抗菌薬ジェナニックとクラビットの違いを、薬剤師ライター・加藤哲也氏が解説。クラビットよりジェニナックのほうが細菌作用は強いといえます。


また、ミノマイシンはテトラサイクリン系抗生物質の中でも抗菌力が1〜4倍高いと評価されています。
耐性菌(細菌やウイルスが薬に対する抵抗力を持ってしまって、薬が効かなくなること)が比較的少なく、他のテトラサイクリン系抗生物質が効きにくい耐性ブドウ球菌に有効であることも特徴です。


抗菌薬「ビブラマイシン(ドキシサイクリン)」テトラサイクリン系

青カビから分離された天然抗生物質です。
スペクトラムは狭域ですが、レンサ球菌・髄膜炎菌への強力な活性を持つ「切れ味のよい」抗菌薬です。
半減期が短いため、数時間ごとの点滴もしくは持続点滴で投与します。また、欧米では梅毒治療の第一選択であった筋注用製剤が2021年に日本でも薬事承認され、使用できるようになりました。

1. 抗生物質と細菌には相性(抗菌スペクトル)があり、感染症の原因菌によって使い分ける
2. 抗生物質の種類によって、1日量を複数回に分けた方が良いか、1回にまとめた方が良いかは異なる
3. 処方された抗生物質は、決められた用法で、症状が治まっても最後まで飲み切る

抗生物質の強さ比較 抗菌力はどの種類の抗生物質が一番強いのか?

主な原因菌はなどです。急性中耳炎でも自然軽快することがあり、必ずしも全例に抗生剤が必要なわけではありません。アメリカの小児科学会では、中耳炎における抗生剤の適応として、耳漏がある場合や症状が強い場合は抗生剤の適応があるとしていますが、片側性で耳漏がない場合は経過観察を推奨しています。

なお、抗菌薬に対する感受性(効きやすさ)や症状の程度によって、抗菌薬の量を増やしたり、適切な抗菌薬に変更する場合もあるでしょう。

オーグメンチンは、アモキシシリンの働きを阻害する細菌酵素を失活させるクラブラン酸と、アモキシシリンとの配合剤だ。

また、症状をもたらす細菌により効果的な抗生物質が異なるため、知名度や強さで選ぶのではなく、細菌に対しての効果で選ぶことが大切です。

そんな疑問を解消するべく今回は、一番気になる抗生物質の強さについてまとめてみました。

[PDF] アモキシシリン水和物 小児感染症に対する最大投与量の変更

◆抗生物質(抗菌薬)の系統と作用機序
サワシリン:ペニシリン系、細胞壁合成阻害
クラリス:マクロライド系、タンパク合成阻害
クラビット:ニューキノロン系、DNA合成阻害

第一選択薬のアモキシシリンが効かなかった場合、セフェム系のセフジトレンピボキシル(メイアクト®)が用いられることもあります。それでも効果が見られない場合は、ニューキノロン系のトスフロキサシン(オゼックス®)や、カルバペネム系のテビペネムピボキシル(オラペネム®)などが選択肢に含まれます。


【感染症内科医監修】ペニシリン系抗生物質の一覧解説<早見表つき

抗インフルエンザ薬として、内服でオセルタミビル(タミフル®)、吸入薬でラニナミビル(イナビル®)、点滴でペラミビル(ラピアクタ®)が処方されます。日本ではオセルタミビル(タミフル®)耐性のインフルエンザは0.3~4.1%です。健常な小児でインフルエンザに対してオセルタミビルを用いると平均で約29時間ほど発熱期間を短くする効果が認められています。しかしながら、全例でオセルタミビルを服用する必要があるかは議論のあるところで、オセルタミビルを外来で使用しても入院率は減少しなかったという報告もあります。バロキサビル(ゾフルーザ®)が2018年に発売され小児でも適応がありますが、ですので、私は内服しかできない小さいお子様はオセルタミビルを、吸入ができる小学生以上のお子様はラニナミビルを処方しています。

強いわけでは無い. ex)黄色ブドウ球菌に対しては第1セフェム ..

