肺MAC症に対しては、長期間の抗菌薬療法を中心とした治療を行います。 · クラリスロマイシン · リファンピシン · エタンブトール.


治療抗菌薬は通常を用いますが、重症例にはストレプトマイシン(SM)を用います。副作用に注意しながら通常一年半以上服薬しますが、終了しても再発を起こすことは少なくありません。非常に難治性感染症であります。この治療は経験のある呼吸器専門医に任せるのが良いでしょう。


播種性非結核性抗酸菌 (NTM) 感染症 | 日和見疾患の診断・治療

この病気は根治こそ難しいものの、自然に軽快する人や、経過観察だけで済んでいる人も珍しくありません。その一方で、自覚症状がないのに再発したり、重症化することもあるため、定期的な受診は決してやめないでください。
人にうつす心配がないので、日常の行動を制限する必要はありません。家に閉じこもらず毎日を楽しく活発に過ごすことが体力の維持につながり、治療への意欲も継続させます。
再発や重症化を減らすため、菌を繰り返し吸い込まないようにするのが望ましいとはいえ、生活環境中の感染リスクについてはわからないことが多いのも事実です。菌を恐れるあまり、ガーデニングや家庭菜園の楽しみを諦めるのは、人生にとって得策とは限りません。治療開始のタイミングを含め、「生きがい」と「病状」を考慮しつつ、信頼できる医師と相談しながら治療を進めることが重要です。気になるようであれば、土ぼこりの激しい日など、必要に応じてマスクをつけるのもよいでしょう。
完璧な対策はありませんが、浴室は換気扇を回したり、窓を開けたりして、しっかり乾燥させます。掃除の際にはなるべくマスクをつけ、菌が多いとされるシャワーヘッドやお湯の出口、排水口などは定期的に洗浄してぬめりや汚れを取り除き、清潔にすることを検討しましょう。これらは肺MAC症対策に限らず、衛生的に望ましいことです。家族の協力が得られるなら、浴室の掃除を交代制で行ってもいいかもしれません。

肺MAC症の罹患率(りかんりつ)は年々増加の傾向にあります。発生患者数も増加しており、特に要因を持たない中高年女性が発症する症例の報告が増加しています。

クラリスロマイシン耐性肺MAC症に対する新たな治療薬の開発 ..

この解説を書くにあたって「抗酸菌感染症の診断と治療-結核および類似疾患の鑑別と治療(大泉耕太郎編)」、独立行政法人 国立病院機構 大牟田病院のHP(非結核性抗酸菌症NTM)と「非結核性抗酸菌症-診療のポイント-(倉島 篤行監修)」を参考にしました。

もう1つ、非常に重要なのは体重を落とさないよう心がけることです。やせ方が激しい人ほど進行が速く、重症化しやすいことがわかっています。可能な範囲でしっかりと食べ、体型を維持します。食事制限は特にありません(ほかの病気は除く)。
また、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンも、接種しておいたほうが望ましいでしょう。
前述のように肺MAC症患者の性別や体型などに偏りがあることから、「なりやすい体質」について遺伝子レベルでの解明を目指す国際的な共同研究が始まっています。慶應大学を中心とした研究グループは肺MAC症患者と健常者のゲノム(遺伝情報)を解析・比較して、ある遺伝子の変異が発症リスクの高さと関連していることを明らかにしました。さらに研究が進めば、発症しやすい人や重症化しやすい人に狙いを絞った、よりきめ細かい治療や予防の方策が見つかることが期待されます。
治療の進歩に注目しつつ、「一病息災」のつもりで心にゆとりを持って人生を楽しみましょう。

