には重病にいたることがありますので、早期治療はもちろんのこと、かぜにかからないように日頃からの予防が重要です。特に冬は空気が乾燥してのどを傷めやすく室内外の温度差も激しいためかぜには充分注意が必要です。また、一般に、幼少児はおとなにくらべて環境に対する適応能力が低く、免疫力が弱いため、かぜをひきやすいのです。ここでは、「かぜ」に対する一般的な疑問にお答えし、併せて予防のポイントをまとめてあります。お子さまが「ちょっとおかしい」と思われたら、お早めにご相談ください。

Q: かぜのときには、入浴させてはいけないのでしょうか?
A: かぜの程度によって、良いときと悪いときがあります。
かぜのひきはじめに風呂に入ると、体がよく暖まって、発汗が高まり、軽いさむけ(悪寒)などもとれて、翌朝には治ってしまうこともあります。しかし、一般的には、体力を消耗し、気道の炎症を強めてしまうこともあり、熱がなくても特に気管支炎をおこしているような時には、せきやたんが増えますので、入浴させないほうが無難です。病気がちなお子さんや、熱が2-3日も続いているようなときは厳禁といえるでしょう。また、髪を洗うと、湯ざめしやすくなりますので、なるべく洗うのはひかえ、どうしてもという時には、タオルでよくふいて、ドライヤーではやく乾かしてあげましょう。

Q: みかんを食べるとかぜによいというのは本当ですか?
A: ドイツではかぜをひくと、暖かいオレンジジュースをたくさん飲むという民間療法があり、事実、かぜにきく漢方薬lこ「みかんの皮」をほしたものもあります。みかんにはビタミンCが大玉に含まれており、アメリカのポーリング博士によると、大量のビタミンC(1~2グラム)をとればかぜは予防でき、ひいても、軽くすむということです。ビタミンCは、体の抵抗力を高める働きがあり、発熱時には不足しがちですので、つとめてとるように心がけましょう。

Q: 大人と同じ薬を飲ませても平気でしょうか?
A: 一般に薬の量は多くても少なくてもいけません。有効な量は年齢や体重にもとづいて決まります。ですから、大人と同じ薬事ではなく、市販のものであれば、小児用のものを飲ませるようにしましょう。また、処方薬であれば、医師・薬剤師の指示に従って、忘れずに飲ませましょう。

Q: マスクをかけさせるとかぜの予防になりますか?
A: かぜの原因となるウイルスは、マスクのあみめよりも小さく、マスクでウイルスの侵入を防ぐことはできません。しかし、外出の際にマスクをしていくと、ホコリや雑菌の侵入を防ぐことができます。また、マスクにより、鼻やのどに湿り気を与え、粘膜の荒れを防ぎ、ウイルスの働きをあさえることができます。また、はかの人にかぜをうつさないためのエチケットとしても、マスクの使用は重要です。いやがらずに、部屋の内外を問わずにつけさせるようにしましょう。


・花粉症 · ・副鼻腔炎(蓄膿症) · ・嗅覚障害 · ・後鼻漏 · ・鼻出血 · ・上咽頭炎 · ・風邪 ..

アレルギー性鼻炎治療薬アレグラ®(フェキソフェナジン)は眠気が少なく、自動車運転も制限されないが、白血球減少、好中球減少、の副作用があるため抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)との併用は避けたい。ディレグラ配合錠はフェキソフェナジンとプソイドエフェドリンの合剤での交感神経刺激作用を増強。長崎甲状腺クリニック大阪で勧める抗アレルギー薬はアレロック®(オロパタジン)、ジルテック®(セチリジン)、ザイザル®(レボセチリジン)。クラリチン®はの服薬可能。セレスタミン配合錠は副腎皮質ステロイド。

スギやヒノキによる季節性アレルギー性鼻炎、花粉症は特に多い疾患 ..