本邦における小児の急性中耳炎の第一選択抗菌薬は、ペニシリン系のアモキシシリン(サワシリン®、ワイドシリン®など)や、クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物(オーグメンチン®)ですが、後者はより重症の場合に使用されます(小児急性中耳炎診療ガイドライン)。しかし実際には、中耳炎や、小児への呼吸器感染症全体に対しての場合は「セファロスポリン系(セフェム系)とマクロライド系抗菌薬の処方割合が高い」と報告されています。(National Library of Medicine「Nationwide survey of indications for oral antimicrobial prescription for pediatric patients from 2013 to 2016 in Japan」より)

この薬の特徴は出しやすさにあります。プロドラッグですので胃腸障害が ..

抗菌薬の主な副作用には、下痢などの消化器症状があげられます。ひどい場合には服用を中止して受診するよう指導する必要があります。なお、消化器症状を防ぐため、抗菌薬と一緒に併用しても効果が減弱しない整腸剤が処方されるケースも少なくありません。

『アモキシシリン・クラブラン酸』と『セフジトレンピボキシル』というお ..

上記以外にも、それぞれの抗生物質には併用注意の薬があるため、用法用量を必ず確認してください。

れている。 患者が「風邪をひいた」といって受診する場合、その病態

テトラサイクリン系抗生物質であるミノマイシンは、細菌のたんぱく質合成を阻害することで細菌の増殖を抑制します。

1分で読める!歯科医のための「感染性心内膜炎」の抗菌薬予防投与

このように、抗生物質は使い方が非常に難しく、自己判断で調節したり選んだりして使える薬ではありません(※そのため)。抗生物質を処方された時には、ようにしてください。

(推奨の強さ 2:弱く推奨する(提案する) 、エビデンス総体の強さ C(弱) ..

アモキシシリンの効力は、その秘密兵器であるアモキシシリン三水和物に起因する。この分子の守護神が抗生物質の骨格となり、顕著な抗菌作用を発揮する。

経口の第一選択薬はアモキシシリン(サワシリン®、アモリン®、パセトシン®)です。

レンサ球菌:溶血レンサ球菌による皮膚軟部組織感染症(壊死性筋膜炎であればクリンダマイシンの併用を検討)や緑色レンサ球菌による感染性心内膜炎の第一選択
髄膜炎菌:髄膜炎菌性髄膜炎の第一選択
感受性のある肺炎球菌での第一選択:最近ではペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP:penicillin-resistant )が増えている
梅毒・レプトスピラなどのスピロヘータ属の第一選択
クロストリジウム属(など)や口腔内嫌気性菌の大部分(など)
その他さまざまな微生物に活性がある:ジフテリア()・炭疽菌 ()・放線菌のアクチノミセス()など
× 黄色ブドウ球菌・大腸菌はペニシリナーゼを産生するため耐性であることが多い
× 横隔膜下の嫌気性菌には無効

[PDF] 歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン 2020

クラビットジェニナックなど(ニューキノロン系抗菌剤)のほとんど
:動物実験で幼若動物に関節異常が認められたことから、小児(医薬品の年齢区分では「15歳未満」)は禁忌。トスフロキサシン(オゼックス)に限り小児適応あり。