ライター 平野 幸治

肺MAC症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

結核と異なり病原性は弱く人から人への感染性はないとされていますが、その反面、多くの抗菌薬に自然耐性を有しており薬が効きにくいのが特徴です。この点で緑膿菌、MRSAなどの耐性ブドウ球菌、セラチア、真菌(かび)などの日和見感染菌に似ています。
抗結核薬(RFP、EB、INH,SMなど)とCAM(クラリスロマイシン)を組み合わせて投与しますが、NTMの多くを占める肺MAC症の多くは治療抵抗性です。一方で排菌や咳、痰などの症状や胸部X線の異常陰影は持続するものの十数年から数十年の経過でほとんど悪化しない例も珍しくありません。したがって抗菌薬をあえて投与せず、漢方薬などで全身の免疫力を上げる治療や去痰薬などで局所の抵抗性を増す治療など対症的治療のみで経過をみる場合もあります。

体調が気になり病院に行った所、「非結核性抗酸菌症(肺MAC症)」・「気管支拡張症」と診断。
1年間病院で治療をしたが改善が見られないので、こちらにご相談に来られました。

症状としてはと。
咳に関してはとの事でした。

漢方の種類としては、

①菌を除去する粉薬
②免疫を上げる粉薬

の2種類の漢方薬を出させて頂きました。

、少し良いかなという感じはあるけどまだ咳が気になるとの事。
仕事場での咳がきついとの事でを追加させて頂きました。

定期検査のレントゲンを撮りに行った所との事。
症状的にも咳・痰共に改善してきました。

、咳も朝方少し出るか出ないかくらいまで減少。仕事中は出る事なく快適に過ごしているとおっしゃっていました。
肺を潤す作用のある煎じ薬も最初の頃の半分まで減らす事が出来ました。

、病院にレントゲンを撮りに行った所、ほとんどの影が消えていると言われたそうです。

、冬にさしかかると調子が悪いことが多いとおっしゃっていましたが、今年はそれがないとの事。
調子も良い状態が続いているとの事では今回のお薬で治療終了となりました。

、咳や痰もほとんど出ていないとの事。
調子良く過ごしている為、今回の漢方薬でとなりました。

最初にお越し頂いた時にはお話しの途中にも咳をされていましたが、治療終了時には咳をする所も全く見なくなりました。
気管支拡張症に関しては、一旦止めてみて様子を見ようという事にな経過観察中になります。

肺MAC症の治療には, 下にある3っつの薬を使います. (これは世界共通です)

浴室が感染源であると証明された症例も存在し、浴室は感染源の一つである考えられています。またMACは土壌から人への感染を示唆する研究結果が報告されています。すべてのひとが日常的にMACに暴露されているにも関わらず、発症するのは一部の症例に限られています。肺MAC症の発症には環境因子のみでは説明出来ず、宿主因子も重要と考えられます。感受性のある患者さんに対して生活環境中にある感染源に注意を促し、その対策を指導することは大切と考えられます。

非結核性肺抗酸菌症のうちマック菌が原因と診断されて、症状や肺の影が悪化してくる場合には薬による治療を行います。クラリスロマイシンと抗結核薬2種類を毎日内服し、少なくとも1年半(菌が培養されなくなってから1年間)続ける必要があります。


標準治療として、クラリスロマイシン、エタンブトール、リファンピシンの 3 剤併

2004年~2009年:発症、増悪、治療開始
2004年39歳の時にいつものように健康診断を受けました。後日、例年は結果が手紙で通知されるだけなのですが、今回は精密検査が必要という電話がかかってきました。すぐに病院を受診したところ「肺がんではないが非結核性抗酸菌症の疑いがある」と医師の話を聞き、初めて聞く病名に戸惑いましたし、当時は予後が良くない、治す薬がない、などと言われ、不安を持ちました。連日ネット検索をしましたが、情報も少ない状況でした。 こうした状況の中、A病院で気管支鏡検査等の結果、アビウム菌陽性(ガフキー8号)となり肺MAC(Mycobacterium avium complex)症と確定診断があったのが、2005年でしたが、当時は自覚症状がなかったため経過観察となり定期的にレントゲン検査や喀痰検査、血液検査をすることとなりました。 2007年42歳の時、体調を崩し咳・痰がひどく呼吸も苦しいことから予約外受診をして、クラリスロマイシンという抗菌薬を単剤で1日400mg/日飲み始めることとなりました。投薬により吐き気や下痢といった症状が続き、整腸剤と吐き気止めも併せて内服していました。7か月後の2008年2月には咳や痰は多少あったものの、レントゲンの結果、投薬効果が確認できたとして投薬終了と言われました。しかし、投薬終了に喜んだのも束の間、その5か月後の再診で数年分を数か月で悪化していると言われ、投薬再開となってしまいました。加えて、その半年後には「投薬に効果なし」とされクラリスロマイシンが倍量の800mg/日となりました。増量によって口中に苦みを感じるようにもなりました。なにより、再開や増量という展開に不安感が増しました。