嗅覚は鼻腔の内側の天井にある(ニオイセンサーがある部位)にニオイの分子が到達すると、頭蓋内の前頭葉の嗅覚エリヤに情報が送られ、脳がニオイとして自覚します。その経路()のどこかに問題が生じると嗅覚低下となります。:鼻の中の形の異常や病変によって、ニオイの分子が嗅上皮に到達出来ずに起こるタイプです。原因は急性や慢性の鼻炎・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻ポリープや鼻中隔わん曲症などです。:嗅上皮の嗅細胞の障害で起こるものです。原因はウイルス性炎症(感冒)や慢性副鼻腔炎、薬物性(抗がん剤、有毒ガス)、加齢などです。特に60才以上の男性で増加傾向にあります。:頭蓋内の嗅覚伝導路に障害が及んで発生します。原因は主に頭部外傷や脳腫瘍で、程度は高度になり易いです。認知症パーキンソン病でも起こることがあります。

(副院長ブログ)。熊本の耳鼻咽喉科・アレルギー科・耳鼻科・レーザー治療・花粉症 ..

嗅覚は鼻腔の内側の天井にある(ニオイセンサーがある部位)にニオイの分子が到達すると、頭蓋内の前頭葉の嗅覚エリヤに情報が送られ、脳がニオイとして自覚します。その経路()のどこかに問題が生じると嗅覚低下となります。:鼻の中の形の異常や病変によって、ニオイの分子が嗅上皮に到達出来ずに起こるタイプです。原因は急性や慢性の鼻炎・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻ポリープや鼻中隔わん曲症などです。:嗅上皮の嗅細胞の障害で起こるものです。原因はウイルス性炎症(感冒)や慢性副鼻腔炎、薬物性(抗がん剤、有毒ガス)、加齢などです。特に60才以上の男性で増加傾向にあります。:頭蓋内の嗅覚伝導路に障害が及んで発生します。原因は主に頭部外傷や脳腫瘍で、程度は高度になり易いです。認知症パーキンソン病でも起こることがあります。嗅覚障害の治療を急ぐ必要はありませんが、、早めに医療機関を受診して下さい。特にです。発熱などの症状が無くても、新型コロナウイルスの抗原検査を受けて下さい

今回はスギ花粉症で平成31年2月18日に受診した。 所見:鼻、咽頭 ..

小青竜湯は、アレルギー性鼻炎による鼻水・鼻詰まりや、くしゃみや鼻水が主な症状である風邪の時に用いられる漢方薬です。特に、この漢方薬は眠気の副作用がなく、アレルギー症状を和らげる働きがあります。

[PDF] 花粉症があるとピロリ菌除菌不成功率が 1.5 倍に

薬物治療、鼻処置、ネブライザー治療等の保存的治療の効果は、一定期間後、副鼻腔のレントゲン撮影で判断します。画像診断で変化がなくても、自覚症状に改善が見られれば、効果があったと考えます。

シシリン 1500 ㎎、クラリスロマイシン 800 ㎎を 1 週間分)の処方箋を持ち来局した患者 356 名について、アン

アレルギー性鼻炎や花粉症でお悩みの方はぜひ一度YOJOの薬剤師にご相談ください。今服用中の薬との飲み合わせについてもお答えしています。

クラリスロマイシン錠 200mg 副鼻腔炎」143件 人気 ..

また症状について「風邪なのかコロナなのか分からず不安」に感じている人もいるでしょう。

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マクロライド療法は、鼻粘膜の腫れよりも、鼻漏や後鼻漏の量や性状に対して効果が優れており、特に鼻茸に対しては、有効性が低いとされています。 また、好酸球が原因の慢性副鼻腔炎()にはマクロライド療法は有効でなく、が有効です。

普通の風邪薬や抗生物質では効かず、百日咳対する治療(クラリスロマイシン)があります。 RSウイルス感染症

およそ7割程度の方が、匂いが弱くなったり無くなったりする「嗅覚障害」を自覚します。
その他にもよくある症状として、倦怠感、頭痛、寝苦しさ(睡眠障害)、歯痛、耳の痛みを3~9割の方が感じます。過去の研究では生活の質(QOL)8や、日々の生活の効率(仕事の生産性)9を低下させたりすることがわかっています。

しかも、抗生剤クラリス®/クラリスロマイシンと類似の化学構造のため、風邪 ..

しかしながら、エリスロマイシンは胃内(酸性条件)で不安定で、体内へ吸収されて効果を発揮するまでに分解されやすい有効成分でした。