偏性嫌気性菌の関与する割合が高くなるので,重症の歯性感染症ではβ- ラクタマーゼを産生す

Agents Chemother., 39: 1140-1146, 1995相川 カルバペネム系は細菌の出すβ-ラクタマーゼに安定性が高く,このことにより強い抗菌力を持っているわけですが,皮肉なことに,ペニシリンやセフェムとは異なり,ヒトのもつデヒドロペプチダーゼ-I(DHP-I)には分解されます。
カルバペネムで尿中での活性体の回収率をあげるために,DHP-Iの阻害剤を配合したものもありますが,メロペネムは比較的この酵素に安定であるためにDHP-Iを阻害しなくとも活性体の尿中回収率はかなりいいですね。分解されないで多く出てくるということですから,尿路感染症は尿路系を殺菌するという意味も含めて,このDHP-Iに安定性が高いということはどのような意味があるのでしょうか。
公文 シラスタチンは尿細上皮細胞へのイミペネムの吸収を阻害するという形で腎毒性を軽減したと同時にDHP-Iの阻害剤でもあります。
このDHP-I阻害については,イミペネム/シラスタチンの開発の時,この酵素に類似のプロリダーゼ(Prolidase)の先天性の欠損症を学位論文に研究している友人がいまして,このプロリダーゼが欠損することでイミノペプチドウリア(Iminopeptiduria),それとコラーゲンの代謝異常を伴う症例があることを聞かされていました。そうしたことから,この天然酵素であるDHP-Iというものを阻害することが本当に大丈夫なのかどうか,イミペネム/シラスタチンを投与した後に尿中のディペプチド(Dipeptides)にどういうことが起こるのかを検討したことがあります。
その結果,正常の腎機能の時にはそれほど問題はないのですが,中等度以上の腎機能障害がある場合には,アスパラギン酸,グルタミン酸,それとグリシン,アラニンなどから構成されますペプチドの尿中排泄の増加が明らかに認められました。その傾向は,腎機能が悪化すればするほど強くなることがわかりました。
そうした経験を基に,当時論文を書いて,そこにいみじくも「Ccr50以下の患者では,投与間隔を12時間以上とすることがすすめられる」と記しました。これはその後,腎毒性であるとか中枢神経系の毒性が出てきた症例に腎機能障害患者が非常に多かったこともあり,注意すべき事項だと思います。公文 活性体の尿中回収率がこの3剤の中ではイミペネム/シラスタチンが最も高く,70%を超えています。通常,抗菌薬の排泄を腎排泄型,肝排泄型という分け方をしますが,現実に臨床的には尿中回収率が大体70%を超えますと,かなりCcrの影響を受けるようになります。
そういった意味で,逆に尿中濃度が高くなるのはよろしいのですが,可能性として腎機能障害の影響を受けて,血中濃度が遷延するといった問題も同時に出てきます。
相川 配合剤ですと,両薬が同じ血中濃度を推移することが前提となると思いますが,イミペネムの血中濃度とシラスタチンの血中濃度はほぼパラレルにいくのでしょうか。
公文 というよりも,シラスタチンは過剰量の設定になっているからこそ,ディペプチドやペプチドが余計に尿中に排泄されるわけで,要するに他の作用もあるということになります。
相川 DHP-Iに比較的安定と言われているメロペネムの活性体の回収率はどれくらいですか。
公文 約60%です。逆にパニペネム/ベタミプロンでは20-30%くらいです。治療上大きな問題はありませんが,尿路感染症の場合には10%を切ると明らかに不利ですので,もう少し高くてもいいのではないかと言えます。相川 ところで,実際に各分野でカルバペネムがどのように使われているのでしょうか。適用についてまとめていただきたいと思います。内科の領域ではいかがですか。
河野 内科の中でも特に呼吸器感染症では,最初に言いました適正使用をどうするかだと思います。非常にシンプルに言えば,やはり軽症の感染症に対してはむしろスペクトルの狭いもので,極力ターゲットを絞るようにすべきだと思います。
一方,中等症以上の場合には最初から広く強いものということになり,カルバペネムを用いることが多くなるでしょう。ですから,適正使用ということでカルバペネムを考えますと,基礎疾患や感染症の重篤度が高い場合は,やはり第1選択肢として使うということになると思います。
呼吸器感染症で最近感じていることは,日本では軽症の場合,外来治療でセフェムの経口剤が多く使われています。例えば,市中肺炎では肺炎球菌がもちろん一番多いわけですから,そうしますともう6割近くがペニシリン低感受性あるいは耐性(Penicillin insensitive or resistant ,PISPあるいはPRSP)ということで,経口剤で失敗する例を経験することが多くなっているわけです。