この NTM 症の中でも肺 Mycobacterium avium complex(MAC)症はしばしば治療困難であり,長期間

治療を始めるかどうかは、病状や年齢、本人の希望などを判断材料に、患者と医師が話し合って決めます。いったん治療を始めると長期に及ぶので、治療の負担と「生活の質」のバランスを考える必要があるためです。症状的には①肺に空洞(組織の一部が崩れて穴があいた状態)がある、②血痰や喀血がある、③病変の範囲が広い――などが治療開始の目安になります。自覚症状がほとんどない人や、75歳以上の高齢者は経過観察でもよいとされています。
治療の基本は、です。通常はクラリスロマイシン(またはアジスロマイシン)、エタンブトール、リファンピシンの3種類を定期的に服用します。飲み忘れたりして服用が不規則になると、菌が耐性化し、治療が非常に難しくなってしまうことがあるため、欠かさず飲み続けることがとても大事です。
副作用には食欲低下、倦怠感、発疹、口内炎、味覚障害、下痢などがあり、症状が強く出た場合にはいったん治療を中断し、薬の変更や、少しずつ用量を増やすといった調節をします。エタンブトールでは、まれに視神経障害が起こり、視力が低下する恐れがあります。薬物治療中は定期的に眼科の診察を受けるようにしましょう。
治療効果が不十分な場合には、やによって別の抗生物質を追加します。昨年承認された吸入薬(一般名アミカシン)は、専用の機器を使って1日1回自宅で吸入するものです。アミカシンは従来、医療機関で点滴投与していましたが、自宅でも使えるようになったのは患者さんにとってメリットといえます。
薬物治療の終了時期は、痰に菌がいなくなってから約1年、あるいは治療開始後1年半~2年が目安とされます。菌が消えない、あるいは画像検査で悪化が認められるときは、さらに年単位で延長されます。
病変が片方の肺に限られ、喀血を繰り返したり、再発する恐れが強いと判断されたケースでは、という選択肢もあります。専門的な技量を要するので、経験豊富な医師に執刀してもらうことが重要です。

[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠

2011年~2015年:改善しない症状に悩まされる~不信感を抱く
2011年の3月にまた主治医が退職し、後任の医師に変更になりましたが、クラリスロマイシンとL-カルボシステインという投薬内容に変更はありませんでした。その後、自覚症状を伝えても「肺MAC症の悪化ではない。前回とレントゲンに変化はない」と言われるだけでしたので、自分からは特に報告することはしなくなりました。血液検査はするものの、喀痰検査やCT検査も特になく、薬をもらうための通院という感じでした。しかし、単剤投与を再開して4年目の2014年7月、激しい咳こみと痰に悩まされ始めます。受診したところ、細菌感染かもしれないといわれ、スルタミシリントシル酸塩水和物を処方されました。その時は後から、インフルエンザ菌への感染であったことがわかり、投薬の効果で症状が改善しました。しかし最初の健診より10年が経ち、自覚症状は明らかに悪化しているのに診察には進展はなく、主治医への不安が強くなりました。そこで転院を希望したところ、「専門病院に転院したら強い薬を飲んでまた副作用が出ますよ。よく考えたほうがいい」と言われました。そう言われると気持ちが消極的になり、身内の手術などもあり、転院は保留となっていました。

肺MAC症には、線維空洞(FC)型と結節・気管支拡張(NB)型がある。 ..

慢性の咳、痰、血痰、やせ、倦怠感などです。無症状で健診にて見つかる例も珍しくありません。結節性陰影、均等陰影、空洞陰影、気管支拡張症陰影など結核に極めて似た陰影を示します。なかでも胸膜近くの薄い壁でできた空洞(胸膜直下薄壁空洞陰影)は特徴的といわれます。通常のX線写真だけではなくHRCT(高分解能CT)が診断に有用とされます。写真は76歳、女性の胸部X線および肺CT像です。両側肺に複数の空洞を含む多彩な病変がみられ結核と極めて良く似ています。結核は比較的急速に病変が悪化してゆくのに対してNTMではこの状態になるのには十数年から数十年の経過を要することが多いようです。
診断はこのような画像所見に加えて喀痰検体の培養陽性やPCR法などの細菌学的診断が必要です。最近ではNTM症の多くを占める肺MAC症では血液中の坑MAC抗体を検査することもできます。

は,リファンピシン,クラリスロマイシン,エタンブトールの3剤が使われる。 Mycobacterium kansasii(M

2015年:喀血・転院
そうしてC病院でクラリスロマイシン単剤での療養を続けながら過ごしていた2015年8月、初めて喀血をしました。主治医からは「肺MAC症の悪化は見られないので重いものを持った瞬間に気管支に負荷がかかったことにより血管が切れたのだろう」と言われ2週間の安静を指示されました。その年の10月、肺NTM症専門病院の市民講座に参加し、講師の医師に相談したところ「現状の投薬では耐性化の危険がある。今の状態なら投薬する価値があるし、減感作療法で副作用の影響を考慮しながら投薬できる可能性がある」と言われ転院を決意しました。 主治医にその意思を伝えたところ「紹介状を書くのは構わないが専門の先生には怒られると思う。なぜならクラリスロマイシンの単剤投与はやってはいけないといわれているから」と言われて絶句しました。やってはいけないと知っていて単剤投与を長期間していたことを知り、言葉がでませんでした。勝手に大学病院を辞めたことは誤りだったことにこの時、気が付きました。

(CAM)またはアジスロマイシン(AZM)+エタンブトール ..

結核菌は他人への感染性が強いため、患者さまの喀痰から直接菌が検出されると、結核病棟への入院の対象となりますが、非結核性抗酸菌は菌が検出されても他人に感染することはなく、一般病棟あるいは外来にて治療をおこなうこととなります。

[PDF] ストレプトマイシン硫酸塩 非結核性抗酸菌症の適応追加


結核菌以外の抗酸菌が起こす病気でとという二種類の菌による肺の慢性感染症です。
肺結核と違い、人から人に直接感染しづらいというのが特徴で、酸に非常に強い菌になります。

病院では結核菌と同じ・・・などを用いますが、副作用が強いうえにあまり効果がなく病院側でも治療方法がない状態です。

抗酸菌の多くは川や池・土・空気中のほこり・お風呂の残り水などのと過労や手術後、過度なストレスなどによるが原因になります。

非結核性抗酸菌症(肺MAC症)の患者さんの95%はになり年間に約8,000人の新規患者の発生が報告されています。

症状としては感染初期の殆どがです。

高解像度CTにより早期発見のケースも増えていますが、その他にもに驚き病院に行った所「非結核性抗酸菌症(肺MAC症)」と診断される事も。

進行した場合やから始まり次第にや、などの症状が表れます。

○リファンピシン(またはリファブチン)+エタンブトール+クラリスロマイシン(+ストレプトマイシンまたはカナマイシン).