PRSPによる中耳炎とか髄膜炎はもちろんですが,肺炎においても,カルバペネムはPRSPに耐性がないので,グラム染色で肺炎球菌を認めますとペニシリンやセフェムよりもカルバペネムを使うことになります。
相川 PRSPの可能性を考えてですね。通常の健康人ではどうでしょうか。
河野 若い人の肺炎球菌には使いません。しかし,高齢者で何らかの基礎疾患を持っている場合には,カルバペネムを使うことが多くなってきていると思います。それはやはりPRSPの経験からそのような傾向になっているのだろうと思います。
相川 外来患者ではどうですか。
河野 外来では最近のグラム陽性菌に強いキノロンです。PRSPを考えてグラム陽性菌に強いニューキノロンを使います。それで失敗した時,そしてまた基礎疾患が重篤な時にはカルバペネムを使います。セフェムは副作用が少ないからどうしても高齢者に使いますが,PRSPですと治療に失敗する可能性があります。相川 先生方のご専門分野の臨床の機微を聞かせていただきましたが,欧米ではキノロンの注射薬がかなり使われて,マーケットも非常に大きくなっています。日本でもそろそろその市場が出きてくる可能性があります。肺炎の場合ですが,将来的に考えてカルバペネムと注射用のキノロンを比べるとどういう位置づけになるのでしょうか。
河野 キノロンはマイコプラズマ,クラミジア,レジオネラ,非定型抗酸菌などを含めて,呼吸器感染症の原因菌を非常に広くカバーしますから,スペクトルという点では,カルバペネム以上のものがあります。
ただ,日本ではキノロンの注射の開発にもう10年近くかかっていると思いますが,開発中に重篤な副作用が出たことによって遅れています。感染症の化学療法を行なう場合,効力も当然ですが,副作用も考えて薬剤を選択します。中等症以上の感染症で,カルバペネムの注射を使うかキノロンの注射を使うかという時に,効果と副作用の両面から評価が行なわれると思います。
公文 その件に限って言えば,尿路感染症ではそうではないと思います。というのも,緑膿菌に対するキノロンの感受性の低下は非常に顕著です。泌尿器領域の重症感染症では緑膿菌を想定しなければいけないので,現在はキノロンが使えないと言っても言い過ぎではない状態です。
そういった意味からは,尿路の場合のempiric therapyで,注射薬のキノロンが出たからカルバペネムはどうかといった場合には,やはりカルバペネムを選ぶようになると思います。小林 ペニシリンでペニシリナーゼ抵抗性の単剤のものがなくなりましたよね。実際にブドウ球菌による敗血症や心内膜炎が現在もかなりあります。それでセフェムを最初に使って私のところに相談に来るのですが,基礎疾患がある重症なブドウ球菌による敗血症には効果はなかなか認められませんから,それにはカルバペネムがいいと思います。
相川 クロキサシリンの代わりということですか。
小林 ええ。クロキサシリンの単剤が発売中止になるという考えもつかないようなことが日本で起きてしまったわけです。
狭域のペニシリンでいける疾患にわざわざカルバペネムという言葉を言わなければならなくなったのはある意味では残念ですが,逆にカルバペネムがあるからなんとかなるということもあります。実際に,今のところ表皮ブドウ球菌やその他のコアグラーゼ陰性のブドウ球菌,それからMSSAによる心内膜炎にメロペネムやパニペネム/ベタミプロンを軸に使って治しています。現実問題として,重症の心内膜炎ではない敗血症が遷延して長引き,セフェム系では効かないから,本来ならペニシリンを使いたいのですがありませんので,カルバペネムを使っています。カルバペネムの位置づけとしては本当はよくないと思いますが,やむをえない選択肢です。
相川 MRSAの場合,バンコマイシン(Vancomycin,VCM),テイコプラニン(Teicoplanin,TEIC),アルベカシン(Arbekacin,ABK)が選択肢になります。カルバペネムは万能のような印象がありますが,MRSAには使うべきではないと思います。メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(Methicillin resistant ,MRSE)ではどうですか。
小林 カルバペネムが,どの程度MRSEをカバーしているかが問題になります。