intracellulareという別々の菌種であるものを、これら2つの菌種の性質が非常によく似ていることから、まとめて“”と呼んでいます。近年、我が国では感染症が急激に増加しており、2007年には推定罹患率が10万人あたり5.7人であったものが、2014年には10万人あたり14.7人となっています1)。単純に日本の総人口で換算すると、年間18000人以上罹患していると推定されることになります。特に、中高年の女性を中心とした肺症の増加が目立っています。は、土壌、池や沼などの水系、トリやブタなどの動物といった自然環境や、浴室内や水道水などの居住環境に生息し、主な感染源として、家庭内の水回り(お風呂場、シャワーヘッドなど)や農業やガーデニングなどの際の土壌が強く疑われています。一方、結核の様なヒトからヒトへの感染はおこらないと考えられています。はヒトに対して、主に肺感染症を引き起こし、咳、痰、血痰などの呼吸器症状や、微熱、全身倦怠感、体重減少などの全身症状が現れます。しかし、症状がなく健康診断などで偶然にに罹患している事が見つかる場合も多くあります。また、稀にリンパ節炎、胸膜炎、骨髄炎や皮膚疾患などを引き起こす場合もあります。感染症は、従来、既に肺疾患を有する人に感染するいわゆる二次感染型での感染が多いと言われていました。しかし近年では、基礎疾患や喫煙歴のない人に感染するいわゆる一次感染型の患者が、中高年女性を中心に急増しています。また、HIV感染者やその他の易感染性宿主では、に感染し易くなります。現在までのところ、の感染を予防する方法は、確立していません。その理由として感染経路や感染の原因が明らかになっていないことが挙げられます。ただし、ガーデニング・農作業などの際や、水仕事をする際には、マスクを着用することを心がけることや、菌が生息しやすい家庭の水回り(お風呂場やシャワーヘッドなど)をこまめに掃除し清潔に保つことで、ある程度、感染を防ぐことができると考えます。症の治療は、治療効果を高めることと多剤耐性菌の出現を抑えることを目的として、リファンピシン、エタンブトール、クラリスロマイシンの多剤併用療法が原則であり、必要に応じてストレプトマイシンやカナマイシン、またはアミカシンをさらに併用することとなっています2)。しかし、症は、このような治療を行ったとしても、(1) 菌の増殖速度が遅いため抗菌薬の効果が得られにくい、(2) 菌株ごとに薬剤感受性が異なり薬剤耐性菌も存在する、(3) 多クローン性の感染をしている、などの理由で治療に難渋することが多くあります。さらに、多くの場合、(1) 病状の進行が非常にゆるやかであること、(2) 治療期間が長期間となること、(3) 長期内服治療により副作用が出現しやすいこと、(4) 再感染や再発が認められることから、いつ化学療法を開始するのか、いつまで治療を続けるのかについて、現在の指針では治療期間は菌陰性化注1)後最低12か月間となっているものの、十分な根拠に基づいたものではなく、明確な基準はありません2,3)。長期的な投薬治療を必要とし、治療に難渋することも多い抗酸菌に対して、既存のものよりも強力で副作用の少ない新しい抗菌薬の開発が望まれています。しかし、抗菌薬の開発は一筋縄ではいきません。そのような状況においては、既存の抗菌薬による治療に何らかの免疫修飾剤注2)を併用して、宿主の免疫能を増強、または組織傷害を引き起こしてしまう過度の炎症反応を制御することにより、抗菌薬の治療効果の向上をねらう「免疫補助療法」も有望な方法であると考えられます4)。抗酸菌は細胞内寄生性の細菌であり、感染防御にはマクロファージ注3)をはじめ好中球注4)、1型ヘルパーT(Th1)細胞注5)などが働く細胞性免疫が重要な役割を担っています。筆者らは、マウスを用いた感染実験において、の感染により特徴的な形質を備えたマクロファージが誘導され、さらにそのマクロファージにより17型ヘルパーT(Th17)細胞の分化が増強されることを報告しました5)。Th17細胞は、炎症反応を引き起こし、病原体の殺菌に働くとともに、組織傷害を強く誘導するという二つの側面を持ちます。このTh17細胞を適切に制御できれば、感染宿主の殺菌力を高めることや、病状の悪化を防ぐことができる可能性があります。また筆者らは、生体内に豊富に存在するadenosine 5’-triphosphate (ATP)が、そのFeイオンキレート作用によりをはじめとする病原菌の増殖を抑制することを報告しました6)。今後、有効な免疫補助療法の開発に向けて、このような研究がさらに発展することが期待されます。

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【参考資料・文献】1) Namkoong H .