相川 外科の領域などでも,特にカテーテルを留置している患者さんのCatheter related sepsis(CRS)で,MRSEが検出されてきています。シドニーの国際化学療法学会でも発表したのですが,かなりカルバペネムが効きますね。
小林 確かに効きますね。カテーテルを抜去するせいもあるのでしょうが,表皮ブドウ球菌だと深部に膿瘍を作る可能性は非常に少ないと思います。ただ,MRSAのほうは黄色ブドウ球菌ですので,深部膿瘍を作るために強力な抗菌剤が必要です。その差があるから,カルバペネムはMRSEにはある程度は効くのかもしれません。河野 耐性の問題についてですが,うちでもいわゆるカルバペネム系を分解するメタロβ-ラクタマーゼ,つまりカルバペネマーゼ産生菌を検出する目的で,カルバペネム薬に対するMICがある程度以上のグラム陰性菌を集めまして,その耐性遺伝子であるIMPをどの程度持っているかを検討しましたが,幸いなことに増えていませんでした。
1993年ぐらいをピークに,その後は波打っているのですが,決してカルバペネムの使用量の増加とは一致しない傾向です。ですから,思ったほど耐性遺伝子を持っているものが広がっているわけではありませんでした。緑膿菌やセラチアがこの耐性遺伝子を持っており,これら耐性菌による感染症はほとんどが肺炎,しかも術後の肺炎が多いです。食道癌術後やATLなどの血液の悪性腫瘍を持っている患者さんで,緑膿菌性肺炎を併発し,治療のかいなく亡くなった症例を経験しています。しかし,ここ4-5年でも5-6例と少ない頻度であり,増加傾向は見られません。逆になぜ増えないのか不思議に思っています。
小林 私はそこまで調べていないのですが,緑膿菌の場合,多剤耐性のものが時々あるのですが,カルバペネムに耐性だとアズトレオナム(Aztreonam,AZT)に感性で,それからCZOPなどの新しいセフェムにも感性だとか,この3系統に同時に耐性を示す株はすごく少ないようです。耐性機構が異なりますから,現場ではいろいろ工夫してお使いになっているので,それがいい意味で環境をそれほど変えていないのではないかと思います。
相川 そういう点では,先ほどお話にありました術後肺炎などは当然ICUに入った重症患者に,empiricに抗菌薬を選ぶことが多いわけですから,それぞれの施設ごとに,ICU由来の分離菌にどのような特徴があるのか,そしてそれらの分離菌の各抗菌薬に対する感受性はどうかを把握しておく必要があると思います。公文 結局,カルバペネムはある意味ではやはり大事な薬だという認識が皆さんにあって,それなりの適正使用が一番よくできている薬剤ではないかと私は思うのです。
第3世代のセフェムの頃はやはり本当によく使われましたね。その反省が多少あるのでしょうか。これを大事にしないといけないという意識があり,第一選択薬に使っているという例についても,それぞれの施設でのクライテリアがそれなりにあって使用されているように思います。そういう意味で耐性菌もそれほど広がっていないと考えられます。
河野 やはり,MRSAが出て院内感染対策という認識が広まってきたこともあるように思います。手洗いとか消毒も十分行なわれていますし,もしその耐性菌が出たところで,それが医療従事者を通じて次の患者さんに広がるのを抑えているのではないかなと感じています。
小林 私もそう感じています。
相川 欧米の施設,特に米国などではカルバペネムを使う場合には,インフェクション・コントロール・コミッティーの許可を得るとか,カルバペネムだけでなくても幾つかの指定された薬を使う場合にはそういう許可が要るような施設もありますし,日本でもそのような考え方を導入している病院もそろそろ出てきています。このように優れた抗菌特性を持っているカルバペネムをこれからも適正に使っていただき,それによってこの特長を伸ばしていただくことが必要かもしれません。
今日はご専門の先生方の,それぞれの現場からのご意見をお聞きすることができました。大変有意義な座談会だったと思います。どうもありがとうございました。

ロン系薬はアモキシシリン高用量と同様の臨床効果が示されている。 ..

血液の凝固を阻害する薬です。脳血管や心臓血管に障害があるときに出されています。血液が固まるときにそのシステムの何箇所かでVitaminKが必要なのですが腸管からの吸収を阻害します。VitaminKを静脈注射することで3-6時間で凝固が回復します。アスピリン(小児用バファリン)などと違ってコントロールしやすいので良く処方されています。 ところで腸内細菌もVitaminKを産生しています。抗菌剤は腸内細菌をやっつけますので、すべての抗菌剤は併用注意となっています。しかし短期間の投与ではそれほど影響はないと思います